私は今年の漢字として「還」を挙げる。
■ 小惑星探査機「はやぶさ」が60億キロにも及ぶ宇宙の長旅の末、6月、7年ぶりに地球に帰還した。エンジントラブル、行方不明・・・いくつものトラブルをクリアして、予定から3年遅れの帰還だった。
イトカワの微粒子が入ったカプセルを無事地球に届けたものの、「はやぶさ」本体は大気圏突入時に燃え尽きた。これが日本人の美学にぴったりだったのだろう。「はやぶさ」に感情移入してこの快挙に涙した国民も多かったのではないか。実は私もそのひとりだった。
■ 南米チリのサンホセ鉱山で8月に落盤事故が起き、地下700mに33人の作業員が閉じ込められた・・・。絶望的な状況。
救出用の縦穴を掘るという作戦が見事成功、フェニックス(などと名前をつけるセンスというか、余裕が日本人にはあるだろうか・・・)と名付けられたカプセルで作業員全員が地上に生還した。私はこの様子をテレビで繰り返し見た。この感動的な出来事にも涙した。
「暑」 今夏は猛暑で熱中症で何人も亡くなったが、暑かったという実感が私にはそれ程ない。 来年はどんな漢字を挙げることになるのだろう・・・。