575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

6月句会の結果です。  

2007年06月21日 | Weblog

今回はひさしぶりに童子さんが参加。
麗子さんも忙しい中を参加して下さいました。
賑やかな会でした。

写真は愚足さんが取材に訪れた大垣の湧水です。
ありがとうございます。

題詠「泉」

①蹄跡かすかに匂ふ泉かな(亜子)能・立・晴・静
②遠き日の大蛇棲むてふ泉かな(立雄)能・龍
③若者よ泉の水は毒味せい(朱露)愚・静・郁
④軟らかき弾力のある泉かな(麗子)晴
⑤竹の樋遠き泉を運びをり(龍次)遅・立・亜・童・麗
⑥手を逃れ西瓜沈みぬ泉かな(能登)龍・愚・童・晴・麗
⑦わけ入れば神秘の泉迷宮(ラビリンス)(郁子)
⑧泉汲む人と九条語りけり(愚足)遅・朱・龍・童
⑨おおっと声泉にひたす数多の手(晴代)能・亜
⑩熱泉に卵をゆでる旅衣(静荷)
⑪見開いて一重瞼の泉かな(遅足)朱・郁・麗
⑫弘法の泉や小さき砂踊る(童子)遅・朱・立・愚・亜・静・郁

   

自由題

①病む友の散っては開くさつきかな(立雄)麗
②夏は曙ボンズ松阪海苔茶漬(朱露)能
③目覚ましの鳴り止まぬ朝梅雨に入る(静荷)遅・朱・立・龍・愚・亜・童・晴・郁
④日常をやり過ごす術梅雨に入る(麗子)朱
⑤托鉢僧笑みのこぼるる梅雨晴れ間(龍次)能・静
⑥灯取り虫咳止まぬまま夜の白む(能登)遅・立・愚・童・郁
⑦籐椅子に一息つきて番茶干す(愚足)亜・晴・静
⑧路地に沿い傘一列の梅雨晴間(晴代)能・龍・亜・童
⑨従順な風につかまる捕虫網(遅足)朱・麗
⑩キャンプ行く子のこころ知らずせかしおり(郁子)
⑪巌上の猿の遁走青嵐(亜子)遅・朱・立・愚・静・郁・麗
⑫雨あがりはだか電球金魚すくい(童子)

   

次回は7月18日(水)午後6時 安田屋です。
題詠は「冷奴」です。


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泉の句会   麗

2007年06月21日 | Weblog
3ヶ月ぶりに句会に出席。やはり句会でのおしゃべりは楽しいですね。
童子さんの

「弘法の泉や小さき砂踊る」や

能登さんの
「手を逃れ西瓜沈みぬ泉かな」など
泉が身近にあった生活をした方の句には
写実性に優れ一瞬を切り取る力があると思いました。

私の「軟らかき弾力のある泉かな」はある方のエッセイからできました。

NTTの時報案内やドコモの留守番電話電話メッセージなどの声の
中村啓子さんというナレーターの方の声を
エッセイストの三宮麻由子さんが評した
「中村さんの声は単に高く澄んでいるだけにとどまらず
こんこんと湧き出す泉の水面に手を入れたような弾力と
爽快な透明感があると思う。
機械的なメッセージの向こうに何か言葉を超えた
呼びかけがあるような気がするのだ。」
というくだりからヒントを得たもの。

三宮さんは4歳で視力を失ったそうですが
駅のエスカレーターや電話をかけた時の留守番電話で中村さんの声に出会うと
「あっ、ここにもいらっしゃった」と
中村さんが三宮さんの生活を励ましてくれているという感じるそうです。

声を職業にする私にとって魂を揺さぶられた一文でした。
久しぶりに時報案内を聞いてみました。淡々と感情をいれてはいけない時報告知ですが泉のように沸いてくる中村さんの声。確かにそこには愛が感じられます。
これこそまさに「声のオーラの泉」ですね。

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