575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

白萩を揺らして時は通り過ぐ  能登

2017年10月09日 | Weblog
萩は古代から詩歌の詠まれてきた秋の花。
清楚な感じと散りやすいはかなさが女性を思わせます。
普通なら「時」は「風」になります。
しかし「時」としたことで句の世界は大きく、かつ深くなりました。
仏陀の説いた無常の世界に通じるものも。

「時」では「もの」が見えないと批判する考えもあります。
この二つを満足させる言葉があれば、もっと良い句になる可能性があります。

先日読んだ「死後の世界」という本に「輪廻の図」というものが。
インドでは古くから、人間は死なず、修羅道や餓鬼道など
6つの世界を輪廻するという考えが信じられてきました。
この輪廻の図には、輪を咥えている鬼のようなものが描かれています。
これは「無常大鬼」=死神だそうです。時間は死神に咥えられている。
死神とは時間のことだとか。
これを当てはめれば白萩を揺らしたのは死神です。

そう読むとコワイ句になりませんか?   遅足

コメント
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