四ツ谷龍さんは昭和33年生まれ。
俳句をひろく外国に紹介しているそうです。
この句、ある外国の詩人から、姫女苑は火傷の薬ですか?
と聞かれたそうです。
いや、そうではなく取り合わせの句ですと答えたとのこと。
西洋の人は詩も論理的に読もうとする。
因果関係を読み取ろうとするから、薬ですか?
という質問になる。
私も最初に取り合わせの句を
因果関係で読み解こうとして頭が混乱しました。
では、取り合わせとはどういうものなのか?
四ツ谷さんは、取り合わせには、余白が欠かせないと言います。
鮎落ちてくるぶしは風過ぎにけり 田中裕明
この句は、
くるぶしを風が吹きぬけるという体感、と
鮎落ちる、という季語が
取り合わせてある。
ふたつを結びつける因果関係は当然ない。
では、なにで繋がっているのか?
余白がふたつをつないでいる。
余白とは虚無でなく、生きている空気のようなもの。
くるぶしを風が吹きぬけるという体感が
作者の意識を下のほうに向かわせる。
この「下へ」という意識が、
落ちる鮎というイメージを結びつける。
と書いています。
なるほど・・・・ 遅足