575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

八首連作    

2017年10月01日 | Weblog
昨日、心の花名古屋歌会がありました。
栗子京子さんをお迎えしての会。
30人が詠んだ八首連作が競い合いました。
俳句にはない詠み方です。
そのなかの一つ。佐保子の歌、八首を紹介します。

赤きブラウス

 次々と開く扉に吸ひこまれ異界めきたる手術室に入る

 モノトーンの手術着に同じ髪カバー目のみ覗かす人々あまた

 亡き母が十代の我に縫ひくれし赤きブラウス着て手術受く
 
 「目を開けて光みてゐよ」と命ぜられ影なきひかりに眼(まなこ)全開

 水晶体吸ひだす機械の音なるか耳もとに聞くかすか楽の音
 
 授かりし目玉とりだし入れかへる七十五年使ひし目玉
 
 「はいレンズ」の声ありレンズ入れられつ一度二度三度、目の抵抗す
 
 予定時刻違はず部屋に帰り着き夫三十分の昼寝より起く

            

俳句ではこうは詠めませんね。遅足

コメント (2)
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