ときどきテレビのニュース番組などで「お詫びして訂正いたします」と司会者やアナウンサーがコメントすることがある。テロップの氏名の漢字が違っていたりした場合に。ところが民放と違ってNHKの場合、同じコメントをして訂正はしてもm(_ _)m するところを私は見たことがない。民放では頭を下げるところを見ることはあるが。
昨日書いたブログで訂正を要する箇所を見つけた。書いているときは気づかないものだ。まず、訂正。『9坪ハウス狂想曲』は『9坪ハウス狂騒曲』の誤り。もう一つ、今回写真を載せたが、藤森さんの作品が載った「新建築」は5月号ではなくて、6月号だった。 ここでお詫び。 m(_ _)m そっと訂正しておこうかと思ったが、「ネタ」にすることにした。
「新建築」は話題の作品を表紙に載せている。この写真は藤森さんの樹上の茶室。満開の桜が美しい。新建築の表紙で夕景の写真はめずらしいと思う、記憶にない。 右の写真、同じく藤森さんの作品、秋野不矩美術館。(051112)は撮影日。この日に友人と見学に出かけた。所在地の静岡まで車で片道4時間だった。
日本画家の秋野さんが藤森さんの最初の作品「神長官守矢史料館」をみて設計を依頼したという。藤森さんは『家をつくることは快楽である』王国社 に、この美術館の設計の経緯を書いている。読むと秋野さんの作品に相応しい展示空間についていかに研究したが分かる。
脱靴して入館する美術館。天井と壁は漆喰塗り、白大理石の床、秋野さんの作品をいちばんよく見せる展示空間の仕上げとして決めた材料。他にも自邸のこと、赤瀬川邸のことなどについても出てくる。藤森さんの建築観を知ることが出来る良書だと思う。本のタイトルが内容を必ずしもうまく表現していないのが残念だ。
「ニラの花はなぜ屋根の上で咲くことになったのか」 ニラハウス、赤瀬川邸の設計について書いたこの文章に例の「芝棟」のことが出てくる。世界の草葺民家で、芝棟の技法が伝わるのは日本とフランスのノルマンディ東部だけだ、と藤森さんは指摘している。五千年続いて二十世紀とともに滅びるべく運命づけられた芝棟、とも書いている。
そうか、私がむかし撮った写真は今となっては随分貴重はないか。