一年中食べているお鮨。なぜか、夏の季語。
歳時記を開くと。もともとの字は、鮓。
魚を塩漬けにしたり、粕漬けにすること、とあります。
夏の魚の保存法だったそうで、したがって夏の季語。
鮒鮓や彦根の城に雲かかる 蕪村
この風景も夏なんですね。
いまでも琵琶湖周辺では、鮒鮨をつくっています。
この鮒鮨は、なれずし。
塩漬けにした鮒にご飯をつめたもの。
夏の暑さで、ご飯が発酵、ほどよい酸味が加わって、
美味しくなるというもの。
食べる時は、ご飯は捨てて、鮒だけを味わいます。
日本のチーズのような味です。
私は、ちょっとパスです。
「お鮨街道」を取材したことがあります。
江戸時代、尾張藩は、長良川の鵜飼で獲れた鮎を将軍家に献上。
鮎を運んだ、岐阜から熱田までが「お鮨街道」。
この鮎も、なれずし。
桶に入れて、江戸まで5日で送られたそうです。
輸送は人の足が頼り。お鮨街道の輸送には、庶民があたりました。
酷暑の中、どんな思いで、桶をかついで走ったのでしょうか。
鮎鮨や金華山より雨が来る 遅足
(写真は彦根のお城です)