■ 早いもので4月が終わる。4月の読了本はこの3冊。
『川あかり』 葉室麟/双葉文庫
藩一番の臆病者と言われる若侍、伊東七十郎が家老の暗殺を命じられた・・・。川止めで安い木賃宿に逗留して川明けを待つ七十郎。相部屋となった奇妙な連中といつの間にか友情が芽生え・・・。ついにその時がやってきた。さわやか、そして少し寂しい読後感はこの作家の作品に共通している。
『桜は本当に美しいのか』 水原紫苑/平凡社新書
**私は、桜が、いかなる幻想からも解き放たれて原始の不逞は花を咲かせてくれることを望むが、それこそ、僭越というもので、春ごとに桜は、人間の思いなどとは関わりなく、植物の生を全うしているのであろう。** あとがきのこの文章に著者の桜に対する考え方、想い、つまり「桜感」が出ている。
人は桜に耐え得ぬほどの重荷を負わせたと著者は言う。歌人故の感性か。このように想う知性も感性も残念ながら私にはない・・・。
『脳内麻薬 人を支配する快楽物質ドーパミンの正体』 中野信子/幻冬舎新書
他人に褒められたりする「社会的報酬」と「金銭的報酬」が脳の同じ部位の反応だという事実。要するに♪「お金」じゃないのよ人生は HA HAN ということだ。