575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

一輪の黄菊へこぼす一語かな   遅足

2017年10月25日 | Weblog
この句を栴檀の句会に出してみました。
先生が選んでくださいました。

この菊は、どんな一輪なのか?
野に咲いているのか?亡き人に捧げられてものか?
作者はその花をみて思わず一言をこぼしました。
どんな気持ちだったのか?
具体的な状況は読む人に委ねられています。
そこが上手いという評でした。

  箔を押す指の先より秋の声

一方、この句は上五中七までは良いが季語はダメ。
多分、秋の声の本意にそぐわないという評だと思いました。

秋の声は、中国の古典の引用で、木の葉や秋草をそよがせ、
巌頭を吹き過ぎる風が立てる音。
俳句では、風の音はもとより、秋の雰囲気を醸し出す
あらゆる物音を含む、広い意味合いで使われてきたようです。
秋を感じさせる心に響く音。
指の先より、を変えるか、秋の声を変えるか、ということ。

  箔を押す指の先より秋の音

としておきます。

コメント
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