透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

福永武彦を読む

2007-04-13 | A 読書日記

 春爛漫 松本城の桜(070413)


● 手元にある新潮文庫の『愛の試み』平成13年(41刷)のカバーの折り返しに載っている福永武彦の作品は『草の花』『愛の試み』『海市』の3冊のみ。昭和56年(45刷)の『草の花』には9冊載っているのに・・・。

この作家の繊細で静かな文章が好きだが久しく読んでいなかった。きょう短編の「廃市」を再読した。

卒業論文を書くために地方の「水の町」の旧家で大学最後の一夏を過ごした私。10年後、新聞でその町が大火になって町並みのあらかたが焼けたという記事を目にして、水の町での出来事を回想する・・・。

この『廃市・飛ぶ男』や『忘却の河』も既に絶版、名作が次々絶版になってしまうのはなんとも寂しい・・・。