透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

火の見櫓のビフォーアフター

2024-11-24 | A 火の見櫓っておもしろい




Before 2012.07.14




After 2024.11.22(再)辰野町平出 444型複合脚(正面開放他面交叉ブレース)

 岡谷市の川岸から県道14号で辰野町へ向かう。辰野町平出に立っているこの火の見櫓、今から12年前の2012年に見た時と屋根が替わっていた。火の見が跨いでいる倉庫も更新されていた。

屋根を修復した事例や屋根を撤去してしまった事例は知っているが、屋根をつくり替えた火の見櫓をみたのは、たぶん初めて。こんなことがあるんだ! びっくり。


更新後の屋根と櫓とのミスマッチ感、デザインはトータリティだということがよく分かる事例だ。


岡谷市川岸西の火の見櫓

2024-11-23 | A 火の見櫓っておもしろい

 岡谷市の川岸は諏訪湖から流れ下る天竜川の両側に形成された河岸段丘に集落が連なるところ。川岸西地区にまだ見ていない火の見櫓があることをひのみくらぶ会員の投稿で最近知った。

以下のような予定を立てて昨日(22日)実行した。まず岡谷市川岸西の火の見櫓を見る。それから辰野町を通って伊那市高遠町へ行き、火の見亭でラーメンを食べる。その後、茅野へ出て、久しぶりに大麦小麦へ行く。それから諏訪市でまだ見ていない火の見櫓を見て帰る。以上で一日要し、走行距離は約130kmだった。


1526 岡谷市川岸西 3〇無型 脚は判断し難く・・・2024.11.22


写真で分かる通り、火の見櫓は集落内のかなり狭い生活道路脇に立っている。


この火の見櫓は河岸段丘の地形を利用した「高さかせぎ」といえる。なかなか好いロケーションだ。



土地に高低差があるために、こんなアングルの写真を撮ることができた。

柱3本の櫓。正面に梯子を外付けしてある。正面の垂直構面にはブレースが設置してない。他の2構面には片掛ブレースが設置してある。変則的な構成の櫓だ。屋根は陣笠。下地組を確認しなかった・・・。


この脚の分類、どうしようか。複合脚。道路側の正面は斜材が入っていない。残り2面は短い脚だがタイプとしてはロング3角脚とするか・・・。なんとも判断が難しい。



実はこの火の見櫓を見る前にもう1基見たが、なんとなく前に見たような気がするなぁと思った。帰宅して確認すると、既に見ていた(過去ログ)。


 


火の見亭という名のラーメン屋の隣に火の見櫓

2024-11-23 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)伊那市高遠町西高遠 444型トラス脚 2024.11.22

 ①  
①2018.10.06撮影  ②2024.11.22撮影

 伊那の高遠に火の見亭という名前のラーメン店があり、昨日(22日)に行ってきたことは前稿で書いた。火の見亭の隣に立っている火の見櫓は既に2018年10月6日に見ている(写真①)。昨日も6年前と変わらぬ姿で立っていた(写真②)。 店主によると、2年ほど前にこの火の見櫓を撤去するという話もあったという。ヤバ。

改めてこの火の見櫓を見る。


反りのついた方形(ほうぎょう)の屋根のてっぺんの避雷針には存在感たっぷりな飾りがついている。蕨手はついていない。表面がつるりんちょな半鐘。見張り台は四隅を大きく隅切りした4角形(純粋に幾何学的にみれは8角形だが)で、二股の方杖を角に突いている。床にはU形の開口。その上部に同形の手すりがある。安全上の配慮だ。梯子を床面から突き出して上まで伸ばしている。これは上り下りしやすいようにという配慮。手すり子は縦しげで飾りなし。


外付け梯子から櫓内へ入る開口部廻りのデザインに注目。逆U形の開口部の両側に飾りがついている。見張り台には無いけれど。梯子の支柱を開高の縦枠に留めるために上部の幅を広げている。そのカーブが手工芸的で好ましい。小屋根の下の半鐘は乳や帯付きの鋳造品。二つの半鐘が撤去されずにあるのは嬉しい。


トラス脚に消防信号板が設置されている。脚の直上の横架材に施工した会社が分かる銘板が設置されていた。昼時が過ぎてお客さんがいなかったので、店主に半鐘の叩き方を説明した。「東京スカイツリーより東京タワーが好きだ」と店主。私も同じ。

来年(2025年)の桜の季節にまた来よう・・・。


 


塩尻市宗賀の火の見櫓

2024-11-17 | A 火の見櫓っておもしろい


▲ この写真のみ2024.11.18撮影

1525 塩尻市宗賀 366型トラスもどき 2024.11.16

 火の見櫓めぐりを始めたのは2010年の5月だが、この年の11月13日にこの火の見櫓を見ていた。だが、ブログには載せていなかった。あの頃は撮った写真の整理もきちんとしていなかった・・・。新たに番号をつけて載せる。


平面が3角形の櫓に6角形の屋根、同じく6角形の見張り台。366型は中信地域で最も多いタイプ。脚は分類したが、屋根を見張り台はまだ分類できていない。屋根下に半鐘と共に木槌を吊り下げている。


消防団詰所の外付け階段をさらに伸ばして火の見櫓と繋いでいる。建設当初は火の見櫓に外付け梯子が設置されていたのではないか、と思う。注意深く観察すれば、このことが確認できるかもしれない。いつも課題を残してしまう。


トラスもどきの脚


 


信濃町の火の見櫓

2024-10-25 | A 火の見櫓っておもしろい


(―)上水内郡信濃町野尻 444型トラス脚 2024.10.**(撮影日不明)

 上掲したのは松本市内にお住まいのKさんから送られてきた火の見櫓の写真。Kさんの姪御さんが撮った写真とのこと。豊科のカフェで昨年の10月に開いた「火の見櫓のある風景 スケッチ展」で姪御さんにもお会いしているかもしれない。

さて、火の見櫓。

一見して珍しい姿かたちだと分かる。脚元から直線的に逓減している櫓のてっぺんにちょこんと屋根と見張り台を載せているかのように見える。
見張り台は櫓から外側に張り出すことなくぴったりに合せている。

姿かたちの印象が昨年(2023年)2月に見た北杜市長坂町の火の見櫓(写真② 森林の監視用だろうか。では監視目的は?)とよく似ている。

屋根形状は判然としないが方形(ピラミッド型)だろうか。櫓の部材構成が送電鉄塔を思わせる。櫓の中間と屋根下に半鐘を吊り下げてある。

隣りの防災行政無線に役目をバトンタッチして、泰然としている様子にも見えるが、所在なさそうにも見える。どちらかといえば後者かな。



(再)山梨県北杜市長坂町 2023.02.05





戦前の手曳き型消防ポンプ

2024-10-20 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)塩尻市洗馬 48○型ブレース囲い 2024.10.19


 手すり付きの本格的な踊り場が3つも設置されていて、下から2段目と3段目の踊り場には半鐘が吊り下げられている。がっちりした火の見櫓。




この火の見櫓は今までに何回も見ているが、今回注目したのは櫓の下に置かれている「ガソリン消防喞筒機(?)」。喞筒はポンプのことで、しょくとう、またはそくとうと読む。取り付けられているプレートにガソリン消防喞筒機(機とは違うのでは?)とある。手曳き型消防ポンプだ。製作昭和12年4月と刻字されている。

いつ頃からここに置いてあるのか分からないが、雨ざらしにならない場所に保存していただきたいな、と思う。

手回しのサイレンをで囲った。T形のハンドル(?)を倒し、ふたりで曳いたのだろう。関心があるのは火の見櫓で、このようなものにはそれほど関心があるわけではないが、覗いてみた。こんなサイトも見つかった。 →こちら


佐久市御馬寄の火の見櫓

2024-10-14 | A 火の見櫓っておもしろい


1524 佐久市御馬寄(みまよせ) 44〇型トラス脚 2024.10.05

 群馬県高崎市倉賀野にある洋菓子店・ミリオンを出発したのは午後1時45分だった。ここ、佐久市御馬寄に着いたのは午後4時30分。その後、立科町から岡谷市に出て、塩尻峠を越え、自宅に着いたのは午後6時32分。走行距離約151km。

スレンダーで随分背の高い火の見櫓で、遠くから見えていた。少し手前にも1基立っていたが、スルーしていた。この火の見櫓も駐車スペースが見当たらず、辛うじてこの1枚を撮った。この日最後の火の見櫓。

梯子桟のピッチ(間隔)が不明だが、仮に0.4mとすると、火の見櫓の総高はおよそ20mになる。細身だから高く見えるのかもしれない、桟のピッチを.035mとすると総高はおよそ18m。

櫓の上部にバルコニータイプの踊り場・カンガルーポケットが設置されている。このカンガルーポケットの平面形は四角だが、前面が半円に近いものもある。この日見た火の見櫓は9基だったが、どれも個性的。

ヤグ活も15年目(2010年5月に始めた)だが、これまで飽きることなく続けてこられた理由として、姿かたちが多様なこと、それぞれの火の見櫓には建設されてから今に至るまでの歴史・物語があることが挙げられる。後者は短時間ではなかなか知ることができないが、そのような存在であることは常に意識している。

火の見櫓は今や絶滅危惧種。だからこそ、ヤグ活して記録に残すことには意義があると思う。これからも続けていきたい。


 


佐久市塚原の火の見櫓

2024-10-12 | A 火の見櫓っておもしろい


1523 佐久市塚原 44〇型ショート3角脚

 44〇型、柱4本で櫓の平面が4角形、屋根も4角形、見張り台が円形が東信地域では最も多く、66%(218/329)を占める。実に3基に2基はこのタイプ。


屋根:カチッとしていて変形しそうにない軒の4隅にくるりんちょとは言えないような半円形の蕨手がついている。半鐘がある。サイレンやスピーカーが無いのは好ましい。

見張り台:手すりは飾りっけ無し。床は井桁状に構成した下地材に幅の狭い平鋼を1方向に敷き並べている。


簡素な踊り場 必要最低限の設え 開口はロング3角型。


補強部材をショート3角に構成した脚部は短脚。南信地域に多く50%を占めるトラス脚と比べると実にシンプル。この潔さは好ましい。


 


安中市松井田町の火の見櫓

2024-10-12 | A 火の見櫓っておもしろい


1521 群馬県安中市松井田町 44〇型 2024.10.05

 午後1時45分 高崎市倉賀野町の洋菓子店・ミリオンを出発。帰りはカーナビのお嬢さんの案内に素直に従うことにした。彼女が示したのは国道18号で軽井沢町に向かうコース。晴れ男効果がすっかりなくなってしまったらしく、天気はあまりよくない。

松井田で出会った火の見櫓はコンビニの駐車場の隣りの敷地に立っていた。コンビニコーヒーで少し休み、火の見櫓を観察した。残念ながら脚部はフェンスの内側からは見ることがっできなかった(写真①)。フェンスの外側に出るようなことをしてはいけない。4本の柱を横架材で繋いでいるが、見た目にその間隔が少し広めかなと思うが、櫓が細めだから、このくらいがちょうど好いのかもしれない。


出来れば無い方が好いでっぱりがあるが、仕方がない。ミリオンの火の見櫓もそうだったが、この火の見櫓も見張り台と比べて屋根が小さい。でも、①の全形写真を見ると、こういうバランスもあり、だと思う。残念ながら半鐘は無く、替わりにサイレンが設置されている。これはよくあるパターン。


櫓の中程にある踊り場。外付け梯子から櫓内に入るための開口にはUを逆さにしたアーチ形の部材が使われている。なかなか好い形。この開口部も私の注目ポイント。


脚が少ししか見えていないが、③と同様の形の部材が使われたロングアーチ脚ではないかと思う。

この先、碓氷バイパスで濃霧のくねくね道路を走行することになるとは・・・。


 


新たなシンボルとして

2024-10-11 | A 火の見櫓っておもしろい


1520 群馬県高崎市倉賀野町(洋菓子ミリオン) 44〇型交叉ブレース囲い


 何年も前に入手して、我が家にずっと置いてあった消防信号板を5日に高崎市倉賀野町にあるミリオンという洋菓子店に届けてきました。このお店のオーナー・長井さんも火の見櫓が大好きということが縁で知り合いになりました。

消防信号板は見張り台の手すりに設置されました(写真① 長井さん提供)。来店されるお客さまにも火の見櫓に注目していただきたい、との願いから駐車場に向けて設置したとのことです。水平ブレースも設置されていますが(写真②)、これが火の見櫓の底というか、底面という雰囲気を出していて、なかなか好いです。

信号板は黒くてシックな火の見櫓にマッチしています。似合いのカップルというところでしょうか、下道を5時間かけて届けた甲斐がありました。ピカピカの半鐘も好いですね。外灯も設置されていますね。


ハロウィンな店内 2024.09.05

お客さまにも火の見櫓に興味を持っていただけるように、存在感をアピールして欲しいな、と思います。七夕のときはお客様に短冊を飾っていただいたり、クリスマスシーズンにはイルミネーションで飾ったらどうでしょう。お店の新たなシンボルとしても頑張って欲しいと願っています。


 


火の見櫓を転用した東屋が高崎市にもあった

2024-10-11 | A 火の見櫓っておもしろい


群馬県高崎市根小屋町 2024.10.05

 群馬の火の見ヤグラー・長井さんの案内で高崎市根小屋町にある火の見櫓の脚部を転用した東屋を見た。私の分類だとロングアーチの脚部が東屋に上手く利用されている。鉄骨で屋根の骨組みをつくり、方形(ほうぎょう)の屋根を載せている。屋根は鋼板の瓦棒葺き。ここはミニ公園で滑り台や鉄棒があるが、あまり利用されているようには見えなかった。どんな姿かたちの火の見櫓だったんだろう・・・。


長野県東筑摩郡山形村 2012.08.05

これとよく似た東屋が長野県の山形村にもある。トラス脚を上手く活かしてつくられた東屋 屋根下地は木造で鋼板の平葺きかな。

遠く離れた地でよく似た東屋がつくられたことは興味深い。


 


高崎市請地町の火の見櫓

2024-10-09 | A 火の見櫓っておもしろい


1519 高崎市請地町 44〇型ロングアーチ脚 2024.10.05

 背の高い火の見櫓が高崎市立北小学校の北隣りの敷地に立っている。群馬のヤグラー・長井さんに案内していただいた。梯子桟の数を写真とSVの画象で数え、桟の間隔を測らなかったので仮に40cmと仮定すると、見張り台の床面の高さは約15.6m。床から屋根の頂部までを2.5mと仮定すると、この火の見櫓の高さはおよそ18mとなる。この火の見櫓はかなり背の高い部類に入るだろう。


梯子の掛け方がよく分かる。


屋根の鋼板がかなり錆びていて、変形している。床面の開口の上に手すりを設置してある。


火の見櫓が高い割には脚が短い。


銘板に昭和25年9月とある。


これは地面の蓋。カテゴリーが違うが、ま、いっか。