岩波新書の『生きて帰ってきた男ーある日本兵の戦争と戦後ー』を読みました。
この日本兵は、著者・小熊英二さんの父、謙二さん。
謙二さんは、大正14年生まれ。
東京で小さな商店を営む祖父の手で育てられます。
中学を卒業して就職。19歳の時に召集。満州へ送られて敗戦。
内地へ帰れると思った列車はシベリアへ。3年の抑留生活。
帰国してからも職を流転の人生、25歳の時に結核に。
療養所を退所した時は30歳。戦争と結核の20代でした。
この後も職を転々と変わります。そしてスポーツ用品店に就職。
折からの高度経済成長にのって、やがて自分の店を持ちました。
引退後は、アムネステイ・インターナショナルの会員。
「不戦兵士の会」への参加。戦後補償訴訟などの活動。
また、地域の自然保護活動などにも関わっていらした方です。
20世紀の日本の生き証人。著者は、最期に、こう問いかけます。
「未来がまったく見えない時に何が一番大切?」
しばらく考えたあとの答え。
「希望だ。それがあれば人間は生きてゆける」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_fine.gif)
シベリア送りになるとは思わず、列車に揺られて行った兵士たち。
人間は、最悪の状況でも希望的観測を持つものでしょうか。
人はなぜ希望を持てるのか?考えてしまいました。
私たちが娯楽として楽しんでいるドラマ、映画、小説など・・・
様々なバリエーションがありますが、結末はハッピーエンドです。
物語の底を流れているのは、同じメッセージです。
希望を持て。明日は良いことがある、と。
子供の頃から、無意識のうちに刷り込まれているもの。
これが危機的な状況の中で蘇ってくるのでしょうか?
人間がこころというものに目覚めたのは数千年前。
心を持つことの副作用も生じました。時には殺人といった暴走も。
その処方箋として登場したのが宗教。
釈迦や孔子は心をコントロールする術を説きました。
宗教が力を失った現代、代わりをつとめているのが
映画やテレビなどのエンターティメントではないでしょうか。
応答の一日一句
銃口は国境に向く無月かな 孝
子を想ふ二十四年の無月かな 亜子
この日本兵は、著者・小熊英二さんの父、謙二さん。
謙二さんは、大正14年生まれ。
東京で小さな商店を営む祖父の手で育てられます。
中学を卒業して就職。19歳の時に召集。満州へ送られて敗戦。
内地へ帰れると思った列車はシベリアへ。3年の抑留生活。
帰国してからも職を流転の人生、25歳の時に結核に。
療養所を退所した時は30歳。戦争と結核の20代でした。
この後も職を転々と変わります。そしてスポーツ用品店に就職。
折からの高度経済成長にのって、やがて自分の店を持ちました。
引退後は、アムネステイ・インターナショナルの会員。
「不戦兵士の会」への参加。戦後補償訴訟などの活動。
また、地域の自然保護活動などにも関わっていらした方です。
20世紀の日本の生き証人。著者は、最期に、こう問いかけます。
「未来がまったく見えない時に何が一番大切?」
しばらく考えたあとの答え。
「希望だ。それがあれば人間は生きてゆける」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_fine.gif)
シベリア送りになるとは思わず、列車に揺られて行った兵士たち。
人間は、最悪の状況でも希望的観測を持つものでしょうか。
人はなぜ希望を持てるのか?考えてしまいました。
私たちが娯楽として楽しんでいるドラマ、映画、小説など・・・
様々なバリエーションがありますが、結末はハッピーエンドです。
物語の底を流れているのは、同じメッセージです。
希望を持て。明日は良いことがある、と。
子供の頃から、無意識のうちに刷り込まれているもの。
これが危機的な状況の中で蘇ってくるのでしょうか?
人間がこころというものに目覚めたのは数千年前。
心を持つことの副作用も生じました。時には殺人といった暴走も。
その処方箋として登場したのが宗教。
釈迦や孔子は心をコントロールする術を説きました。
宗教が力を失った現代、代わりをつとめているのが
映画やテレビなどのエンターティメントではないでしょうか。
応答の一日一句
銃口は国境に向く無月かな 孝
子を想ふ二十四年の無月かな 亜子