575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

雨の立石寺   遅足

2017年10月30日 | Weblog
みちのく2日目は蔵王へ。この日も雨。
ロープウェイを乗り継いで山頂駅へ。
雨と強い風で一歩も外へ出ることもなく下山。
山頂近くのアオモリトドマツが枯れていました。
何年かのちには樹氷が出来るのでしょうか?

下山して芭蕉の句で有名な立石寺へ。

  閑かさや岩にしみいる蝉の声

奥の細道の旅の途中に詠んだ句。一番好きな句です。

その立石寺は断崖ともいうべき山の上。
目の前には急峻な千の石段。さらに強い雨。
拝観料を払って、外国人の観光客とともに挑戦・・・
私は半分くらいの仁王門を見上げたところでギブ・アップ。
これ以上は足が前へ出ません。涙をのんで踵を返しました。
下山して甘酒を一杯。冷えた身体が温まりました。

芭蕉が訪れた時は夕方も近い時間。
深い杉木立。目の前に迫る岩山。蝉の声は深々・・・
最初に詠んだ句は

  山寺や石にしみつく蝉の聲

その後、

  さびしさや岩にしみ込む蝉の声

そして数年の推敲の後に、

  閑さや岩にしみいる蝉の声

秋雨のなかで詠んだ凡人遅足の句がこれです。

  山寺や巌をあらう秋の雨

  山寺や巌を穿つ雨の秋

推敲すれば少しはマシな句になるでしょうか?
写真は、JRの山寺駅から見た立石寺です。

 

コメント (1)
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