透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

腸内細菌

2019-01-31 | D 新聞を読んで


1月31日付信濃毎日新聞朝刊 第二社会面

■ 今朝(31日)の新聞に掲載された「腸内細菌で認知症リスク減」の記事によると

 **腸内に特定の細菌が多い高齢者は、そうでない人と比べて認知症の発症リスクが10分の1と大幅に低い可能性がある。(後略)**という研究結果を国内の研究チームが発表したという。

腸内の細菌と脳の病気である認知症には関係があるのか、と両者の関係にまず驚くが、先日読んだ『生命デザイン学入門』小川(西秋)葉子・太田邦史/岩波ジュニア新書の第2章「微生物が超生命体をデザインする」もこの記事に関係する内容だった。

以下引用文。

**ヒトと腸内細菌のこの相互扶助の関係は、宿主自身の食域(エネルギー源)の拡大、すなわち生存競争上の有利さにつながります。また、体中に膨大な数の常在菌が生息すること自体が、外部からの病原菌の侵入と増殖にすきを与えない自然のバリアになっています。(中略)このような常在菌と宿主であるヒトとの密接な関係から、ヒトはヒトゲノム(先天・遺伝要因)と常在菌叢の総体ゲノムであるマイクロバイオーム(後天要因)からなる「超生命体」である、という概念が提唱されています。(36頁)

この章には腸内細菌の変容と病気の関係についても紹介していて、肥満、関節リウマチ、アレルギー、ぜんそくなどが例示されている。

新聞記事にも腸には1,000種類以上の細菌が生息していて、食事などの生活習慣によって、種類が変化し、肥満や心疾患に関係するという研究もあることが紹介されている。

やはり食事って大事なんだな、と改めて思った。


 


外観

2019-01-30 | A あれこれ


撮影日20100831 カフェ マトカ


撮影日20190127 Petrichor

■ 時々出かけていたカフェ マトカ(過去ログ)が18年4月に閉店し、古着と焼き菓子の店、Petrichorが18年9月にオープンした。

ドアや窓の色が変わり、以前の落ち着いた、どちらかというと地味な印象からモダンで都会的な印象に変わった。建築の外観って色を少し変えるだけで印象がずいぶん変わることを示す具体例。

マトカのふたり、元気かな・・・。


 


朝カフェで小松左京を読む

2019-01-29 | A 読書日記


今年は縦フレの写真を多用しようと思う。

■ 行きつけの書店の新潮文庫のコーナーで小松左京の『やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記』を見つけ、買い求めた。このところ続けて新書を読んでいたから、文庫は久しぶりだ。

**万国博を貿易振興の道具程度にしか考えていなかった官僚に対して、小松は「人類全体のよりよい明日」を掲げ、ときに怒りながら、理念と言葉の大切さを熱く説いたのだ。このとき、小松左京は35歳であった。**(11頁)

新潮文庫編集部によって書かれた「はじめに」の上掲の引用箇所を読んで、思わず「え~、35歳」と声に出してしまった。やはり小松左京という作家はすごい人だったんだ、と改めて思った。

この本は二部構成になっていて第一部が「やぶれかぶれ青春記」、第二部が「大阪万博奮闘記」だが、どちらも興味深い。


 


「中高生からの論文入門」

2019-01-29 | A 読書日記

 昨年の11月に『情報生産者になる』上野千鶴子/ちくま新書を読んだ。研究テーマの設定方法、研究の進め方、研究論文の書き方・プレゼン・書籍化の方法について、長年の幅広い経験を基に説く「上野式研究及び論文マニュアル」だ。



『中高生からの論文入門』小笠原喜康 片岡則夫/講談社現代新書を読んだ。『情報生産者になる』の類書と言えなくもないが、本書は書名の通り、論文を初めて書く中高生のための入門書。勉強になることも少なくなかった。例えばこんな基本的なことも。国立情報学研究所が提供しているCiNii(*1)、これをサイニーと読むということを今まで知らなかった(私はシニーと読んでいた)。

第3章3節「研究の土台づくり」では論文の基礎を固める項目として
①定義(〇〇とはなにか)
②起源(〇〇はどのようにしてはじまったのか)
③歴史(〇〇にはどのような道のりがあったのか)
④分類(〇〇にはどのような種類や区別があるのか)
⑤現状(〇〇はいまどうなっているのか)

以上を挙げている。

これを今準備中の「火の見櫓っておもしろい」に当て嵌めてみて、火の見櫓の定義、火の見櫓の起源、火の見櫓の歴史、火の見櫓の分類、火の見櫓の現状と、①から⑤まですべてについて書いていることを確認した。別に論文を書いているわけではないが、やはりこれらの基本的な項目について落とすわけにはいかない。また、第5章の「論文作成のルール」に書かれている基本的なことについても改めて確認しておきたい。

幅広の帯に**学校の探求学習、卒業論文、新・大学入試対策にも最適!**とあるが、本書によると、2021年から大学入試が大きく変わり、これまでのような小論文ではなく、本格的な(かどうかはわからないが)長い論文をパソコンで書かせられるそうだ。探求力・構築力・表現力がこれからは入試でも求められるということか。


 *1 私が関わった研究論文の概要をCiNiiで今でも閲覧できる。ン十年前のあの頃が懐かしい。


 


監視社会

2019-01-26 | A あれこれ

■ 駅や銀行、コンビニ、街中・・・、いたるところに監視カメラ(防犯カメラ)が設置されている。例えばJR新宿駅には何台もの監視カメラが設置されていて、その数は100を大きく超えているようだ。監視カメラの設置目的には火山の監視、道路や河川の状況把握などもあるだろうが、主たる目的は犯罪抑止、犯罪捜査だ。





「監視」といえば、今月21日の信濃毎日新聞朝刊の社会面(35面)に「Tカード情報 捜査当局に」という大きな見出しの記事が掲載された。

**コンビニやレンタルショップなど、さまざまな店で買い物をするとポイントがたまる(中略)「Tカード」を展開する会社が、氏名や電話番号といった会員情報のほか、商品購入によって得たポイント履歴やレンタルビデオのタイトルなどを、裁判所の令状なしに捜査当局へ提供していることが(中略)分かった。(後略)** 長めのリード文にはこのように書かれている。

Tカードは私も持っている。ツタヤやガソリンスタンドで使うし、このカードが使えるファミレスを利用することも回数は少ないが、ある。

捜査当局は対象者の行動把握のために頻繁に情報照会をしているという。Tカードは貴重な情報源というわけだ。まあ、ツタヤで買う本にしても借りるDVDにしても、人に知られて困るような内容のものではないから気にすることもないだろう。Tカードを利用して付与されるポイントは情報提供料、くらいに思っていたほうが良いのかもしれない。

電話、メール、車や電車での移動・・・。人の行動なんてすべてどこかに筒抜けなんだろうな。


 


サラリーマン川柳

2019-01-23 | D 新聞を読んで

■ 今日(23日)の朝刊にサラリーマン川柳の主な入選作品が10句掲載されていた。

ノー残業 趣味なし金なし 居場所なし

趣味探し 定年前の 大仕事

上掲句をアレンジした 定年後 趣味なし金なし 居場所なし が浮かんだ。

確かに、金はないだろう、居場所もないかもしれない。加えて趣味なしでは寂しすぎる・・・。

定年後に何をするかについて、きっちり考え しっかり準備 しておきたい。

とかなんか言っちゃって。


 


「都市空間の明治維新」

2019-01-22 | A 読書日記



 朝カフェ読書で『都市空間の明治維新』松山 恵/ちくま新書を読み始めた。毎日多忙ではあるが、時にはこんな時間を持ちたいと思う。

**かつて「江戸」と呼ばれた都市は、どのような過程で「東京」となったのか?**(カバー折り返し)という問いへの答えを論じている。興味深いテーマで、読んでみたいと思った。

今年も読んでみたいという気持ちに素直に従っていこう。


 


文学的原風景(再掲)

2019-01-22 | A 読書日記


『北杜夫の文学的世界』中央公論社(当時)/1978


この本で文芸評論家の奥野健男氏は北杜夫の文学について論じている。「原風景」について考えていて、ふとこの本を思い出した。北杜夫の文学的原風景を論じていて興味深い。

**北杜夫をして、文学にかりたてるものは、幼少年期の不思議な感銘ではないだろうか。普通なら無意識の昏(くら)い茂みの中に隠されたまま、忘却の彼方に消えて行ってしまう幼少年期の思い出が、彼の場合、敗戦前後の青春の一時期の透き通った感覚と体験とに照応して鮮やかに蘇って来たのではないだろうか。** 北杜夫の代表作の『幽霊』の書き出し部分を引用した後、奥野氏はこのように指摘している。

**人々は北杜夫の文学から、忘れていた自分の幼少年期の神話を、ひそかに感じていた魂の憧れを、まるで少年のように新鮮な現実への視点を発見するのだ。** 自分が北杜夫の文学に何故惹かれるのかを考えてみると、奥野氏が実に明快に北杜夫の文学の魅力を分析していることが分かる。

奥野氏は北杜夫の文学の「原風景」は「原っぱ」なのだと指摘する。原っぱこそが都会育ちの少年、特に戦前の東京の山の手育ちの子供たちにとって「自己形成空間」なのだという。氏は尾島敏雄や安岡章太郎、吉行淳之介、三島由紀夫、山口瞳、辻邦生、加賀乙彦ら多くの作家との語らいを通じて、彼らもまた原っぱに芸術や文学を支える原風景を見出していることを知る。

「作家にとって文学や建築は原風景を再構成して提示する手段であり、その意味においては両者は等価なもの」と考えて大過ないだろう。

私が書きたいのは実は今回も建築のモチーフとしての原風景なのだが、この数日間でようやく、自分なりに考えをまとめることができたと思う。

建築家の原風景が皆同じということでは勿論ない、繰り返すが藤森照信のそれは「諏訪の野山」であり、伊東豊雄の場合は「霞んで輪郭のはっきりしない諏訪湖」、原広司の場合は「伊那谷とアルプス」なのだ。 

原氏の代表作のひとつであるJR京都駅ビルを、かつて藤森氏が伊那谷と南アルプスの姿から説明していたことを、例の本によって知った。なるほど、階段によって構成されたあの大きな吹き抜けの空間が伊那谷の地形を再構成したものだと素直に思える(藤森氏があの空間をどのように捉らえたのかは知らないが、たぶん私のイメージと差異はないだろう)。

最後にもう一度今回とり上げた『北杜夫の文学世界』に戻ろう。奥野氏はこの本で北杜夫の代表作について論じているが、始めにとり上げているのが『幽霊』、最後が『木精』である。やはり氏もこの2作を北杜夫の代表作と考えていたらしい。


2006年8月27日

 


年賀状の保存

2019-01-21 | D 切手

 今年も年賀状を次のように分類して市販の専用ホルダーに保存した。

1親戚
2小学校・中学校時代の友人
3高校時代の友人
4大学時代の友人
5仕事関係の知人・友人
6仕事とは無関係の知人・友人
7その他

以前は10年分くらい保存していたが、数年前から2年分(昨年と今年の年賀状)を2冊のホルダーに保存にしている。



年賀状のお年玉 5年連続で切手シートが2枚当たった。切手シートの当せん番号は78 42 02。ということは年賀状100枚でシートが3枚当たる確率(間違ってないよね)。私宛の年賀状の枚数からして確率的には4、5枚当たってもよいはずだが・・・。

今年は4月20日に「ダブルチャンス賞」として特別な切手シートが当たる2回目の抽せんが行われると新聞に出ていた。ダイヤリーに書いておこう。


 


棟石の民家

2019-01-20 | A あれこれ

 33会で松江旅行をしたことは既に書いた。旅行中、瓦屋根の棟の両端が反っている民家があちこちにあることに気がつき、このブログにも載せた。また瓦屋根の棟に石が使われている民家があることにも気がついていた。




松江で宿泊したホテルの部屋の窓から撮った写真 撮影2019年1月

蔵の瓦屋根の棟に石が使われている。ネットで調べてみると使われている石は地元の松江市宍道町来待地区で産出される凝灰質砂岩の来待石のようだ。




松江の民家 撮影2019年1月

松江市内でこんな立派な民家(このような建築を民家と呼んでいいものかどうか)も見かけた。やはり棟が石でつくられていて神社の鳥居のように反っている。

昔は物流エリアが限定的だから民家の建設は地産地消だ。以下、昔撮った写真を載せる。


茅野の民家 鉄平石一文字葺きの屋根 撮影1979年5月 40年前の写真 月日の経つのは早い。


新島の民家 抗火石の屋根と塀 撮影1980年7月


対馬の民家 砂岩の屋根 撮影1981年9月


 

 


松本城天守へのアプローチ動線

2019-01-20 | A あれこれ


国宝 松本城 撮影日190117



■ 松本城の公園(上図で現在地と赤文字で示されている場所)には①の図が掲示されている。この図を見ると観光客にも人気の女鳥羽川沿いの縄手通り辺りはかつて松本城天守を3重に囲む堀の一番外側の総堀(図中紫色の線で輪郭が表示されている)だったことが分かる。ちなみにこの図の城にアプローチする大名小路は現在の大名町通り。




松本城(松本市)のホームページに示されている案内図(動線を加筆した)

③の図で分かるように現在は外堀の南側・西側が埋め立てられている。

観光客は黄色い線で示した動線で黒門から本丸庭園、天守へとアプローチするが、元々は朱色の線で示した太鼓門から外堀の内側に入る動線だった。このことを太鼓門の近くに設置されている②の図は示している。黄色い動線と朱色の動線とでは当然のことながらシークエンス(連続的に展開する場面の様子)が全く違い、城全体の空間構成の印象も全く違う。

 

③の図の印の位置から黄色い動線を見る。




太鼓門 撮影日190119

③の図で朱色で示す動線、太鼓門からのアプローチの様子。動線は長くなるが、こちらが天守への本来のアプローチ。

ところで松本市は外堀の復元計画を進める予定だったが、掘削予定の場所の土壌の汚染(自然由来の汚染だそうだ)が確認されたため、堀の掘削復元をしないで、堀の範囲を平面的に表示する平面整備に変更することを決定した。土壌汚染の処理に要する多額の費用は法的にその土地の持ち主であった個人の負担になるとのことだ。

平面整備なら現在の黄色の動線はそのままになるのだろうが、本来の朱色の動線に限定してしまったらどうだろうと私は思うのだが・・・。

*****


松本市内の古書店で100円で買い求めた3枚続きの絵はがき(明治18年の旧制松本中学の開校式の絵図)


上掲の絵はがきに描かれている橋の写真   松本深志高校創立140周年企画展(2016年)


外堀に橋を架けてショートカット動線(黄色の動線)を確保していた時代もあった。





カワセミ、だよね

2019-01-17 | D キミの名は?


撮影日190117 松本城にて

■ 所用で松本市役所へ。少し時間があったので松本城へ行ってみた。お堀の松の枝にきれいな鳥がとまっていた。

大慌てでカバンからカメラを取り出して撮った1枚。構図もなってないし、枝かな、邪魔しているのは。でも、とにかく撮ろうと。

手元の野鳥図鑑で調べると、どうやらカワセミ。漢字では翡翠、これは読めない・・・。


 


今年、顔の前にぶら下げるニンジン

2019-01-15 | A あれこれ

 今朝(15日)のNHKラジオ深夜便、4時過ぎからの明日へのことばは経済コラムニストの大江秀樹さんの「“定年起業”は自由への扉」と題した話だった。大手証券会社を定年まで勤めた後、再雇用制度を活用する道を選ぶも、半年で退職し2012年に起業した大江さんの仕事、人生論。

大江さんは60歳の定年を迎えたら、仕事は一切しないで趣味の旅行や音楽、読書をして過ごす、と考えていたそうだが、50歳台半ば過ぎになり仕事で忙しい中で旅行などの趣味をするから楽しいのだ、と思い至り、目指す定年後の生活のイメージを大きく変えたそうだ。

話の中で印象に残ったのが「定活」提言。

就活、婚活、そして終活となるが、終活の前に定活、定年後の生活に備える活動もするべきだと大江さん。定活について具体的に、会社以外の人との付き合いを増やすこと、「何々すべきである」とか、「何々してはならない」といったことには捉われないこと、やりたいことは何かはっきりさせること、を挙げておられたように思う(きちんと目覚めていない状態で聞いているので曖昧な記憶だ)。

話の最後に大江さんはこれからの夢として、ビジネス書は書いたが小説は書いたことがないので書いてみたいと言っておられた。小説が多くの人に読まれてテレビドラマ化され、片すみに出られたらいいなとも。私には到底叶わない夢だと端っからあきらめてしまいそうな内容だ、と聞いていて思った。

私の今年の夢というか目標は「(仮題)火の見櫓っておもしろい」の書籍化(自費出版)だ。費用もかなりかかるが、お金の使途についての考え方は人それぞれ。

自分の顔の前にこのニンジンをぶら下げて前へ進もう。