透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

冷静な対応を

2020-02-29 | A あれこれ

3325人

この数字、何でしょうか? 

2018年に日本でインフルエンザで亡くなった方の人数です(下表:厚生労働省 人口動態統計から抜粋)。



インフルエンザが流行するのは冬ですが、この年の1月は1092人、2月には1260人の方が亡くなっています。1月は35人/日、2月は45人/日という数です。

新型コロナウイルスの感染拡大抑制(新聞記事は感染拡大防止のためにとなっていますが、防止は無理でしょう)のために、安部首相は全国の小中学校・高校・特別支援学校の臨時休校を要請しました。

2018年にはインフルエンザで3325人もの死者が出ていますが、今回のような対応はしておらず、学級閉鎖、学校閉鎖対応どまりです。今回のような国立の博物館や美術館の休館、民間の娯楽施設の臨時休業がインフルエンザの感染拡大抑制のために行われたということもなかったかと思います。

新型コロナウイルスの感染拡大への対応が冷静でないなどと書けば叱られるでしょうか・・・。

メディアでは感染者数を連日報じていますが、感染者でも既に治癒した人の数は報じてはいませんね。また、クルーズ船内で感染した人の内、どのくらいの人が発症しているのかも報じてはいません。感染者全員が発症しているということでもないようです。

災害があればテレビでは被害が甚大なところの映像ばかりが流されますが、本当は必要だと思う被災地域の全体像が示されることはほとんどありません。今回の報道にもこのような傾向がみられるように思います。

『あ、火の見櫓!』でも触れましたが、脳は何だか分からないのもに対しては警戒心、恐怖心を抱かせます。

メディアには新型コロナウイルスそのものに対し、既に得られている知見も是非報道して欲しいと願います。否、メディア頼みではなく、個々人が調べてみるべきかもしれませんね。

正体が多少なりとも分かれば恐怖心が和らぎ、冷静な対応ができるはずです。インフルエンザの例が示しているように。

マスクや消毒液が店から消えるということは分からないでもありませんが、トイレットペーパーやキッチンペーパーまで無くなるなどという現象は明らかに冷静さを欠いた行動の結果だと思います。





火の見櫓と秋葉様

2020-02-29 | B 石神・石仏


(再)塩尻市片丘 4脚64型 撮影日2020.02.28

 道祖神は集落の守り神として集落の主要な道路沿いに祀られていることが多い。元々は集落の入口(位置的には集落のはずれ)に門番、ゲートキーパーとして祀られたのだ。貧乏神や疫病神が集落に入ろうとするのを阻止する役目を負うて。その後集落が広がって、いつの間にかはずれではなくなったということだろうか。こうなると火の見櫓の立地条件と重なる。道祖神と共に二十三夜塔などが祀られていることも少なくない。

この火の見櫓は既に取り上げている。過去ログ

すぐ近くに火防の神様・秋葉大神が祀られている。火の見櫓と秋葉大神は最良の組み合わせだが、今まで秋葉大神(秋葉様)に注目していなかったので、既にこの組み合わせを目にしていたかもしれないが、記憶にはない。同じ石神でも道祖神には関心があるので、火の見櫓の脚元に道祖神が祀られていると、いつも気が付いていた。ちなみに左の蠶玉(こだま)大神は蚕の神様。過去ログ

          
 *  訓読み:かいこ、こ  

普段目にすることのない難読漢字だが、蠶玉様というのはお蚕(おかいこ)の神様のことだ、と近所の物知りなおじさんに昔教えてもらっていた。


 


なぜ迷う?

2020-02-27 | A 読書日記



 渋谷駅が迷路のように分かりにくい、と先日書いた。なぜ分かりにくいのか? この疑問に答える本が見つかった。『なぜ迷う?複雑怪奇な東京迷宮駅の秘密』田村圭介(じっぴコンパクト新書2017)。

コンビニで注文していたこの本を今日(27日)受け取った。書店で注文すべきかもしれないが、コンビニは名前の通り「便利」。

東京の複雑なターミナル駅の空間の構造とその成り立ちについて書かれた本。駅を「切り貼り」構造、「立体」構造、井桁「構造」にタイプ分けし、それぞれのタイプについて具体的に論じている。

これはおもしろそう。 


 


1238 安曇野市穂高の火の見櫓

2020-02-27 | A 火の見櫓っておもしろい


1238 安曇野市穂高柏原 3脚8〇型 撮影日2020.02.24

 常念岳に向かって伸びる道沿いに立つ火の見櫓の姿が凛々しい。





見張り台の高さは約11.2メートル。屋根のてっぺんまでの高さは約15メートル、高い部類に入る火の見櫓。脚は短く、がっしりしている。接合に全てボルトを使っている。柱の接合には重ね継ぎ手ではなく、突きつけでガゼットプレートを介した接手が用いられている。



3角形の櫓に8角形の屋根という組み合わせは少ない。



脚部。美脚とは言い難い。だがトラス構造のがっしりした脚も好い。


 


33会の旅行

2020-02-26 | A あれこれ

 新型コロナウイルスの感染者数が増加している。この時期の旅行は自粛する必要があるのかもしれない。が、33会の旅行を予定通り実施した。旅行と書けば大袈裟、静岡県の駿河健康ランドまで出かけ、温泉に浸かって(日頃の疲れを癒やして)、宴会で食べて飲んできた(今回も大いに盛り上がったことは言うまでもない)。今回の参加者は少なく、5人だった。

33会(中学の時、3年3組だったことに因んでつけた親睦会の名前。ずいぶん長い間交流が続いている)では1年おきに旅行に出かけていて、昨年の1月に出雲大社、足立美術館に行ってきた(過去ログ)。だから今年は旅行する年ではないのだが、1年おきだと後何回も行くことができないから、毎年行きたいという女性陣からの要望を受けて、今年も出かけることになったのだった。

Sさんの提案で駿河健康ランドまで出かけたのだが、信州健康ランド(長野道の塩尻北ICのすぐ近く)から無料の送迎バスがあり、往復ともそのバスを利用して行って来た。

多額の費用がかかるような贅沢な旅行ではない。でも、気の置けない仲間がいて、楽しく旅行ができる、こんなうれしいことはない。

33会、次は暑気払い。







「あ、船だ!」海なし県育ちは、泊まった部屋の窓から見えるこんな風景に感動する。だから写真を何枚も撮ってしまう・・・。


 


「日本の民俗宗教」

2020-02-25 | A 読書日記



『民俗学』宮田 登(講談社学術文庫2019)を読み、続けて『日本の民俗宗教』松尾恒一(ちくま新書2019)を読んだ。

**古代から現代まで、数々の外来の文化の影響を受けて変容し形成された日本の民俗宗教を、歴史上の政治状況、制度の変遷とともに多角的に読み解く。**とカバー折り返しの本書の紹介文にある。

ただ字面を目で追うだけ、内容が頭に入ってこなかった・・・。民俗学に関する基礎的な知識を持っていないと理解することが難しい、ということなのかもしれない。途中で投げ出そうかとも思ったが、なんとか「読み終えた」。

**本書では、日本の民俗的な信仰が、日本の風土や精神性から自ずと形成されたわけではなく、古代より海外との関わりの中で、ときに国難を乗り越えるための政策として制度化され、寺院や神社といった宗教施設のみならず、自然や村落の景観を形成する上で大きな役割を果たしたことを主眼とし、それが現在にどのように継承されているかについて考えてきた。**(あとがき 227頁)

あとがきのこの件(くだり)を読んで、「そうだったのか・・・」。

読解力乏しい私ゆえ、こんなこともあるさ。 


 


1236 安曇野市穂高の火の見柱

2020-02-24 | A 火の見櫓っておもしろい


1236 安曇野市穂高田中 1脚無〇型 撮影日2020.02.24

 立春も過ぎて暦の上だけでなくすっかり春になった。そろそろ火の見櫓巡りを本格的に再開したい。今日(24日)は穂高方面へ所用で出かけたが、ついでに火の見櫓も見てきた。

これは防災行政無線柱に見張り台を付加し、半鐘も吊り下げたと解すべきかもしれないが、もちろん1本柱の火の見櫓、即ち火の見柱と捉えることもできる。だが、昔からある火の見櫓とは違い、存在感がありすぎて風景によく馴染んでいるとは言い難い。





田中地区の公民館の2階までは螺旋階段を付けているが、それから上は梯子になっている。鋼管柱に付けられた梯子を登り降りするのはかなり怖いはず。見張り台まで螺旋階段を設置することが望ましいが、景観上は梯子の方が好い。どちらを選択すればよいか、判断に迷う・・・。


 


朝カフェ読書

2020-02-19 | A あれこれ



 一週間単位で生活のリズムを刻んでいるが、火曜日は朝カフェ読書をすることが多い。退職してサンデー毎日になったらどうなるだろう・・・、一週間単位の生活ができるだろうか。今日は何曜日だっけ?なんてなりはしないだろうか。

昨日(18日)朝カフェで読んだのは『民俗学』宮田 登(講談社学術文庫2019)。先日東京駅前の丸善で買い求めた文庫本だ。

民俗学の学問的体系が分からないので、この本がどのように位置づけられるのかよく分からないが、総論的な入門書ということで良いのでは。ハレとケそしてケガレ、ムラとイエ、稲作と畑作、盆と正月などの章題で解説されている。週末の連休に読み終えることができればよいが・・・。


 


141枚目は火の見櫓巡りの先達

2020-02-18 | C 名刺 今日の1枚

 
141 堀川雅敏さん

 **長野県の火の見櫓の数は2,300基くらいという推測値があります。ある方が2004、5年に長野県内全域を調査して1,870基の火の見櫓を確認し、発見率を80%として算出したという数です。**(『あ、火の見櫓!』25頁)このある方というのは松本市在住の堀川雅敏さんのこと。

「長野県にはどのくらい火の見櫓があるのか」メディアで聞かれる度にこの数字を基にその後各地で撤去されていることを考慮して推測値を挙げてきた。

想雲堂のオーナー渡辺さんの紹介で幸運にも昨晩(17日)堀川さんにお会いすることができた。で、火の見櫓をめぐる対談をした。

対談の様子はいずれ紹介されることになる。その時はこのブログでお知らせしたい。

市民タイムス(2005年6月8日)に掲載された堀川さんの火の見櫓巡りのことを紹介する記事の結びに「地域のランドマークとしての機能も果たしている火の見櫓を大切にしてほしい」とある。この堀川さんのコメントに同感だ。

本を出してから、新たな出会いの機会が増えたような気がする。