築地市場が移転して、豊洲市場が開場して2年になる。その間の細かな事情を知らない外部のライタ-が様々な豊洲市場の欠陥を報道している。そしてその欠陥報道は最後まで移転反対していた水産仲卸の方が多いように思える。ライタ-の取材先は反対の声を拾う方が読者受けする報道会社の意向を受けて取材する。
築地でも盛業している水産仲卸は築地市場内に多数の店舗を構え、さらに月島や中央区外に作業場や経理事務を持っていて、移転しようが築地にとどまろうがどちらでも良く、だだ豊洲の市場に対しての風評を心配していたようだ。
漬物も北海道札幌でO-157の大腸菌汚染で納品した漬物により、高齢者が多数亡くなった。これは今でも単独のO-157事件での死者数の記録となって、まだ更新されていない。ハクサイの危険が報道され、北海道だけでなく全国のハクサイが暴落した。この件の状況は農林水産省からシバシバハクサイの売れ行きの問い合わせが入った。夏のハクサイは漬物需要しかない。風評被害は恐ろしい。今度のコロナでその怖さを興行・飲食業界は知ったと思われる。
豊洲市場の問題点は様々な業界の意見と設計会社と東京都の情報交換が不十分だったと思われる。時間があったのにかかわらず移転反対だからといって新市場の設計に水産部の人たちが熱心でなかった。
豊洲開場後に来た、生命保険のおばちゃんが言うには青果部は整然としていて、水産部は使いにくいという意見が多いという。その差は移転賛成の青果部は個々の細かな仲卸業者の意見を取りまとめていた気がする。水産部は個々の仲卸の必要な施設の意見を聞くことは無かったのではないのだろうか。仮にあってもマグロの設備と佃煮・カマボコなどの仲卸は設備思想が異なるから無理であろう。地方の水産仲卸と築地は規模が異なり前例が役に立たない。要は業者数が多くて、まとまらなかった。
築地市場の経営状況を把握していたのは場内を顧客としていた生命保険のおばちゃんだろう。