透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

黒部ダムカレー7

2015-08-30 | F ダムカレー

 黒部ダムカレーについて本稿にも書いておきます。

手元にあるパンフレットやHPによると、黒部ダムの建設現場で作業員に好まれていたカレーがダム完成後に大町クラブハウス(現在のくろよんロイヤルホテル)で「アーチカレー」として提供され、昭和40年代初頭に扇沢大食堂(現在の扇沢レストハウス)で本格的に提供され始めたとのことです。

このカレーが平成21年(2009年)に大町市の観光・地域振興を目的に「黒部ダムカレー」という名称となり、7店舗で提供をスタートしたそうです。現在では20店舗がこのカレーをメニューに加えています。

ダム堰堤に見立てたアーチ形のライス、ダム湖に見立てたカレールー(上流側にする)、そしてダム湖の遊覧船ガルベに見立てたトッピングという3つの条件を守り、各店舗が趣向を凝らした黒部ダムカレーを提供しています。

100店舗もあるなら無理ですが、たった20店舗ですから全て食べよう、というわけです。



今回は大町市美麻(旧美麻村)にある「ぽかぽかランド美麻」の黒部ダムカレーです。

ダム堰堤はオムライス! そして遊覧船ガルベは鶏の唐揚げとエビフライとポテトフライ。ガム下にポテトサラダ、トマト、キャベツ、レタス。四角い皿の大きさは1辺が25センチ、これで1,000円(税込)。

ダムが決壊しないように、ダムを徐々に薄くしていきます。このカレーは難なくこの流儀で食べることができました。かなりのボリューム、でも完食です。

他のお客さんたちはそばを食べていました。美麻はそばの里ですから、きっと美味いと思います。


便宜的に「黒部ダムカレーを食べよう!」というカテゴリーを追加しておきます。


「日本のいちばん長い日」

2015-08-30 | E 週末には映画を観よう

■ 読んでから観るか、観てから読むか。「日本のいちばん長い日 決定版」半藤一利/文藝春秋を読んでから映画を観た。

昭和天皇(本木雅弘)、鈴木貫太郎首相(山崎努)、阿南惟幾陸相(役所広司)。戦争終結のために身を賭した人たちの長い日。

**鈴木首相はつむっていた眼をあけると、無造作に言った。
「総辞職をするつもりはありません。直面するこの重大問題を、私の内閣で解決する決心です」**(前掲書20、21頁)

**「このさい、自分のできることはなんでもする。国民はいまなにも知らないでいるのだから、とつぜんのことを聞いたらさだめし動揺すると思うが、自分が国民に呼びかけることがよければ、いつでもマイクの前に立つ。(後略)」**(同48頁)

昭和天皇のお言葉に映画では鈴木首相の頬をつたわる涙を映していた。私も目頭が熱くなった。

あの年から70年の時が流れた。この国はふたたび危険な道を歩み始めようとしている・・・



「黄いろい船」再読

2015-08-29 | A 読書日記



 『黄いろい船』 北杜夫/新潮文庫の初読は1978年11月。昨日何回目かの再読をした。

収録されているのは中編の「こども」と短編の「黄いろい船」、「指」、「おたまじゃくし」、「霧の中の乾いた髪」、以上の5編。

一番好きなのは表題作「黄いろい船」。 30台前半の失業中の父親と4歳の娘のほのぼのとしたふれあいを描いた作品。

**三人の蒲団を敷くと、部屋は一杯で、女の子の小さな蒲団は壁際におしつぶされたような形で敷かれていたが、そこから寝言のような声が洩れた。
「パパ」
と、小さく言った。
「うん?」
と、男は狼狽したようにこたえた。
「オシッコかい?」
女の子はかぶりをふり、ふいにニッコリと笑ってみせ、それから横をむいて枕のわきにおいてあるクリさんの人形をちょっと撫でてから、さらに満足したように枕に頭をのせて目をつぶった。**(17頁)

「黄いろい船」は北杜夫が自作のなかで最も好んだ作品のひとつだそうだが、私もこの作品が好きだ。


 


キミの名は?

2015-08-29 | D キミの名は?


上高地横尾にて 撮影日150828 昼時

 上高地の横尾山荘のすぐ近くでこの野鳥を目にしました。初めて見る野鳥です。

頻繁に動く野鳥を撮るのはなかなか難しいです。ピントが合っていなかったり、ブレていたり、フレームから外れてしまったり・・・。

木の枝から河川敷に舞い降りたところを遠くから5枚ほど撮りました。 これはそのうちの1枚。

下手な写真も数撮りゃ写る、とにかく沢山撮ることでしょう。

翼のブルーがポイントのこの野鳥。さて、キミの名は? 

*****

カケスですか?


 


全国学力テストと家庭環境

2015-08-27 | A あれこれ


信濃毎日新聞8月26日付朝刊より

 全国学力テストの結果が公表された。成績上位県は固定化していて、上表の通り小学校、中学校共に秋田県と富山、石川、福井の北陸3県がベスト3を占めている。例外は小学校国語Aが2位の青森県のみ。

しばらく前、とある食堂で読んだ週刊誌(誌名は覚えていない)に次のようなデータが載っていたのでメモしておいた。

□三世代同居
 1山形
 2福井
 3新潟
 4秋田
 5富山

□持ち家比率
 1秋田 
 2富山
 3福井
 4山形
 5新潟

□持ち家床面積
 1富山
 2福井
 3山形
 4石川
 5秋田

三世代同居、持ち家比率、持ち家床面積の上位県と全国学力テストの上位県とが重なっていることが分かる。子どもたちの家庭環境と学力との間には相関関係がありそうだ。

3つの指標のうち、私は三世代同居に注目して過去に次のような記事を書いた(引用範囲を**で示す)。

**秋田県は三世代同居率が高い(平成19年の調査では山形、福井に次いで全国で3番目)。このことから三世帯が同居する家庭内で活発に交わされる会話が子どもたちのコミュニケーション力を高めているのではないかという仮説が浮かぶ。**

**核家族化の進行、地域の人たちの交流の希薄化などに伴って、子どもたちがお年寄りと話す機会が減ってしまっているのが現状だ。お年寄りに限りらない、友だちや家族とも会話する時間が減ってきているという全国的な傾向の中にあって、三世帯同居率の高い秋田県は家庭内で会話が活発に行われている(という現状認識が正しいと仮定)。この環境が全国学力テストの好成績をにつながっているのではないか。**

**秋田県や北陸3県の子どもたちが好成績を収めている理由は決して単純なものではなく、いろんな要素が関係しているとは思うが、家庭内の良好なコミュニケーション環境が子どもたちのコミュニケーション力を高め、そのことが好成績と大いに関係しているというのが、私の眉唾な仮説だ。**

**私は国語の能力が大きく関係していると思う。数学の問題や理科の問題も言葉で考えるのだから。そう、論理的な思考は言葉、国語力が基本になるのだ。数学の問題や理科の問題も言葉で考えるのだから。そう、論理的な思考は言葉、国語力が基本になるのだ。** 

今のところ持ち家率の高さと持ち家面積の大きさと子どもたちの成績との関係については眉唾な説さえ浮かんでいない・・・。


 過去ログ「なぜ秋田県は成績がいいのか

       


黒部ダムカレー6

2015-08-26 | F ダムカレー



 大町市の中心市街地から約5kmのところにある大町温泉郷。今日(26日)の昼食にこの温泉郷の「湯けむり屋敷 薬師の湯」の黒部ダムカレーを食べた。

黒部湖はマイルドなビーフカレー、遊覧船ガルベは温泉タマゴ、ダム堰堤はごはん。

ダム堰堤の端がすこし決壊していたが、これは厨房のおばちゃんの施工ミス。今回はダムを最後まで決壊させないように食べるという私の流儀は実践しなかった、というかできなかった。

「薬師の湯」の玄関ホールに置いてあった黒部ダムのリーフレットを持ち帰った。リーフレットに扇沢と黒部ダムを結ぶ関電トンネルトロリーバスの時刻表が載っていた。今秋、黒部ダムにカレーを食べに行く、ってホンマでっか!?U1 


 


567 安曇野市豊科南穂高の火の見櫓

2015-08-24 | A 火の見櫓っておもしろい


567 安曇野市豊科南穂高重柳 撮影日150822 

 一昨日(22日)は松本から国道19号を長野方面へ向かい、前稿に書いたように長野市大岡川口で県道394号に入って大町に抜け、「黒部ダムカレー」して、松本まで戻った。

豊科南穂高の集落内に立つこの火の見櫓が遠くから見えたので立ち寄った。 松本平のあちこちに点在する、ごく標準的なタイプの火の見櫓。

末広がりのなだらかなカーブが実に美しい。



円と正3角形とは中心を重ねると対称軸が重なるので屋根下地と櫓の柱との取り合いの状況が同じになり、すっきり納まる。正6角形の屋根と正3角形の櫓も然り。

これが正6角形の屋根と4角形の櫓、4角形の屋根と正3角形の櫓という組合せだと、対称軸が重ならないので、屋根下地と柱との取り合いがそれぞれ異なり、上手く納まらない。

鋼板製の床面に小さな水抜き孔がいくつもある。床に鋼板を張っているのは比較的古い火の見櫓ではないか。

半鐘はもう少し内側に吊しても良かっただろうに・・・。



脚元のこの納めもよくあるタイプ。 

消防信号板は見張り台に設置して、半鐘を叩くとき直接見ることができるようにしておいた方が団員は助かると思う。叩き方を度忘れして、ここまで降りて確認してまた昇るなんてことにならないように・・・。



梯子段を2本の丸鋼を並べてつくっている。1本の場合よりかなり昇り降りしやすい。とは言え、12mくらいの高さかと思われる見張り台まで直登するのは怖いだろう・・・。

端正にできている。これは鉄のアート、芸術作品だ。


 


566 長野市信州新町の火の見櫓

2015-08-23 | A 火の見櫓っておもしろい


566 長野市信州新町日原西 撮影日150822

 国道19号、長野市大岡の信号「川口」を左折。県道394号を走りだしてまもなくこの火の見櫓と出会った。簡素だが柱3本の櫓構造。

並び立つ防災無線柱と桜の木(だと思う)が邪魔をして写真が上手く撮れない。もう少し左に移動すると半鐘はきちんと写るが、前後の柱が重なってしまって、櫓だということが分かりにくくなってしまう。

後方の住宅の方から写せば順光で好ましいが、土地が下がっているので櫓をかなり見上げることになる。それに路駐の車からあまり離れることはできない・・・。

火の見櫓の撮影にはいつも苦労する。

この後、山中を通る県道で大町に抜けた。途中、集落は無く、火の見櫓も無かった。やはりコースの下調べをして出かけなくてはダメなのかも。


 


564 565 大町市八坂の火の見櫓

2015-08-23 | A 火の見櫓っておもしろい


564 撮影日150822

 国道19号を長野に向かって走っていて、「大町市」の標識を目にすると一瞬 あれ? って思う。旧八坂村が大町市と合併したので、上の写真に写っている犀川まで大町市の範囲が広がった(などということは県外の方にはどうでもいい話でしょうが・・・)。

国道から見下ろす場所に立っている火の見櫓。狛犬にうつつを抜かしてはいるが、ヤグラセンサーは常に感度良好。
国道から脇道に入ってこの火の見櫓の近くまで行った。




火の見櫓全景。3角形の櫓に6角形の屋根と見張り台(平面形)。外付け梯子。3段のブレースのうち、上段だけフラットバー(平鋼)を用い、中下段は輪っか(もとい、リング式ターンバックル)付きの丸鋼を用いている。これは東信・北信に多いタイプ。リングがやけに大きい。見張り台の床面の高さを階段の段数とその間隔から6.5mくらいと推測した。



小さい屋根を櫓の上にちょこんと笠のように乗せている。半鐘には別の円笠を乗せている。雨がかからないようにという配慮に心が和む。  手すりは角型鋼か? よく見ると柱に控えをとって固定していることがわかる。



この写真でもリングが大きいことが分かる。脚部を斜材で補強してあるが、やはりここはアーチ状の部材を用いて欲しいところ。

メンテナンスしているのだろう、錆がほとんど出ていないのは実に好ましい。

国道19号を走行中、次に目にしたのがこの火の見櫓。


565  撮影日150822



 柱頂部を水平部材で繋ぎ、その上に束をたてて屋根を載せるという方法は上の火の見櫓(596)と同じ。屋根は櫓の中心を外し、少し半鐘の方へずらしている。半鐘が屋根の下に入るように、という配慮。

半鐘とともに木槌も吊るしてあるが、脚元の様子を見るとこの火の見櫓は使われてはいないようだ。




 


563 安曇野市明科中条の火の見櫓

2015-08-23 | A 火の見櫓っておもしろい


563 撮影日150822

 この火の見櫓の後ろの建物は国道19号に面している。国道を走っていると一瞬この火の見櫓が目に入るが、いままで観察する機会がなかった。昨日ようやく観察することができた。

ブレースが2段しか入っていない背の低い火の見櫓。3角形の櫓に6角形の屋根と見張り台という、よくある組合せ。

屋根のてっぺんにやや長めの避雷針があり、その付け根に飾りが施されている。蕨手は無い。表面がつるりんちょな半鐘が吊り下げてある。半鐘あっての火の見櫓。たとえ叩かなくなっていても存置して欲しい。見張り台の手すりは丸鋼で簡素につくってあり、飾りは無い。





脚元。正面のみアーチ状の部材を用いて、消防団員の出入りを可能にしている。他の2面にはブレースを設置している。やはり櫓を支える脚部としてのデザインでないとしっくりこない。


 


562 長野市大岡川口の火の見櫓

2015-08-22 | A 火の見櫓っておもしろい


562 撮影日150822

 久しぶりに火の見櫓巡りに出かけた。国道19号を長野方面へ。安曇野市明科で1基、大町市八坂で2基、いずれも国道沿いで見かけた。見かけた順番ではないが、まずはこの火の見櫓(長野市大岡川口)。どっしりと存在感がある、というのが第一印象。

櫓は第1横架材まで柱を垂直に立て、それより上は柱を直線的に絞りこんでいる。なだらかなカーブを描いて上方へ逓減する櫓とはかなり印象が違う。



4角形の櫓に6角形の見張り台(ともに平面形)という組合せは納まりがよくない。屋根も6角形だが、見張り台と辺の向きが合っていない。これは製作者の意思に依るのだろうか・・・。



注目の脚元、これはちょっと・・・。


 この場所で国道から離れ、県道394号を大町に向かった。 


黒部ダムカレー5

2015-08-22 | F ダムカレー



 大町で昼食、となると黒部ダムカレー。で、今回は百笑亭へ。

2日続けてボリュームのある昼食はいかがなものか。いや、いいんです。

ごはんで整った形の堰堤をつくってある。最後までダムを決壊させないように注意して食べるのが、私が勝手に決めた正しい食べ方。

ダム湖はひき肉カレー。ダム湖に浮かぶ遊覧船ガルベは生卵。 生卵をカレーにトッピングするのは大好き。 味がまろやかになって美味い。

きざみキャベツの上に大きな鶏のから揚げがのっている。北海道でザンギと呼ばれる家庭料理なんだとか。柔らかくて味も良かった。 

食べ盛り男子向きのシンプルカレー。


 


黒部ダムカレーレビュー

2015-08-22 | F ダムカレー

   
福来屋                              こまつうどん店      
  
   
ねむの木                             カイザー   


黒部ダムレストハウスや扇沢レストハウスにも出かけて黒部ダムカレーを食べることになるのかな・・・。


「日本のいちばん長い日」

2015-08-22 | A 読書日記



 終戦の決断の舞台裏で何が起こっていたのか・・・。

『日本のいちばん長い日』半藤一利/文藝春秋、このノンフィクションが再度映画化され、現在公開中だ(松本は22日から)。

20年前に読んだ原作を映画を観る前に読んでおこう、と再読を始めた。だが、読み終える前に映画を観ることになりそう。

**八月九日午後十一時五十分、ポツダム宣言受諾をめぐる御前会議が、御文庫付属の地下防空壕でひらかれた。(中略) 「議をつくすこと、すでに二時間におよびましたが、遺憾ながら三対三のまま、なお議決することができませぬ。しかも事態は一刻の遷延も許さないのであります。この上は、まことに異例で畏れ多いことでございまするが、ご聖断を拝しまして、聖慮をもって本会議の結論といたしたいと存じます」**(23、24頁)

1967年の岡本喜八監督版を観ているが、まだ新人の加山雄三がNHK放送局員を演じていたことだけなぜか覚えている。

「事件」を描いた印象の岡本喜八版、僕は「人間」を描きたい。過日の信濃毎日新聞に原田真人監督のコメントが載っていた。