575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

忘れぬとは忘るることか花すみれ    長谷川浩子

2015年10月10日 | Weblog
長谷川浩子さんの句集「白魚」を読んで出会った句です。
忘却とは忘れ去ることなり、というフレーズがありました。
忘れないと誓っても、時が経てば、忘れてしまうのが人間。
しかし自然は忘れません。すみれは、毎年春になると花を咲かせます。
すみれの花が咲き、忘れていたことを思いだします。
「忘れまいと思っていたのに・・・」
花が終われば、また忘れてしまいます。
作者は、そんな自分を許しているようです。
自然のままで良いんだ、と。
忘れていたことが、すみれの花に象徴されています。

  冬一寸春来て二寸白魚かな

同じ作者の句。1941年、名古屋生まれの方です。(遅足)

         

応答の一日一句
  
  秋燈火救急医療赤ランプ     孝

  京に来てつげ櫛えらぶ秋燈下   亜子

コメント
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