■ 数日前に火の見櫓のデザインについて**無数のヴァリエーションがあるように思われる火の見櫓だが、適切な視点を据えればいくつかのタイプに分類できる。そうすることで、火の見櫓の総体を見通すことができるだろう。**と書いた。(19年12月再掲)
そして分類するための視点として櫓の柱の数を挙げた。柱の数は火の見櫓を分類する有効な視点だが、もうひとつ別の視点を設定すれば、ふたつの視点を分類軸とする2次元のマトリックス上(平面上、具体的には紙面上)に観察した各々の火の見櫓をプロットすることができる。
前回はこのことを縦横に並ぶひき出しに火の見櫓の写真(情報)を整理するというように具体的に示した。
長野県の生活圏は地理的条件などから北信、中信、東信、南信という4つのエリアに分けられる。余談だが、県歌「信濃の国」にこの4つのエリアについて「松本 伊那 佐久 善光寺 四つの平は 肥沃の地」と謳われている。(*)
櫓の柱の数を縦軸に、そしてこの4つのエリアを横軸にして2次元のマトリックスを構成し、そこに火の見櫓をプロットすれば、地域による柱の数の傾向をビジュアルに示すことができる。
中信エリアには3本柱の櫓が多く、南信エリアには4本柱の櫓が多いという印象だが、このことを示すことができる。北信と東信についても傾向がはっきりするだろう。北信については観察数が少ないので分からないが、東信については4本柱が多いという印象だ。
単に数量的に示すのではなく、ビジュアルに示すというところがミソで、これは一目瞭然に示したいという私の欲求による。(過去ログ)
また、横軸に火の見櫓の高さを4つくらいの区分で設定して火の見櫓をプロットすれば柱の数と高さとの間に関係があるかどうか、4本柱の櫓の方が3本柱の櫓より高いというような傾向の有無が分かるだろう。ただしこの場合、火の見櫓の高さをきちんと調べる必要があるが。
また、4本柱櫓に限定して屋根の形について、円形(円錐)と正方形(4角錘)のどちらが多いか、このことに地域差があるかどうか、こんなことも2次元マトリックス上にプロットすることでビジュアルに示すことができる。正方形(4角錘)が多いというなんとなくの印象だが。
要は明らかにしたいこと、知りたいことを分類軸を設定すればよいということだ。前回の投稿後にこの当たり前のことに気がついた。
ヒマになったら本稿に書いたことについて作業をしたいが、何年後になることやら・・・。
* 歌詞とエリアの対応関係:松本・中信 伊那・南信 佐久・東信 善光寺・北信
2015年2月10日の記事を再掲した。