火の見櫓のある風景 長野県朝日村古見 2024.06.08
■ 朝日村には火の見櫓が16基ある。それらの中でまだスケッチしていないのがこの火の見櫓。なんとか道路山水的構造の風景を見出した。緩やかに下って行く道路。その交差点の脇に立つ小さな火の見櫓。
本当はもう少し火の見櫓に近づきたいけれど、歩道のない道路なので、それは無理。車道に立ってスケッチするわけにはいかない。道路の左側に並び立つ住宅の形は把握しやすい。背景の山のボリュームもこのくらいが良い。道路の右側をどう描こう。この近景は描きにくい。
火の見櫓のある風景 長野県朝日村古見 2024.06.08
■ 朝日村には火の見櫓が16基ある。それらの中でまだスケッチしていないのがこの火の見櫓。なんとか道路山水的構造の風景を見出した。緩やかに下って行く道路。その交差点の脇に立つ小さな火の見櫓。
本当はもう少し火の見櫓に近づきたいけれど、歩道のない道路なので、それは無理。車道に立ってスケッチするわけにはいかない。道路の左側に並び立つ住宅の形は把握しやすい。背景の山のボリュームもこのくらいが良い。道路の右側をどう描こう。この近景は描きにくい。
火の見櫓のある風景 長野県朝日村針尾 2024.06.08
■ 朝日村にある火の見櫓16基の内の1基。この風景は昨年6月に描いているが、その時の写真(下)と今日の写真とは画角に違いがあるものの、ほぼ同じ位置から撮っている。
この風景をスケッチするとなると、この位置がベストだということを確認した。背景の山と火の見櫓との関係。火の見櫓の手前の2棟の切妻屋根の建物(右は消防団詰所)など、この風景を構成している各要素の位置関係が一番好い。
この風景の構造を読み解こうとよく見ると、道路山水的構造でもなく、重層的構造とも言えない。構造がきちんと把握できないと描けない・・・。
2023.06.20
ここの火の見櫓は見張り台から屋根まで高く、屋根の直下に半鐘が吊り下げられていない。中間の横架材から吊り下げられている。この通り描くと、不自然に見えるだろう。本当のことが嘘っぽく見えてしまう。どうする・・・。
△ 道路山水的構造の火の見櫓のある風景
△ 重層的構造の火の見櫓のある風景
(再)北安曇郡松川村(板取会館の近く) 2024.06.05
■ 私が惹かれる風景の構造はふたつ。同じ火の見櫓でも見る位置によって見え方は変わり、好きな構造(風景構成要素の構成され方)を見つけることもできる。この火の見櫓から私好みのふたつの構造の風景を見出すことができた。
いま描いてみたいのは重層的構造の火の見櫓のある風景。坂井さんの布絵に魅せられたからかもしれない。ここ、自宅から少し遠いけれど天気の良い日に出かけてスケッチしようかな・・・。
東筑摩郡朝日村小野沢 描画日2024.06.01
■ やはりスケッチは速描。線はすぅ~っと一気に引かないと。着色も色を決めたら筆に水を多めに含ませて大胆に淡彩しないと。そう線描も彩色も大胆に。昨日はこんな意識で描いてみた。中景がメインの風景は描きやすい。線も緑色も私好みになった、と思う。
480
上伊那郡辰野町小野にて 描画日2024.05.24
■ 道路山水的な風景の遠近感を線描で表現するのは、遠近法の基本を押さえていればそれ程難しくはない。着色、即ち色の濃淡と彩度の高低によって遠近感を表現する方法(空気遠近法に近いと思う)は、私には難しい。着色のテクニックを身に付けないとなかなか思うような表現ができない。絵筆の使い分け、筆に含ませる水の加減、混色の可否の見極め・・・。
線描と着色の相乗効果を意識してもよいのではないか。そう思って、影の部分をハッチングしてみた(〇表示部分他)。学生の頃描いたスケッチを見ると、岩の影などをハッチングしている。
描いたスケッチを冷静な第三者的な眼で評することも必要だろう。ということで以下はその試み。
山の稜線を一本の線で表現することもないだろうと、一番奥の山は縦の破線で表現した。決定的な一本の線で表現すると(今まではこのことにこだわって描いていた)、遠くに霞む山の雰囲気が出せない。左側手前の立ち木の表現はあまり好くない。もっとはっきり線描しなくてはならないし、色もあまり美しくない。近景だからきちんと線描することも必要だろう
このスケッチで好いところを敢えて挙げるなら手前に向かって流れてくる小川の表現。ただし色に変化がなくてフラットな印象だ。川に覆いかぶさるように伸びている雑草の影が川面に写るだろうが、それが表現されていない。
秋までにはもう少し、好いスケッチ(上手いスケッチではない)を描けるようになりたい。
スケッチしたポイントと一致していないので道路の見え方、カーブがスケッチと違う。
過去ログ
長野県朝日村針尾にて 描画日2024.05.20
■ 今月16日に描いた風景を昨日再び描いた。同じ位置から描いたので、構図に違いはないが、火の見櫓や奥の民家が前回より少し大きめだ。その民家の細部がどうなっているのか、近くまで行って確認した。こうなっているのか・・・。やはりきちんと理解して描くのと、そうでない場合とでは違う。
影を意識的に表現した。着色に濃淡をつけたい。まだまだ課題あり。
(再)上伊那郡辰野町小野 2024.05.19
■ まだ描いたことがない火の見櫓のある風景を描こうと、何か所か候補を挙げた。で、辰野町小野のこの場所に行った。
難しい・・・。
まず線描。風景を構成している要素の民家も火の見櫓も小さい。背景の山なみが大きすぎる。カーブしている道路にガードレール、これを描くのは難しい。川も厄介だ。
着色。緑がこの風景の大半を占めている。後方の山の青みを帯びた緑、火の見櫓の手前の黄緑、川の両側の鮮やかな緑は左右で草の種類が違うので形も色も違う。この違いをどう塗り分ける・・・。
線描もし、着色もしたが、不合格!
この風景をきちんと把握して、自分なりに再構成できたら描けるような気がする。もう一度描こう。
火の見櫓のある風景 長野県朝日村針尾にて 描画日2024.05.16
■ 手元にある『日本の傳統色』長崎盛輝(京都書院1997年第3刷)には日本の伝統色が225色収録されているが、およそ2割が緑色だ。緑豊かなこの国の人びとには多くの緑色の微妙な違いを見分ける能力が備わっていることの証であろう。海松色(みるいろ)、藍媚茶(あいこびちゃ)などの暗い緑から淡萌黄(うすもえぎ)、白緑(びゃくろく)などの明るい緑まで知らない名前の緑色も少なくない。
久しぶりに火の見櫓のある風景のスケッチをした。緑まぶしい5月、色んな緑が溢れているのに、それらを表現できないもどかしさ・・・。
線描も着色ももっと近景と遠景の違いを意識しないといけない。構図で遠近感は表現できていはいるが、それに頼るのではなく、線描で、着色で遠近感を表現しないと・・・。
短時間で描いているとは言え、線も色も単調に過ぎるし、肝心の緑があまり美しくない。それにもっと光と影を意識しないと・・・。この場所で近々リトライしたい。スケッチは難しい、でも楽しい。
560
春うららな雰囲気が表現できたから良しとしておこう。
なんとも描きにくい風景・・・。スケッチだから時間をかけない。線描は現場で30分、着色は自宅で45分。
新緑の5月になったら描こう。
長野県朝日村古見 描画日:2024.02.26
■ 昨年(2023年)の10月に安曇野は豊科のカフェでスケッチ展をした際、TMさんから雪景色を描いてください、と言われた。TMさんには2020年10月のスケッチ展の際にも同じことを言われていた。で、この冬は描かなくてはならぬ、と強く自分に言い聞かせていた。
先日初めて描いたが(過去ログ)、昨日(26日)も描いた。手袋をして線描することはできないので素手で描いたが、案の定と言うべきか、手が悴んで思うような線が引けず、後は着色で何とかしようと20分程で切り上げて自宅に戻った。スケッチブックを持つ左手も冷たくなって辛かった。
ぼくは風景を構成している要素の形をきっちり描き、その後、線描したものを着色するという描法を採っている。では、雪が積もって白くなっている屋根も輪郭線を描くのか、同様の樹木も? 白いものの輪郭線を黒いペンできっちり描いたものか・・・。前回も今回も輪郭をきっちり描かなかった。だが、このいつもとは異なる線描法にどうも馴染めず、着色する際もしっくりしなかった。もちろん塗り絵ではないが。
浮世絵では雪景色をどう表現しているんだろう。今は便利だ、浮世絵と雪景色の二語でネット検索すると、いくつも見つかる。下の浮世絵は歌川広重の「名所江戸百景 びくにはし雪中」だが、雪屋根も輪郭線を描いている。よく見ると後方の樹木(松かな)にも輪郭線がある。手前の落葉して枝だけになった樹木に積もった雪の輪郭線は無い。ぼくも広重の雪景色と同じように描いていたんだ。
今週の金曜日は降雪の予報になっている。予報通りだったらまた描いてみよう。線描も着色もあれこれ試してみたいが、さて・・・。
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山くじらはイノシシのこと
■ 本を読んでいると、絵に関する記述に出会うことがある。『風神雷神 上』原田マハ(PHP2019年)に次のような件(くだり)があった。**(前略)けれど宗達は、かたちを創るためにきっちりと筆で輪郭をなぞるのではなく、むしろそれを「ぼかす」ことによって、絵に不思議な奥行きが生まれることを、その「染み」によって気づかされた。**(223頁)
織田信長の命によって俵屋宗達が狩野永徳と共同で、というか永徳の指導の下で「洛中洛外図」を制作している時のことだ。宗達の筆から水気の多い薄墨が紙の上に垂れ落ちてしまう。宗達が布でとんとんと叩くと、墨がにじんで雲のように広がっていく。その様を見てこのように気づいたのだ。
僕はスケッチでまず風景を構成している要素の輪郭線をきっちり描く。この雪景色で最初に引いたのは右側の屋根の棟の線だが、今まで通り連続線を引いた。雪に覆われた屋根棟にははっきりした輪郭線はないけれど・・・。
雪によって輪郭が曖昧になった屋根や樹木を確定的な実線で描くことになんとなく違和感を覚え始めて、最後に描いた後方の高木は輪郭線を実線ではなく曖昧な破線にした。そうすることで線描したこの段階で雪景色の雰囲気が出ていると思うが・・・。
線描には黒い色のペンを使っている。この風景もそう。SNSにポストすると、ある方から黒ではなく、グレーとか青灰色インクを使うってのはどうだろう?というコメントをいただいた。青灰色、なるほど。
常緑樹のくすんだ緑色と降り積もった雪との間に明確な境界がないところは線描しなかった。着色するとき、線のないところで塗り分けた。これは以前からイメージしていた描法。雪の陰の部分を明るいグレーで塗った。陰をグレーではなく、薄い紫とか青で塗ったらどうだろう。雪の陰を無彩色のグレーで塗るというのは極めて常識的でおもしろくない。
初めて雪景色を描いていろいろ課題が出た。また雪景色を描きたい。 でもあまり降って欲しくない。 なんとも矛盾する気持ち。
長野県朝日村にて 描画日2024.02.06,07
■ 初めて描いた冬景色。風景構成要素の形をまず線描するという方法を採っていますが、雪によってその形がよく分からなくなっています。曖昧な輪郭、その様をどのように線描したものか・・・。このことはこれからの課題です。
昨年の10月に同じ場所で描いた秋景色
■ 火の見櫓のある風景スケッチ展②の会期中にポストカードをつくりました。展示したスケッチ11点の中から3点。案内カードが思いの外好評でしたから。
額に入れて自室の机に飾りました。案外好いかも。
ポストカードはスケッチ展の会場だった安曇野市豊科のカフェ、BELL WOOD COFFEE LAB(0263-75-3319)と同じく豊科の甘味喫茶、野田園 お茶の間(0263-72-2217)で販売しています。