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■ 年越し本の『復活の日』小松左京(ハルキ文庫2020年新装版第5刷)で始まった今年の読書。1月の読了本は7冊。今のような社会的な状況を設定したSF小説が1964年に刊行されていたとは・・・。小松左京はすごい作家だった、と改めて思う。
『残業禁止』荒木 源(角川文庫2019年再販発行)はホテルの建設現場が舞台で主人公が現場代理人という設定の仕事小説。今はこれ程ブラックな建設現場はないのでは、と思いつつ読んだ。ただし他の職種に比べたら過酷な面はあるのではとは思う。まあ、どんな職種だって大変だろうとは思うが・・・。今は、新型コロナウイルス感染症と闘っている医療現場が最も過酷だろうな。
『午後の曳航』三島由紀夫(新潮文庫2019年82刷)。三島由紀夫は文庫本で何作か読んだが、手元に残していないのでまた買い求めて読んだ。再読のきっかけは作家の小川洋子さんがラジオ番組でこの作品を取り上げていたこと。傑作だという評価のある作品だが、私には全く分からなかった。感性の老化故か?
『新型コロナから見えた日本の弱点 国防としての感染症』村中璃子(光文社新書2020年初版1刷)新型コロナについてもいろんな観点から論ずる人がいるんだな。
『細胞とはなんだろう 「生命が宿る最小単位」のからくり』武村政春(講談社ブルーバックス2020年1刷)
『新しいウイルス入門 単なる病原体ではなく生物進化の立役者?』武村政春(講談社ブルーバックス2020年1刷)
新型コロナウイルス感染の収束が全く見通せない。不要不急の外出を控え、人との接触を避けなければならないなどという状況。そんな中、ウイルスについて、そしてウイルスが侵入する細胞について勉強しようと思い読んだ2冊。ミクロな世界の難しいけれど興味深い論考。
『進化とはなにか』今西錦司(講談社学術文庫1978年第6刷)**進化論はあらゆる問題にまたがる本質的認識であるがゆえに、本書に要約された今西進化論こそ必読の文献である。**カバー裏面の本書紹介文からの引用