575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

荻原教室報告⑫   鳥野

2010年08月24日 | Weblog
酷暑の夏、荻原カルチャーの受講生はみんな張り切りやさん。ほとんどの会はオールメンバーが揃います。
まして先生は元気。教室のほか、二葉館での「中の会の時代を語る」のパネラー、名古屋能楽堂での「NHK・名古屋短歌大会」の選者と講師その他、暑さの中を重ねてのご苦労さまです。
教室で提示された先生の作品。

  「池」

 ・ 母語の池にみづくさふえてゆく春の午後の濁りのなかの国会

  「覚」」

 ・ まだ覚めてないのだろうか夢で見てゐた沈丁花が鼻腔にのこる

  「名」

 ・ どこか奥の方からだれかわたくし名を呼んでゐるように新緑

  「別」

 ・ わたしとは別の誰かがわたくしのなかで虹とか犬をみてゐる

  「園」

 ・ 菜園にゆうかげゆれてさびしさもトマトの赤もただしく実る

  「星」

 ・ 見るたびに位置すこしづつずれながら海星のように午睡の妻は

  「一」

 ・ 八だったゆうぐれが二のよるを経てやがて一へとあけてゆく夏
 
   

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする