■ 南木佳士のエッセイ集『生きのびる からだ』文春文庫を読んだ。
大型連休の前半が終わるというのに読了本が1冊も無いというのは落ち着かない。で、早朝に渚(松本市内)にある24時間営業の書店で同書を買い求め、カフェで一気に読了したという次第。
南木佳士の作品は文庫(文春文庫)になると欠かさず読んでいる。上州の山村で生まれ、3歳前に母親を肺結核で亡くし、以後祖母に育てられたこと。芥川賞を受賞した翌年にパニック障害を発病し、うつ病へと移行したこと。50歳を過ぎてから山登りを始めたこと。それから自然に親しみ、地域の人たちと交流しながら日々静かに暮らしていること。これらのことがエッセイに繰り返し綴られる。このことが分かっていてもやはり買い求めて読む。ときどきこころがこの作家の静かなエッセイを欲するから。
**あらゆる悲観が飛びかうきょうこのごろ、最後に信頼できるのは、案外、おのずから生きのびようとするからだのしたたかさなのだ、きっと。**あとがきより