8月11日の夜、美輝の里(下呂市馬瀬西村)の露天風呂で、スィーーーッチョン、
スィーーーチョンという鳴き声を聞いた。生まれて初めての鳴き声が嬉しくて限界
まで露天風呂に入っていた。
帰って昆虫図鑑でスィッーチョンをひいてみたが、どの図鑑にもない。私が持っ
ている昆虫図鑑なんてたいしたものではないが、これは変だ。で、ネットで調べる。
ネットにはたくさんの昆虫図鑑があったが、科がわからないので辿り着くことができ
ない。そこで考え付いたのが、虫の声で検索することだ。
スィッーチョンは虫の鳴き声であって、虫の名前ではなかった。キリギリス科の
ハヤシノウマオイがスィッーーーチョンと長くのばして鳴くとのこと。下草多い林に
棲み8~10月が鳴く時期であり、私が聞いたのと一致する。ついでに分かったこと
は、ハタケノウマオイという良く似た虫がいて、これは、ショチョン、ショチョ
ン・・・と短く鳴くそうだ。畑の隅や川沿いの草はらに見られるという。文部省唱歌 「虫
の声」の一節 「あとから うまおいおいついて チョンチョンチョンチョン スィーチ
ョン」はハタケノウマオイとハヤシノウマオイをミックスしたものだった。この
歌詞を早くに思いだしていれば スィッーチョンがウマオイであることに気付いたこ
とであろうが、思い出すことが難しかった。
旧馬瀬村の美輝の里は溢れて滴っている緑以外何もない。スィッーチョンを楽し
んだ露天風呂も檜林の中にある。行ったときは台風4号が日本海を北上しつつあった
ので、空は怪しい雲で覆われ、星に会えなかったが今度行く時は星空の露天風呂を楽し
みたい。