透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ブックレビュー 1108

2011-08-31 | A ブックレビュー



 8月も今日で終わり。朝晩めっきり涼しくなってきた。夜、窓を開けると虫たちの合唱が聞こえてくる。

『吾輩は猫である』 この小説をもう一度読むことってあるかなぁ・・・。これが最後かもしれないな。

『機嫌のいい犬』 川上弘美の句集。この本は手元になかった。カフェマトカの古本市で買い求めた。書棚に並んだ36冊目の弘美本。

『気候変動とエネルギー問題 CO2温暖化論争を越えて』深井有/中公新書 

『低酸素経済への道』諸富 徹 浅岡美恵/岩波新書 書名に「経済」が付く本って他にあったかな・・・。経済成長のためには環境の犠牲もやむなしという環境と経済の対立的な関係を越えて、環境産業の構築を目指せという論旨。



192 安曇野市穂高の火の見櫓

2011-08-30 | A 火の見櫓っておもしろい


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 今週末のミニミニ講座@カフェ バロに向けて火の見櫓モードをキープするために、火の見櫓の記事が多くなるかもしれません。

一昨日(28日 日曜日)の午後、用事があって穂高まで出かけたのですが、私の感度良好なセンサーがこの火の見櫓を見つけました。平面形が3角形の櫓、円形の屋根と見張り台そして踊り場、よくある構成です。

火の見櫓鑑賞のツボに従って、まず全身鑑賞。残念なことに、上方に向かっての櫓の絞り込みが、踊り場のところでイレギュラーしています。流れるような連続的なフォルムが美しいのですが・・・。踊り場の部分は脚部のようなデザインですが、これはちょっと・・・。

次は屋根・見張り台に注目。半鐘に替わってサイレンとスピーカーが設置されていますが、これは残念なことです。火の見櫓にスピーカーは似合いません。

そして脚部。しばらく前に脚部には厳しいですね、とコメントをいただきましたが、確かに厳しいかもしれません。^^; でもこの火の見櫓の脚部は減点する必要はないと思います。

ということでこの火の見櫓の評価は・・・

1 櫓のプロポーション ★★★
2 屋根・見張り台の美しさ ★★★
3 脚の美しさ ★★★★★


 


191 緑化火の見

2011-08-29 | A 火の見櫓っておもしろい


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 この頃、グリーンカーテンという言葉をよく耳にするようになりました。アサガオやゴーヤーのカーテンで夏の冷房負荷を軽減しようという試みですね。

これは昨日(28日)安曇野市の穂高で観察した火の見櫓です。半鐘が付いてはいますが、火の見櫓としての機能はとっくに失ってしまっているようです。脚部の様子(写真下)を見るとかなり前から緑化されていたことが分かります。 


 


七ヶ月

2011-08-29 | A あれこれ



「七ヶ月」という名前のワケは?

オープンした時、子どもさんが七ヶ月だったから?

年間七ヶ月営業するからだそうです。

安曇野には個性的なカフェがいくつもあります。

カフェめぐりをしても楽しいかもしれません。




金沢海みらい図書館

2011-08-27 | A あれこれ



 雑誌「建築技術」9月号の表紙。明るいグレーの地に、やはり明るいピンクの文字、好きな配色のブックデザインだ。

このグレーな空間は今春オープンした「金沢海みらい図書館」。この雑誌に特集されている同館の記事によると、金沢市で4番目となる図書館だそうで、プロポーザルで勝利して設計を担当したのは「シーラカンスK&H」。45メートル×45メートル、正方形の平面の白いハコ、いや、ホワイトキューブ。

4面の外壁は小さな丸いガラスブロックを規則的にレイアウトした、GRC(ガラス繊維で補強されたモルタル板)という、まつもと市民芸術館(←過去ログ)と同じ外装材でできている。閲覧室は均質で柔らかな光の満ちた大きな気積のワンルーム(表紙の写真)にしたかった、と設計者のひとり堀場氏。

この近未来的というか、バーチャルな雰囲気の空間を体験してみたい、と思った。ドットな壁ってどうなんだろう・・・。ここは心地よい空間だろうか。評価は実際に見学してからだ。

以前金沢21世紀美術館を日帰りで見学したことがある。ここにも日帰りで出かけるか・・・。Y君とMさん、行くって言うかな、N君も誘ってみよう・・・。


同館のHPのフォトギャラリー


190 諏訪の火の見櫓

2011-08-26 | A 火の見櫓っておもしろい


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 夏休みに茅野まで空飛ぶ泥舟を見に行って来た。その際、高速道路は利用せず、国道20号線を往復した。国道沿いに何基か火の見櫓を見かけたが、車を停める場所もなく、大半はそのまま通過してしまった。

今回取り上げた火の見櫓は国道から少しだけ横道を入ったところに立っていた。敏感になった火の見櫓センサーが作動したので見つけることができた。横道にも、車を停める場所はなかった。偶々信号待ちになったとき、助手席の窓からカメラを火の見櫓に向けて撮ったのがこの2カット。全身写真も上半身写真も(って、人物写真のような表現だが)、きちんと撮れたと自己満足。

スレンダーな美人で、じゃない、スレンダーな櫓で梯子が中に収まらかったのか、外に取り付けてある。3角形の屋根は随分久しぶりのような気がする。見張り台は多角形だが、何角形だろう、12角形?半鐘が屋根の中に入っていないというのは珍しい。ブレースの輪っか(勝手に環状バックルと呼んでいる)が大きく見える。





アンクレット

2011-08-24 | A あれこれ

などという名前、知らなかった。田舎の中年おじさんが知ってるわけがない・・・。



これは脚だからブレスレットではない。
じゃ、なんて言うんだろう・・・。
で、Yさんに訊いた。
「アンクレット」です。

送電線の鉄塔に付けられた「トゲ付き輪っか」を見て、そのアンクレットを連想した。
でも、こんなの足首につけたら歩けないよな・・・。

ここから上はダメ! って・・・、なんのこっちゃ。
久しぶりのビール効果か・・・。
今夜はこの辺でやめとこ。


 真面目に書いた過去ログ「 ネズミ返し ヒト返し」


189 みんなちがってみんないい

2011-08-23 | A 火の見櫓っておもしろい


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 火の見櫓が全国的に盛んに建てられたのは昭和30年代のことだが、その歴史は江戸時代、明暦の大火にまで遡ることができるという。この大火は1657年(明暦3年)の冬に発生し、江戸の街の大半を焼き尽くしたといわれる。

この大火の翌年に定火消が設けられ、火消屋敷に建てられたのが、火の見櫓の始まりだという(『火の見櫓 地域を見つめる安全遺産』鹿島出版会の「消防団の歩みと火の見櫓」による)。また、耐火建築の蔵もこの大火がきっかけとなって1720年以降に造られるようになったそうだ(『ecoms』33の記事による)。

このころ都市防災の歴史が始まったと言っていいだろう。

ところで、火の見櫓の魅力のひとつに、民家にも通じるデザインのアノニマス性がある。誰がデザインしたのか分からない、そう「詠み人知らずのデザイン」の魅力。

今回取り上げた火の見櫓のような現代のデザイン、構造力学という西洋の知によるデザインとは違った、職人の経験と感性によるしなやかなデザインの魅力・・・。でも、この現代の火の見櫓は昔からある火の見櫓の基本的な構成が踏襲されている。

火の見櫓 みんなちがってみんないい!



下駄

2011-08-22 | A あれこれ



 長野県朝日村には工房が20以上もあるそうですが、各工房では使わなくなったバス停表示板を再利用して案内看板を設置しています(設置していない工房もあるとのことですが)。

昨日カフェ・シュトラッセのすぐ近くでそのうちのひとつを見つけました。戦前から下駄を作ってきたという三村木工の看板です。木曽五木のひとつ、ネズコで下駄を作っています。

下駄というと樋口一葉の「たけくらべ」を思い出します。美登利と信如はこの看板のふたりよりちょっと年上かな・・・。


諏訪の道祖神

2011-08-21 | B 石神・石仏



 諏訪大社上社本宮のすぐ近くにこの道祖神がありました。

双体道祖神の上に幣(ぬさ)が彫られています。神社の近くだから、という単純な理由からなのかどうかは分かりません。神宮寺村と右側にあります。諏訪市中洲神宮寺という地名にこの旧村名が残っています。

地名は自然や歴史を負う文化ですから簡単に消し去っていいはずがありません。


 


「低炭素経済への道」

2011-08-21 | A 読書日記

■ 『気候変動とエネルギー問題 CO2温暖化論争を越えて』中公新書で著者の深井 有氏は**一〇〇年後に地球の気温がいくらか上昇することが日本にとってそれほどの重大事なのだろうか。その可能性を減らすために年間一兆円以上も費やすことが、果たして理にかなったことなのだろうか。(後略)**とまえがきに書いている。ここに深井氏の基本的なスタンスが示されているとみてよいだろう。氏は**温暖化防止キャンペーンは費用対効果が疑問であるだけでなく、その科学的根拠も、実は極めて希薄なのだ。**と続けている。

100人で賛否が半々の場合、100人中50人も賛成しているとするか、50人も反対しているとするか、客観的なデータも取り上げる人の考え方というのか、立場によって全く逆の評価になる。

地球温暖化。この問題については類書を読まなくては・・・。本書を読んで、そう感じた。そこで『低炭素経済への道』 諸富 徹・浅岡恵美/岩波新書を買い求めた。



**刻一刻と進行する地球温暖化。この未曾有の環境変動を前に、従来型の経済発展はもはや許されない。いま必要なのは、CO2の排出を大幅に削減し、なおかつ経済を向上させる、新たな成長戦略だ。困難な課題を克服する鍵は、産業構造の転換にある。低炭素化による経済の大いなる可能性と将来ビジョンを示す。**

カバー折り返しのこの一文で、読んでみようと思った。


188 松本市小俣の火の見櫓

2011-08-21 | A 火の見櫓っておもしろい


188 松本市内は小俣の火の見櫓 3角形の櫓に6角形の屋根と見張り台



 屋根の軒先が直線ではなく、韓国や中国の寺院のように大きく反っています。見張り台の手すりはいたってシンプル、細い丸鋼だけで構成されています。体重をかけたら手すりが曲ってしまうのでは? と心配です。床にサイレンが置かれていますから、半鐘は叩かなくなってしまったのでしょう。




簡単なトラスで脚部としてのデザインがなされています。

1 櫓のプロポーション ★★★★
2 屋根・見張り台の美しさ ★★★
3 脚の美しさ ★★

たまたま立ち寄ったコンビニのすぐ近くに立っていました。 観察日 110817