缶詰時報より
上澤屋本店談
福神漬製造の動機
このたびの福神漬の研究会にて弊店製造の福神漬が優秀品であると推奨を賜り誠に思いがけなく喜んでおります。
2・3年前まである有名な製造家の福神漬を販売しておりましたが、ある夏顧客から沢庵漬の臭いがあるといって缶のフタを切ったまま返品されましたので、その品を売ることを止め真の優良品を販売する目的で福神漬の製造を始めました。
しかし,良い物を造るにしても、飛び離れて高価の物は販売困難であるのでとにかく沢山という事でなく、少なくとも良い物を造るという考えで始めました。つまり、野菜は出始めの極若いものでそして生産地の確かなものを材料として、福神漬を製造することにしております。
なお、缶詰(福神漬の)というものを一部の人はどれも皆悪いものと決めておりますし、また実際劣悪品の多いことから毎月この缶詰研究会で真面目な優良品を広く一般社会に推奨していただければ製造者は価格より品質に重きを置くようになれば、斯業のために結構な事と存じます。
不況が続いた平成の今でもこの考えが十分通用する。第一次大戦後の不況で不良漬物が出回っていたと思われる。
上澤屋本店談
福神漬製造の動機
このたびの福神漬の研究会にて弊店製造の福神漬が優秀品であると推奨を賜り誠に思いがけなく喜んでおります。
2・3年前まである有名な製造家の福神漬を販売しておりましたが、ある夏顧客から沢庵漬の臭いがあるといって缶のフタを切ったまま返品されましたので、その品を売ることを止め真の優良品を販売する目的で福神漬の製造を始めました。
しかし,良い物を造るにしても、飛び離れて高価の物は販売困難であるのでとにかく沢山という事でなく、少なくとも良い物を造るという考えで始めました。つまり、野菜は出始めの極若いものでそして生産地の確かなものを材料として、福神漬を製造することにしております。
なお、缶詰(福神漬の)というものを一部の人はどれも皆悪いものと決めておりますし、また実際劣悪品の多いことから毎月この缶詰研究会で真面目な優良品を広く一般社会に推奨していただければ製造者は価格より品質に重きを置くようになれば、斯業のために結構な事と存じます。
不況が続いた平成の今でもこの考えが十分通用する。第一次大戦後の不況で不良漬物が出回っていたと思われる。