575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

俳句と川柳     遅足

2015年10月09日 | Weblog
俳句と川柳の境界は、はっきりとしていません。
最近は、とくに、川柳のなかにも俳句じゃない?と思うものがあります。
坪内捻転さんが、『ねんてん(坪内捻典)の今日の一句』に、
この違いについてを書いた記事がありました。

        

このところ、俳句と川柳の違いのようなことを考えてきた。

  鶏頭のとなりに石を置きにけり     小西昭夫
  
この句はまさに俳句である。ここには意味がない。
イメージというか、一つの光景が投げ出されているだけだ。
そして、そのイメージから何を感じ何を読みとるかは読者の勝手。
俳句とは以上のような表現を特色とする。

  言うならば筋金入りの猫じゃらし

  落鮎に落ちゆく力ありにけり

こちらは、いずれも昭夫さんの句だが、これらは川柳寄り。
「筋金入り」とか「落ちゆく力」という意味を際立たせた作品だから。

         

川柳寄りの句もりっぱな俳句です。私は、こちらのほうが好きです。
俳句に意味を求めているからでしょうか。

         

応答の一日一句

  教室は老人ばかり秋時雨     孝

  北斎の富士に見とれて秋時雨   亜子
コメント
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