台風もほぼ通過しました。
我家の庭の胡瓜も辛うじて立っています。
胡瓜はインド原産、西アジアでは3000年も前から栽培されていたそうです。
胡瓜の「胡」は西方ですから、文字通り、西から来た瓜です。
すっかりお馴染みの胡瓜ですが、
日本で広く食べられるようになったのは、戦後。
食生活が洋風化して毎日の食卓に欠かせない食材に。
明治の俳人はこんな句をつくっています。
胡瓜生節(なまぶし)善き酒ありて俗ならず 正岡子規
斗酒ありや日暮れて胡瓜刻む音 尾崎紅葉
胡瓜は酒の肴だったようですね。
栄養はほとんどなく、水分が96%。香りと歯ざわりが本領。
人間吏となるも風流胡瓜の曲るも亦 高浜虚子
今は曲った胡瓜などスーパーに並んでいません。
これを見たら、虚子は、どんな句を作るのでしょうね?
胡瓜の花も夏の季語
生き得たる四十九年や胡瓜咲く 日野草城
結核で病床にいた草城です。人生50年と言われた時代。
胡瓜揉みも季語にあります。
鼻歌のきのふと同じ胡瓜もみ 黛まどか
今日は
から
そして
私の好きな句
たしかなにか忘れてゐたるに胡瓜咲く 上田五千石