575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ガラス郷愁    鳥野

2007年06月22日 | Weblog
蒸し暑い季節、せめても食卓に涼風をと、ガラスの器の出番が多くなりました。
見た目も、触れ合う音も爽やか。料理の出来も一味上がろうというものです。

人類は、この透明感にいつ出会ったのでしょうか。石器や土器の時代に、それは貴重な発見だったにちがいありません。

紀元前5000年のエジプトではすでに製造され、サザン朝ペルシャではカットグラスも作られたいうからすごい。
日本でも正倉院の御物にペルシャ系瑠璃碗が大切に伝えられています。

当方もガラス好き。貧乏旅行の途中で、小遣いをはたいて手にいれた薩摩切子や、小樽北一のワイングラスを愛用しています。
面白いのは、地方の駅の売店に、ひっそりと並べられているワンカップ。花や鳥、風景など、その土地のシンボルが稚拙なタッチで描かれていて、飲んだあとは、いいお土産といいうわけです。
時々、冷酒を注ぐのも楽しみです。

歳時記には、ガラスはギヤマンとして載り、傍題に切子、ビードロ、カットグラスも出ていますが、例句は一句だけ。(角川大歳時記)
あまり人気はないようです。

  唇に吸ひよせられし切り子猪口  菱田ます子

  角氷のカットグラスに触れる音ようやく澄みて秋来るらしも  鳥野
   (暑さに閉口、秋が待たれます)
コメント (2)
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