575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ネズミモチ と トウネズミモチ        草女

2007年07月10日 | Weblog
 七月の初め所用があって千種区の団地へ行った。ここは30~40年前は猪高丘陵の森だったところ。団地の中を観察すると当時からの樹木と思われるものも残っている。
 しかし、生垣の多くはトウネズミモチで丁度花の盛りを迎えつつあった。
 一ヶ月ほど前に来た時に芳香を放っていたのはネズミモチであった。

 どちらも、モクセイ科イボタノキ属の落葉小高木。とてもよく似ている。
 トウネズミモチは、中国原産で明治時代に渡来し、今では大気汚染に強いため都市公園・工場の緑化樹、道路の中央分離帯などに植えられることが多い。
 白い小さな花の形もそれを円錐状につけた花序もよく似ている。しかし ネズミモチの花は白い感じがし、トウネズミモチは淡黄色に感じる。これは。トウネズミモチの雄しべや雌しべが花から突き出しているからだ。また花序全体も、葉も、樹形もトウネズミモチが大型。
 ネズミモチの名前の由来は、果実がネズミの糞に似て、葉がモチノキに似ているからであるが、紫黒色に熟した果実を一見すれば納得するはずである。
 トウネズミモチの実はさらにたわわに稔り、黒色で白し粉をかぶるが、どちらも10~12月に熟す。
 では、花も実も無い時はどう見分けるか?それには葉を陽にかざして透けて見えないのがネズミモチ、見えるものがトウネズミモチ。

 植物を余りにも細かく分け、違いを分類すると、知識に記憶が追いつかず、忘れた悔しさに「ネズミモチはネズミモチ!!」という事になる。
 しかし、それでも「これ ちょっと違うな」と思うととても気になる。
 ちょつと気になる人の参考になればと調べる日々である・

  ねずみもち咲き終日の片曇         福永耕二
  くれがたの雨こまやかなりねずみもち    三宅応人
 
 
 
コメント (1)
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