透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

積み木

2010-08-06 | A あれこれ



 この積み木も「木のファーストスプーン」と同じ友人の企画。

モジュールということばは、建築に限らず様々な分野で使われている。建築では空間や、建築部材の基準寸法およびその体系を指す。で、このモジュールををシンプルな体系に調整することをモジュラー・コーディネーションという。

コーディネーションは馴染みのことばだ。ライフサイクル・コーディネーション、ジョブ・コーディネーション、カラー・コーディネーションなど建築に関係することばもいくつかある。

ところで、この積み木には4種類のパーツがある。各パーツには名前がついていて、タイルが40×40×20、レンガが40×80×20、サイコロが40×40×40、柱が40×40×80という寸法(単位はmm)になっている。サイコロ以外は建築用語(サイコロという建築用語も実はあるのだが)だから、あるいは建築を意識して名前をつけたのかもしれない。そう、積み木は実に建築的な遊びだ。

この積み木は適当に積み上げていっても写真のように高さが揃う。平面的に並べていっても4角形にすることが容易にできるし、立体的に並べても直方体や立方体にすることができる。

それは、上記のようにパーツの寸法が20mm、40mm、80mmの3種類しかなく、20mmの倍数の寸法に限定しているから。つまり寸法を特定のモジュールに合うように決めてあるから。

モジュラー・コーディネーションという概念を説明するのに具合がいい積み木だ(どうも説明がうまくないが・・・)。

モジュラー・コーディネーションは建築生産の分野では重要な概念。建築を構成する部材の寸法がこの積み木のようにシンプルな体系になっていると何かと具合がいい。材料を歩留りよく使うこともできる。

日本の伝統的な木造住宅の平面は3尺(1尺は303mm)を基準とする寸法体系でできている。このことを生産の合理性という観点から評価することもできる。木の文化の奥行きは深い。

今度機会があれば、この積み木を使って、モジュラー・コーディネーションをビジュアルに分かりやすく説明したい。

木の感触をで唇で知った赤ちゃん、次は指先だとこの積み木を考えた友人。なかなか冴えた企画だ。


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