透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

さあ読もう!

2007-04-29 | A 読書日記



 映画「惑星ソラリス」を岩波ホールで観たのは随分昔のことだ。首都高速道路が未来都市のシーンとして登場していたことを今でも覚えている。

この映画の原作『ソラリスの陽のもとに』スタニスワフ・レム、東京の友人のブログ「月下のひとりごと」のお薦め本リストに挙がっている。

この思索的なSFを読んだのも随分前のこと。さて今日から『百億の昼と千億の夜』ハヤカワ文庫を読む。この本も同リストの1冊。

著者の光瀬龍は東京教育大学理学部卒業後、文学部哲学科に学んだとカバーの折り返しに紹介されている。このSF作品もまた思索的な内容だろうと想像がつく。友人のリストに挙がっている本は速読が出来ないものばかり、多分この本も読了するのに時間がかかるだろう。


「疾走」

2007-04-29 | A 読書日記


●『疾走』・・・
久しぶりに長編小説を一気に読んだ。

人はひとりで生まれてひとりで死んでいく。人はもうひとりの自分を探す。自分と「同じ」と思えるもうひとりの自分探し・・・。主人公シュウジがもうひとりの自分、エリと出会い「ひとつ」になるまでの数年間を描いた純愛小説。そう、私は純愛小説として読んだ。

登場人物に自分を同化させて読む。読者が若い女性ならおそらくエリになってシュウジのことを想うだろう・・・。「シュウジ!逃げ延びて!生きて!」エリの願いはそのまま彼女の願いに違いない。

それにしても苛烈な人生だ。まだ中学生!じゃないか。15歳にして人生を「疾走」してしまったシュウジ・・・。凄い小説に出会ってしまったわたし・・・。