透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

ブックレビュー 2023.07

2023-07-31 | A ブックレビュー


 時の経つのは早い。7月が終る。

7月の読了本は5冊。小説は読まなかった。

『カラー版 名画を見る眼 Ⅱ』高階秀爾(岩波新書1971年、2023年カラー版)
西洋の近代絵画の大きな流れ、その概観を解く教科書的な新書。
**累計82万部、50年以上読み継がれてきた美術史入門の大定番**(帯のことば)

『言語の本質 言葉はどう生まれ、進化したか』今井むつみ・秋田喜美(中公新書2023年)
言語はどのようにして生まれ、どのように進化してきたのか・・・。ふたりの著者が実証的に解き明かす。そのロジカルな展開は推理小説よりおもしろい。

『堤 未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』堤 未果(幻冬舎新書2023年)
本書に取り上げられているのはマイナンバー、コロナ、脱炭素。今一番気になるのはマイナンバーカードのトラブル。続出する個人情報のひも付けミス。任意だったはずのカードの取得がいつのまにか強制にすり替えられ・・・。マイナンバー、政府の本当の狙いは何か。本書に書かれていることが真実だとは思いたくない。

『データサイエンスが解く邪馬台国 北部九州説はゆるがない』安本美典(朝日新書2021年)
邪馬台国はどこにあったのか、古代史最大の謎にデータサイエンスで迫る。示されたデータに畿内説を唱える研究者は反論できるのだろうか。実に説得力のある論説。

ひとつだけ、残念に思うことは「魏志倭人伝」に書かれていて、何通りにも解釈できるる邪馬台国の所在地への方向、旅程に関する考察が示されていないこと。別にこのことに触れなくても、充分実証できるということだろうが、やはり読者のごく基本的な関心事だと思うのに。

『槍・穂高・上高地 地学ノート 地形を知れば山の見え方が変わる』竹下光士・原山 智(山と渓谷社2023年)
なぜ槍の穂先が傾いているか? なぜ常念岳は三角形に尖っているのか・・・。本書は北アルプスの槍ヶ岳、穂高連峰、そして上高地の地形がどのようにできたのか、解き明かしている。


撮影日2017.05.29 松本市内から見た常念岳 

常念岳をつくっている花崗岩は約6,400万年前にできた、と書かれている。イメージすらできない遠い遠い過去。なぜ、あの三角形ができたのかなどと考えたこともなかった。本書ではこのことについても解き明かしている。

槍の穂先が傾いているということを本書で知った。槍・穂高連峰は少し東に倒れるように隆起したという。「傾動」というこの隆起のメカニズムが分かりやすく図解されている。なるほど! こういうことか。

7月20日、21日と上高地に出かけたが、その前に本書を読んでいたら、上高地の風景が違って見えたと思う。


8月、夏休み、読書感想文。8月は小説を読もう。


名刺 昨日は8枚

2023-07-29 | C 名刺 今日の1枚

 昨年、一昨年とコロナ禍で中止になった火の見櫓講演会が昨夕(28日)予定通り行われた(*1)。研修会、懇親会の一環として計画された講演会で、会場は松本の中心市街地にあるMウィング(松本市中央公民館)。

昨日の午前中、パワーポイントに最後の手を加えて、午後4時からの講演「火の見櫓っておもしろい!」に備えた。私の講演(と言えるほどのものかどうか・・・)の前に長野県の職員の方から建築の業務に関する実務的な説明があった。

講演ではいつものことだが、原稿などは特に用意しない。話すべき項目だけ、パワポに見出しとして載せておく。会場にどんな人が集まっているのか確認して説明方法を変えたりする。昨日は建築関係の仕事に就かれている人たちの集まりだから、建築に関する専門用語を使ってもよかった。

100枚くらい用意したスライドを使い、火の見櫓の魅力をいくつかの観点から説明した。自分でもびっくり、予定通りぴったり90分!壁の時計に時々目をやりながら話をしたとはいえ、ペースを変える必要もなかった。

皆さん、興味を持っていただいたようで、嬉しかった。



「日経新聞の記事、スクラップしましたよ」「U1さんの講演が聴きたくて来ました」 会場でうれしい言葉をかけていただいた。

*****

研修会の後の懇親会に参加させていただいた。「おもしろかったです」「そうですか、ありがとうございます」松本駅近くの会場で何人もの方から声をかけていただき、お礼を申し上げた。

今朝(29日)、この記事を書く前に、いただいた7枚の名刺を改めて確認すると全員一級建築士。私がお渡しした名刺は211枚目~218枚目の8枚だった。


*1 長野県建築士会松筑支部、長野県建築士事務所協会松筑支部、長野県建築防災協会松本支部、以上三会の合同開催


火の見櫓講座(講演会)の記録

①2011.09.03 週末のミニミニ講座@松本市梓川 カフェバロ
②2014.02.16 安曇野まちなかカレッジ  @安曇野市穂高 安曇野市商工会穂高支所
③2014.07.04 週末のミニミニ講座(アップグレード版)@松本市梓川 カフェバロ
④2014.12.07   信州大学のゼミ生有志主催による講座  @松本市北深志 「となりの、」
⑤2015.10.21   建築士会安曇野支部主催研修会  @安曇野市豊科 豊科交流学習センター「きぼう」
⑥2019.12.01 ココブラ信州  @安曇野市穂高 碌山公園研成ホール
⑦2019.12.07 サイエンスカフェ  @北安曇郡池田町 カフェ風のいろ
⑧2020.10.15 火の見櫓講座  @安曇野市豊科 BWCL
⑨2020.11.03 火の見櫓講座  @安曇野市豊科 カフェギャラリーお茶の間
⑩2020.11.20 朝日村社会福祉協議会主催 高齢者ふれあい学習  @朝日村マルチメディアセンター
⑪2022.08.07 小野宿問屋夏季講座  @小野農民研修センター
⑫2023.06.17 火の見櫓講座 研修の一環として  @松本市内の建設関連の某会社
⑬2023.07.28 三会(*1)合同研修会  @Mウィング(松本市中央公民館)


 


ヨコクのヨコク

2023-07-28 | C 名刺 今日の1枚

 10月にスケッチ展の開催を予定しています。2020年10月以来3年ぶりの開催です。詳細が決まりましたら改めてお知らせします。

11、2点展示する予定で、今月(7月)の初めからスケッチの額装を始めました。昨日(27日)も松本市内の小林画材で1点額装してもらいました。今までもスケッチブックや絵の具などの画材も購入してきましたし、これからもお世話になる画材店です。

店のオーナー・小林さんに挨拶して名刺をお渡ししました。210枚目の名刺です。

「最近私も出かけると、火の見櫓に目が行くようになりました」と小林さん。すばらしい! 


 


松本市今井の火の見櫓

2023-07-28 | A 火の見櫓っておもしろい




まさにランドマーク。


(再)松本市今井 3柱66型トラス脚 2023.07.26

 朝焼けの空を背景にこの火の見櫓を何回も撮った。いつの間にか防災行政無線柱がすぐ近くに立って、写真がさまにならなくなってしまった。


設置されている銘板に昭和30年9月10日竣工、製作 坂本鉄工所と記されている。南信地域の火の見櫓でこの銘板をよく目にする。櫓のフォルムも脚も美しいし、屋根と見張り台の大きさのバランスもよい。この火の見櫓をなぜ遠方の鉄工所で製作したのか分からないが、何か縁があったのだろう。

南信地域では柱4本の火の見櫓がおよそ8割と圧倒的に多く、中信地域では柱3本のものが8割という比率だ。鉄工所の事情でそうなっているのではないか、と思ってしまう。だが、坂本鉄工所でも南信では柱4本の火の見櫓を製作しているが、この火の見櫓は柱3本だから、何か他の事情があるのだろう。別の鉄工所でも同様に南信では柱4本、中信では柱3本の火の見櫓を製作していることを確認している。一体何が柱の本数(櫓の平面形と言い換えてもよい)を決めているのだろう・・・。


この火の見櫓を遠くからスケッチしていて、どうなっているのかよく分からいのは見張り台直下の様子と、踊り場とその直上の様子。近くまで来て、確認する。「こうなっているのか」




やはり脚はトラスが美しい。


 


観る人がいてもいなくても・・・

2023-07-28 | E 朝焼けの詩


2023.07.28 04:49AM


2023.07.27 04:52AM

自然の創造力はすごい。

観る人がいてもいなくても自然はいつも美しい風景をつくり出している。

昨日の朝は架け橋のような雲、そして今日はとても元気そうな雲たちが朝日を受けて輝いていた。

*****

今日は何かよいことがありそう。

夕方、松本市内で火の見櫓の講演会がある。

これから講演で使うパワーポイントに少しだけ手を入れる。


 


「槍・穂高・上高地 地学ノート」

2023-07-27 | A 読書日記

420
『槍・穂高・上高地 地学ノート』竹下光士・原山 智(山と渓谷社2023年)

 大学の同じ研究室で同時期に研究に励んだ仲間3人(夏合宿で伊豆七島に出かけたり、冬合宿でスキーにでかけたりもして楽しい思い出もいっぱいある。合宿には女子大の学生も参加してなんてこともあったらしい。らしい、などと当事者でないような書き方をする)と一緒に上高地に出かけたのは今月(7月)の20日,21日のことだった(過去ログ)。

泊まった宿・明神館であれこれ話したけれど、上高地がカルデラ地形であることや、太古、梓川は今のように松本に流れ下ってはおらず、岐阜方面に流れていたことなども話題になった。ぼくは梓川の流路のことは知っていたが、上高地が陥没地形だということは知らなかった。このような地形に関することはKRさんが詳しく、地学の本を読みたいと言っていた。

翌22日の信濃毎日新聞朝刊の読書面に『槍・穂高・上高地 地学ノート』が載っていた。
**普段の山登りではあまり気に留めない「地学的な山の眺め方」を手にすれば、山の見え方は大きく変わる、と本書は言う。**
**槍ヶ岳の穂先がわずかに東側に傾いてるのはなぜか。(中略)さまざまな疑問も、地学的な知見によって次々と解明されていく。**
本書がこのように紹介されている。

これはおもしろそう。KRさんに伝えようと思って、グループラインした。すると・・・。
   
3人からこのようなコメントがあった。 衰えぬ知識欲、知的好奇心。3人ともすばらしい!

ぼくも、読み始めていた小説を中断して、読み始めた。

豊富なカラー写真、分かりやすい説明図。01から22までの項目立てで、いろんなテーマについて書かれている。03「穂高を作る岩石 溶結凝灰岩を知る」07「なぜ常念岳は三角形に尖っているのか」、これはおもしろい。

とぼくが書くと
とKBさん。

健康で8キロ、10キロ歩ける体を維持しなければ・・・。


 


火の見櫓のある風景を描く

2023-07-26 | A 火の見櫓のある風景を描く


長野県朝日村 2023.07.25

 日中は暑い。ならばと早朝に出かけて現地で線描した。線描時間40分。

いつもの道路山水的構図。火の見櫓の存在を際立たせようと奥の高木を意識的に低く抑えた。左側に山が重なっているが手前の山の緑はミントグリーンと明るいモスグリーンの中間くらいの好きな色。ようやくこの色が出せた。着色時間75分。


昨年(2022年)の10月に描いたスケッチ②と比べると線が全く違う。ずいぶんおとなしくなっているのは歳のせい? 線で風景構成要素の形をきっちり捉えるという意識が少し下がったのかも。大胆さが無くなっている。でも、色は彩度が上がって、きれいになった。どっちも好き。①の方が静かで落ち着いていて好いかな。


 


松本市奈川(旧奈川村)の火の見櫓

2023-07-25 | A 火の見櫓っておもしろい


 この急な坂道の先に本当に火の見櫓が立っているのだろうか・・・。


眼下に奈川度ダムの梓湖を望む。ダム堤頂を通る国道158号からこの高さまで登ってきた。


「あった、あれだ!」


 1484 松本市奈川入山 3柱66型ショートトラス脚 2023.07.25

山の中腹にこんな本格的な火の見櫓が立っているなんて、驚き。見張り台の床面の高さはおよそ9m(梯子桟のピッチと数で求めた)、屋根のてっぺんまでは12mくらいありそうだ。柱脚間の長さ2m(1辺の長さが2mの正三角形)。




屋根下に半鐘を吊り下げていたフックがある。今は半鐘の代わりにサイレンが設置されている。




脚の上部に床をつくり半鐘を吊り下げている。交叉ブレースの下側の片方を撤去して、櫓内に出入りできるようにしている。


トラスが脚元まで達していないショートトラス。このタイプはそれ程多くない。オイルタンクの設置スペースとしてちょうどよいのだろう。


 


松本市新村の火の見櫓

2023-07-25 | A 火の見櫓っておもしろい


 1483 松本市新村 3柱無無ロング3角脚 2023.07.25




■ これだけ細身でリング付き交叉ブレースを設置した櫓は珍しいのではないか。そして脚もちゃんとつくられている。半鐘が取り外され、切妻屋根だけが残されている。半鐘があれば良かったのに・・・、残念。




半鐘が吊り下げてあった櫓中間まで外付け梯子が設置されている。消防信号板が残っている。


 


「データサイエンスが解く邪馬台国」

2023-07-23 | A 読書日記

420
『データサイエンスが解く邪馬台国 北部九州説はゆるがない』安本美典(朝日新書2021年)

 今月の4冊目も新書。

畿内か北部九州か・・・。邪馬台国所在地論争。本書で著者・安本氏んは北部九州が圧倒的に有利であることを理詰めで説明する。データサイエンスによってこれだけ緻密に、明快に論じられてしまうと、畿内説を支持する論者は反論できないのでは。完璧なる詰将棋、と言う印象。安本氏は権威主義的な考古学界に対し、厳しい批判もしている。次のような指摘も。

**従来の方法を発展させて行くという進み方は、限界にきているのではないか。古代史像をつかもうとするばあいに、不正確で恣意的な「解釈」と、大幅な「空想」をともなうようになってきているようにみえる。**(224頁)

ところで一般人が邪馬台国と聞いてまず思い浮かべるのは「魏志倭人伝」だろう。何通りにも解釈できる所在地への方向、旅程に関する記述ついて、本書では触れていない。たったひとつの記述についてデータサイエンス的に扱うのは無理、ということは分かる。でも、と言いたい。この問題について、安本氏がどのように解釈しているのか、示して欲しかった。

この問題について松本清張が『陸行 水行』という短編で書いていたと思う。清張作品の文庫は全て古書店に引き取ってもらったので、確認できないが・・・。

****

『データサイエンスが解く邪馬台国』の第1章「データサイエンスとの出合い」の第1節「私の研究歴」に著者が文学作品の文体を統計学的に研究していたことが紹介されている。この節は実に興味深い内容だ。

谷崎潤一郎と志賀直哉の文章の相違を複数の観点から統計的に分析すると、両者の違いが明快になることが示される。現代作家100人の作品を統計学的に分類し、各作家を作品の文体的な特徴を3次元の座標上にプロットした図は興味深い。

また、安本氏はこの節で源氏物語の「宇治十帖」の作者問題について、検定した結果についても取り上げている。「宇治十帖」については文体がそれまでの帖とは異なる印象を受けること、和歌の数が少ないことなどから作者が違うのではないか、という見解が昔からある。

邪馬台国について書かれた本に源氏物語のことが書かれているなどとは思いも寄らなく、びっくりした。安本氏は単なる印象論ではなく、直喩、色彩語、助詞など文体に関するいくつかの項目について計量分析を行い、「宇治十帖」には他の四十四帖と偶然とはいえない違いがあることを示している。

この本の購入動機については敢えてふれないが、結果オーライだったことを記しておきたい。


 


晴れ男四人組 夏の上高地をゆく 

2023-07-23 | A あれこれ

2023.07.20

 午前11時ころ、真っ赤なスポーツカーがぼくの待つ上高地線の新島々駅に向かって滑るように走行してきた。運転してきたKBさんとは2020年10月以来の再会(過去ログ)。助手席のMRさんとは昨年の10月、都内で行われた大学の研究室のOB会で会っている。狭そうな後部席(何しろスポーツカーだから)のKRさんとは何年振りだろう。集まったのは大学で同じ研究室に同時期に所属していた4人。


今年の4月ころだったかと思う。長野に行きたい、と言われていた。さて、誰から言われたっけ、KBさんだったかな。長野か、どこがいいだろう・・・。浮かんだのは上高地。河童橋から奥へ4キロ近く入ったところに高校の同級生がオーナーの明神館がある。そこに1泊しよう。しばらく前からグループラインで旅行について、あれこれ情報交換していた。

新島々駅を11時30分発のバスで上高地に向かう。上高地バスターミナルの3キロほど手前の大正池に12時30分少し前に到着、下車。大正池ホテルで食事をしてから、河童橋めざして歩く(① 正面は焼岳)。ゆっくり歩いて約1時間。バスターミナルで帰りのバスの予約をする(⑬)。 




上高地と言えば河童橋。写真の撮り方によって風景の印象がだいぶ違う(②、③)。


河童橋。KRさんは上高地2回目、KBさんとMRさんは初めて、と聞いた。私は3回目。晴天なのは晴れ男4人の相乗効果か。


明神岳 明神館まであと少し。

私が予約していた宿は河童橋から4キロ近く奥にある明神館。野鳥のさえずり、清流のせせらぎを聞きながら梓川左岸の林間歩道を歩く。宿には午後4時過ぎに着いた。

この日の歩数は約13,000歩。よく歩いた。ぼくと高校で同級だった宿のオーナーが笑顔で迎えてくれた。2018年の8月に同級生8人がこの宿で旧交を温めた。その時の記事に宿の外観その他、写真を載せている(過去ログ)。

さっそく風呂に入って汗を流し、浴衣に着替えて食堂へ。カンパ~イ!! あ~~ ビールが美味い。

ゆっくり食事をして、部屋でのんびり。建設業界の表話に裏話、それからMRさんのクラシック音楽のレクチャー。フルトヴェングラーとかカール・ベーム、ずいぶん昔の指揮者にも話が及び・・・。

あっという間に9時半、館内消灯。熟睡、のはずが大きなBGMが始まって・・・。


2023.07.21


朝5時ころ 明神館2階のバルコニーから明神岳を望む。


梓川に架かる明神橋と明神岳




早朝、肌寒くて薄手のセーターを着る。外に出て、梓川に架かる明神橋(⑦)を渡って明神池へ。池のほとりに穂高神社奥宮(⑧)がある。

ここは神域。ご神体の明神岳に向かって2礼2拍手1礼する3人(⑨)。ぼくが持っていった3脚を使って4人並んで写真を撮ったが、掲載は控える。


宿に戻って朝食。9時ころ宿を出発。明神橋を渡り、梓川右岸の歩道を歩く(⑩)。KBさんは富士山登山10回という健脚。5年前にもここを歩いているが、記憶なし。


さわやか上高地


*****


20日に買い求めた乗車券 発行日に14時52分とプリントされている。

ほぼ定刻、12時30分ころ新島々に着いた。さて、昼食。信州と言えばそば、ということで新島々駅から車で10分くらいのところにある山形村のそば集落、唐沢へ。一押しのそば屋で天ざる、美味い。その後、松本で観光するという選択枝もあったと思うけれど3人は鄙里の拙宅経由の帰路を希望とのこと。で、案内。

(小一時間経過) 

近くの道の駅に立ち寄るも、残念なことにこの時季は果物がない。長野道のIC近くまで案内して、お別れ。高速道路を覆面パトに追いかけられない速度で走行した、と信じる。

この日の歩数は約11,400歩。


2日間、天気に恵まれてホッとしている。

ラインで早くもこんなリクエストが。


火の見櫓のある風景

2023-07-19 | A 火の見櫓のある風景を描く


辰野町横川 2023.07.18

 いいなぁ、この風景。道路山水的構図(*1)。火の見櫓のあるこの風景の魅力がきっちり伝わるようなスケッチをしたい。少し時間をかけて描き込んでもいい。そう、スケッチではなく水彩画。

白壁の蔵、山の稜線を越える高さの火の見櫓、ウェーブしながら奥に伸びる道路、遠景の高木・・・。風景を構成する要素がまとまって魅力的な風景をつくり出している。

道路の右側に建ち並ぶ住宅が手前の緑に隠されてしまっているのは残念。ここは葉が茂る前、春先に描くのが良いかもしれない。いや、晩秋、落葉した後も良いかも・・・。


*1 道路を中心に配置し、家屋などで遠近感、奥行き感を示す構図のこと。この言葉を吉田博展(2017年5月に長野県上田市の美術館や音楽ホールなどの複合施設サントミューゼで開催された作品展を鑑賞した)で知った。


松本市島内の火の見櫓

2023-07-19 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)松本市島内 小宮公民館前 3柱8〇型ショートアーチ 2023.07.19

 この火の見櫓は既に一度見ている(過去ログ)が、今日改めて見てきた。前回、2018年に見た時は、上の写真のような「火の見櫓のある風景」を撮ることはなかった。また火の見櫓のタイプ分けに脚部の形を入れていなかった。


見張り台床面の高さ 約11.5m 屋根のてっぺんまでの高さ 約14m(=11.5+2.5)と推測した。柱間隔3.6m


前回は踊り場の写真を載せていなかった。3角形の櫓の中に納めている。スペース的にはこれで充分。

 
 左:部材接合部        右:柱脚部

部材接合部:部材をリベット接合している。丸鋼ブレースの端部はガセットプレートにボルト留め。
柱脚部:コンクリート基礎から突き出した等辺山形鋼と柱の等辺山形鋼(75×75×*)の間に平鋼のピースを挟み込んでボルト留めしている。平鋼ピースの挟み込みはせん断耐力を増すためだろう。


なぜか消防信号板が隣りの墓地を囲むフェンスに取り付けられている。


 


「風の谷のナウシカ」

2023-07-19 | E 週末には映画を観よう

「風の谷のナウシカ」を観た。

 巨大産業文明が崩壊してから1000年 
錆とセラミック片におおわれた荒れた
大地にくさった海・・・腐海(ふかい)
と呼ばれる有毒の瘴気を発する菌類の
森がひろがり 衰退した人類の生存を
おびやかしていた

冒頭この映画の状況設定が示される。人間の愚行によって破壊し尽された地球の自然、文明。火の7日間というのは核戦争を意味している。核戦争が起きてしまうという悲劇的な未来・・・。

この映画の見方は人によって様々かもしれない。主人公のナウシカが人間と自然の折り合いをつける主導者となって、自然再生、人間社会の再興を目指す姿が描かれている。ぼくはこの映画をこのように理解した。

余談だが、見始めて、あれ手塚治虫の絵と雰囲気が似ているなぁ、と思った。また、後半になって腐海の底に落ちこんだナウシカが見上げる大木が立ち並ぶ光景はガウディのサグラダ・ファミリアに似ているな、と思った。

「もののけ姫」では山犬(オオカミ)に育てられたサンを自然の代表として、アシタカを人間の代表として描き、ふたりの関わりを通して自然と人間とが共生するに至る過程が描かれた。ナウシカはサンとは違い、自然と人間を共生に導く、どちらにも属さないそれこそ神のような存在として描かれていると思う。ラストはそのことを示す象徴的で印象に残るシーンだった。

宮崎作品を「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」、そしてこの「風の谷のナウシカ」と観てきた。さて次は何を観よう・・・。