575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

TBSの終戦特番「帰国」    遅足

2010年08月18日 | Weblog
NHKが8月の戦争特番をずらっと並べたなか、
民放は、ちょっとサミシイ感じでしたが、
「帰国」は、一味変わったドラマでした。

   

8月15日の午前1時すぎ、南の海に眠る英霊が
軍事列車に乗って東京に帰ってくる。
夜明けまでの間、英霊たちは、自由行動を許される。
彼らは、行ってみたい場所、逢ってみたい人を訪ねるというドラマ。

英霊・ビートたけしは、妹の眠る病院に。
白髪の老婆となって延命治療を施されていた妹・・・
政府の重要な地位にいる甥は、ほとんど会いにこない。
死亡した後の仕打ちに逆上した英霊は甥を殺してしまう。

小学校の音楽教師になった恋人は、
「いまの子どもは歌を歌わなくなった」と嘆く。

英霊たちが見た日本は予想外のものだった。

殺された甥(石坂浩二)の魂は、英霊の叔父に
「我々はどこで間違ったのか?」と聞く・・・

豊かになったが幸せでない現代。
部隊長は「我々の頃は貧しかったが幸せだった」と。

夜明けが来て英霊たちは南の海に帰る・・・

   

スッキリしない後味の悪さが残るドラマだった。

この後味の悪さを観た人が、それぞれに抱えてほしい。
それが製作意図かも知れない。

英霊たちは、何故、幸せになるために戦争を肯定したのか?
戦後の日本人は、ホンキで戦争に向き合ってきたのか?
そんなことを考えさせるドラマでした。


コメント (1)
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