透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

― FM長野「ラジモ!」で火の見櫓を語った

2016-11-29 | A 火の見櫓っておもしろい



 FM長野の夕方の帯番組「ラジモ!」。「長野をモット楽しみたい!ジモト応援ラジオ」、この番組のコンセプトが新聞のラジオ番組表に示されいる。番組の「ジモトーク」というコーナーで2週続けて火の見櫓について語るという機会を得た。

放送を聞いたが、何日か前にスタジオで収録したものを上手く編集してあり、ほっとした。

コーナー終了後もリスナーから送られてきた火の見櫓にまつわるエピソードなどを記したメールが紹介され、番組終了時刻直前まで火の見櫓のことが話題に。ふたりのパーソナリティ、小林新さんとダイナマイトマンダムさんにはずいぶん気を使っていただき、感激。

リスナーの皆さんには、今まで風景に溶け込んでいて見えなかった火の見櫓が地域のシンボルタワーとして立ち現れているだろうか・・・。

遠くのスカイツリーより近くの火の見櫓! 


 


小淵沢のマンホール蓋

2016-11-29 | B 地面の蓋っておもしろい


763



 

 こぶち「ざわ」だと思っていたが、町名はこぶち「さわ」だった。なるほど、マンホール蓋には「こぶちさわ」と表記されている。

調べてみると、駅名は「こぶちざわ」、インターチェンジは「こぶちさわ」だそうだ。

*****

マンホール蓋は旧小淵沢町の町花、スズランと「こぶちさわ」をを点対称に配置している。この蓋、どっちが上? 蓋の中心の町章から、②の写真が正しい向きだと分かる。だが・・・、町章が無ければ、下に示した他町村の蓋同様、①の写真の向きが正しいと判断することになるだろう。







判断の根拠は蓋の外周にある3つの欠きこみの位置関係。蓋を開けるときにフックを掛けるための欠きこみだと思うが(きちんと調べなくては・・・)、それが真下に1つ、上側の左右に各1つという配置になっているから。

マンホール蓋を紹介するサイトを探すと小淵沢の蓋を①の向きで掲載しているものが複数見つかる。混乱の原因は「こぶちさわ」の文字を上と下に点対象に入れていること。どちらかひとつだけなら間違えることはない。

ただし、このようなことを承知の上で、あくまでも蓋本来の上下にこだわって載せているサイトもあるのかもしれない。


マンホール蓋の世界も深い、一度入り込んだら出口が見つかりそうにない・・・。


 


― 火の見櫓の分類軸(再掲)

2016-11-28 | A 火の見櫓っておもしろい

 数日前に火の見櫓のデザインについて**無数のヴァリエーションがあるように思われる火の見櫓だが、適切な視点を据えればいくつかのタイプに分類できる。そうすることで、火の見櫓の総体を見通すことができるだろう。**と書いた。(19年12月再掲)

そして分類するための視点として櫓の柱の数を挙げた。柱の数は火の見櫓を分類する有効な視点だが、もうひとつ別の視点を設定すれば、ふたつの視点を分類軸とする2次元のマトリックス上(平面上、具体的には紙面上)に観察した各々の火の見櫓をプロットすることができる。

前回はこのことを縦横に並ぶひき出しに火の見櫓の写真(情報)を整理するというように具体的に示した。

長野県の生活圏は地理的条件などから北信、中信、東信、南信という4つのエリアに分けられる。余談だが、県歌「信濃の国」にこの4つのエリアについて「松本 伊那 佐久 善光寺 四つの平は 肥沃の地」と謳われている。(

櫓の柱の数を縦軸に、そしてこの4つのエリアを横軸にして2次元のマトリックスを構成し、そこに火の見櫓をプロットすれば、地域による柱の数の傾向をビジュアルに示すことができる。

中信エリアには3本柱の櫓が多く、南信エリアには4本柱の櫓が多いという印象だが、このことを示すことができる。北信と東信についても傾向がはっきりするだろう。北信については観察数が少ないので分からないが、東信については4本柱が多いという印象だ。

単に数量的に示すのではなく、ビジュアルに示すというところがミソで、これは一目瞭然に示したいという私の欲求による。(過去ログ

また、横軸に火の見櫓の高さを4つくらいの区分で設定して火の見櫓をプロットすれば柱の数と高さとの間に関係があるかどうか、4本柱の櫓の方が3本柱の櫓より高いというような傾向の有無が分かるだろう。ただしこの場合、火の見櫓の高さをきちんと調べる必要があるが。

また、4本柱櫓に限定して屋根の形について、円形(円錐)と正方形(4角錘)のどちらが多いか、このことに地域差があるかどうか、こんなことも2次元マトリックス上にプロットすることでビジュアルに示すことができる。正方形(4角錘)が多いというなんとなくの印象だが。

要は明らかにしたいこと、知りたいことを分類軸を設定すればよいということだ。前回の投稿後にこの当たり前のことに気がついた。

ヒマになったら本稿に書いたことについて作業をしたいが、何年後になることやら・・・。


* 歌詞とエリアの対応関係:松本・中信 伊那・南信 佐久・東信 善光寺・北信

2015年2月10日の記事を再掲した。


732 中央線から見える火の見櫓

2016-11-28 | A 火の見櫓っておもしろい


732 山梨県北杜市小淵沢町上笹尾 中央線沿線の火の見櫓  撮影日161122

■ 特急あずさで東京に向かう時、いつもこの火の見櫓を見ている。小淵沢駅を通過してまもなく、この火の見櫓が進行方向右側の窓から見える。

車窓から、なだらかな坂道(山梨県道608号)の途中にこの火の見櫓がすくっと立っているところが見える。起伏のある周辺の土地には緑が多く、住宅が点在している。あずさで出かける度に火の見櫓のあるのどかな風景を俯瞰して、いいなぁ、と思う。

南牧村から小淵沢インターに向かう途中、偶々ここを通りがかった。あっ、ここだ。いつもあずさから見ているのはこの火の見櫓だ! うれしかった。

しばらくすると電車の音がして、あずさが通過していった。久しぶりに動く鉄と動かない鉄とのツーショットが撮れた。(注:写真のあずさは下りで、最後尾が写っている)。




和風に見える屋根。縦葺きの屋根は珍しい。避雷針には矢羽、下り棟の先には蕨手とは違う飾り(?)がついている。4隅を面取りした見張り台。手すりの飾りはよくあるデザイン。各柱に2本ずつ付けた方杖が見張り台の床の外周を支えている。小ぶりのスピーカーが2基手すりに取り付けてある。

 

背が高い火の見櫓で踊り場が2ヶ所ある。下の踊り場まで櫓の外に梯子が設置されている。柱間の長さを測った。4.4メートルあった。

さて、ここで脚部の構成の比較。

 

は長坂町大井ヶ森の火の見櫓(762)。を比較すると、印象が違う。やはりアーチ部材を入れているが好い。この部材の有無が構造的に影響するのかどうか・・・、入れた方が多少効果があるのではないかと直感的に思う。たとえ構造的な効果はないとしても見た目には是非欲しい。私はこのアーチにこだわっている。

*****



の写真では分かりにくいが、火の見櫓の脚が歩道にはみ出している。というか、時系列的には脚に構わず歩道を整備したということだろう。


 


北杜市長坂町のマンホール蓋

2016-11-27 | B 地面の蓋っておもしろい



◎ あまり好条件ではないが、火の見櫓(762)を背景にマンホール蓋を撮った。マンホール蓋を撮るときは火の見櫓を背景にする、という条件は厳しい・・・。火の見櫓に近すぎても遠くても撮影に困るし、往来の激しい主要道の蓋は撮影できない。



北杜市長坂町のマンホール蓋には八ヶ岳とオオムラサキ、それから武田信玄が築いたという伝説がある三分一湧水が描かれている。この農業用水の堰のことはネット情報で知った。蓋の下に「ながさか」という表記がある。


 


731 北杜市長坂町の火の見櫓

2016-11-27 | A 火の見櫓っておもしろい


731 北杜市長坂町大井ヶ森 撮影日161122

 4角形の櫓に4角形の屋根、4角形の見張り台はごく一般的な組み合わせ。櫓がなだらかなカーブを描いて末広がる様は美しい。踊り場の大きさのバランスや脚部のデザインは気にはなるが・・・。美脚にこだわる者としては、やはりアーチ部材が欲しい。



屋根の4隅の突出物は蕨手ではない、相応しい呼称はないかな。



踊り場を後方に持ち出して広げている。手前の半分には床が無い。



トラスの構成単位は3角形。この脚部の構成は構造的にどうなんだろう、有効なんだろうか・・・。



消防倉庫のシャッター・アートは楽しい。





730 南牧村板橋の火の見櫓

2016-11-27 | A 火の見櫓っておもしろい


730 南牧村板橋 撮影日161122

■ 川上村、南牧村、南相木村、北相木村を巡り、カーナビを頼りに小淵沢まで移動する。再び南牧村を走行中にやぐらセンサーがこの火の見櫓に反応した。やぐらセンサー感度良好。  大樹に隠れて見えにくい火の見櫓によく気が付いたものだ。




柱から屋根の下り棟に方杖を突いている。見張り台の手すりが内外2重になっている。外側に円形の手すり、内側に床の開口を囲う4角形の手すり。安全対策だ。



                     

櫓の脚部、正面に「警鐘楼建設寄附芳名」表示板(過去ログ)が設置されている。多くの人が火の見櫓建設費用を寄附したことが分かる。そう、火の見櫓は郷土愛の象徴でもあるのだ。



道路の反対側に消防団詰所がある。階段の踊り場に消防信号板を設置している。ここに来る度に信号板を見て、叩き方を頭に叩き込んでおこうということだろう。


 


729 南牧村の火の見櫓

2016-11-27 | A 火の見櫓っておもしろい


729 珍しい姿・形の火の見櫓

 この火の見櫓の前を前回(11月3日)通ったが、次回見ればいいや、とパスした。周辺には民家がほとんどない。この火の見櫓の設置目的は? 火災の発生を隣の集落に伝える伝達用というか、中継用かもしれない。火災が発生するとこの火の見櫓の半鐘を叩いて、応援要請をしたのではないか。


ちなみに半鐘の叩き方(消防信号)は消防法施行規則(昭和24年)に規定がある。その第4条に別表に定める区分及び方法に従い発しなければならないと謳われている。火の見櫓に設置されている消防信号板にはこの規定に従って半鐘の叩き方が表示されている(過去ログ)。

応援要請が目的の火の見櫓であれば、もっと簡便な火の見梯子でもよいのではないかと思う。わざわざ小屋をつくった理由が分からない・・・。なぜ?

半鐘を叩くときは音が伝わるように窓を開けたのだろう。


 


728 北相木村山口の火の見櫓

2016-11-27 | A 火の見櫓っておもしろい


728

■ 今回の火の見櫓巡り、南佐久郡北相木村最後の1基。



蕨手はほんとうに山菜のワラビのよう。振動波形のような手すり子。ここにも監視カメラ。アンテナとスピーカーは防災行政無線用だろう。



脚部に注目。斜材に横架材を渡して梯子段替わりにしている。建設当初からこうだったのだろうか。近くできっちり観察しなかったのはまずかった(反省)。


 


726 北相木村三寸木の火の見櫓

2016-11-26 | A 火の見櫓っておもしろい


726 南佐久郡北相木村三寸木 撮影日161122

 前稿に載せた火の見櫓の更に先で出合った火の見櫓。姿・形は久保の火の見櫓と似ている。半鐘を叩くと柱に当たるのではないか、と思わせる細さ。





この火の見櫓にも防犯カメラが設置されている。村民の安心・安全のためとは言え、気になる・・・。



屋根面がかなり錆びている。


 


725 北相木村下荒井の火の見櫓

2016-11-26 | A 火の見櫓っておもしろい


725 南佐久郡北相木村下新井の火の見櫓 撮影日 161122

 北相木村の火の見櫓すべての見張り台が片持ちタイプではなく、この火の見櫓のような「普通」のタイプのものもある。

まだ奥に集落があるのだろうか・・・、と思いつつ車を走らせてこの火の見櫓と出合った。

3角形の櫓に3角形の屋根、円い見張り台という組み合わせ。屋根は立体的には3角錐で、膜構造ではないか、と思ってしまうような曲面になっている。




屋根の構造はこんな感じ、ってちゃんと言葉で説明しないと。

避雷針に輪っか状の飾り、屋根の頂部の飾りと下り棟の先の蕨手は少し厚手の平鋼でつくられている。やはりこの両者は同種類の鋼材でつくられている。

ここで注目は柱頭(柱のてっぺん)と屋根の取り合い。柱が直接屋根を支えていない。屋根下に丸鋼のブレースを入れた構面をつくり、その下を柱で支えるということをしている。こうした方が加工がしやすいというような理由があるのだろうか。そうか、こんな方法があるのか・・・。他にもこのような支え方をした火の見櫓があったのかもしれない・・・。

一見単純に見える火の見櫓の架構だが、案外いろんなバリエーションがあるということを再認識した。注意深く細部まで観察しなくては。




この火の見櫓にも監視カメラが設置されている。盤の扉には「安心・安全カメラ作動中」という表示がある。



火の見櫓 みんなちがって みんないい


 


進捗状況

2016-11-25 | B 地面の蓋っておもしろい



 長野県内全77市町村のマンホール蓋巡りをしている。

ただ蓋の写真を撮るだけではつまらないと、後から蓋の趣味に入り込んだ私は考えた。蓋だけなら全国津々浦々まで撮りつくされているだろう。ならば、火の見櫓を背景に蓋の写真を撮ろう。

その進捗状況を地図に表示している。かなり進んで、半数を超えた。残っているのは長野市以北の12市町村、木曽方面の6町村、駒ケ根市以南の17市町村、計35市町村。 

長野県はもう冬。雪道や凍結した道路を車で走るのは危ない。残りの市町村は来年の春以降に巡ることにする。

君子でなくとも危うきには近寄らない方が良い。


北相木村、南相木村:公共下水道未整備


723 北相木村久保の火の見櫓

2016-11-25 | A 火の見櫓っておもしろい

■ 南相木村から隣の北相木村へ移動。北相木村は相木川沿いに集落が点在している。地形的な構造が両村似ている。


723 南佐久郡北相木村久保の火の見櫓 撮影日161122

相木川のほとりに立つ細身の火の見櫓。なかなか好いロケーション。見張り台の上の柱の間隔が狭く、半鐘が辛うじて柱間に納まっている。屋根も小さい。梯子は外付け。ブレースは上から下まで丸鋼。



前々稿でも書いたが、背景によって火の見櫓の印象も変わる。あちこちから「火の見櫓のある風景」を楽しみたい。




3角形の櫓で、屋根は6角形、見張り台は12角形。松本市内で12角形の屋根は見ているが(過去ログ)、これほどの多角形の見張り台は珍しい。

北相木村では監視カメラを設置していることを以前新聞で読んで知っていた(過去ログ)。この火の見櫓にも監視カメラが設置されている。他にも村内のあちこちで監視カメラを見た。田舎でもカメラによる監視か・・・。 



屋根の飾りに注目。蕨手と避雷針の飾りを薄い平鋼でつくっている。両者の鋼材は同じものを使う傾向があるようだ。蕨手が丸鋼なら、避雷針の飾りも丸鋼というように。



脚部。何回も書いているが、脚のデザインがなされておらず、櫓の一般部分と同じ扱いになっているのは残念。