広島原爆の日である今日、
とりあげる句としては、やるせない気持ちになるかもしれません。
先日ようやく「黒い雨訴訟」が結審し、戦後76年も経とうというのに
まだ終わりを迎えていない原告団の方々がいらっしゃったことに私はショックを受けました。
7月句会の自由題に提出され、多くの選を受けたこの句は原爆の句ではありません。
作者をご存じの方はお分かりだと思いますが、
「生きる」というのはこういうことなのだと知らされる一句です。
皆さまからのコメントをご紹介します。
殿さま: 夫婦の生き様を淡々と詠んだ感動の句。鬼気迫るため他句が霞んでしまった印象。
麗子さん: ちょっと悲しい句ですが、梅雨末期というどうしようもない重苦しさに立ち向かう人生の覚悟のようなものを感じました。
千香子さん: とてもさみしい句ですが、同じ境遇にあり、共感が持てました。
亜子さん: 身につまされる一句。梅雨末期という言葉が重いが、梅雨が明ければ青空や白い雲が見られると思うと希望も感じられる。
紅さん: 人生の重みを感じました
能登さん: 頑張ってください
この句に、作者の思い、感情を表す言葉はひとつもありません。
夫と生きをりとあるだけです。
「羸痩(るいそう)=疲れて痩せる」
難しい単語ですが、梅雨末期という季語と響き合い
夫婦の日常と覚悟を想像させる深みのある句だと思いました。
今を「生きをる」自分の役割を、今日は考えさせられる一日となりそうです。郁子