「髪洗う」の季語を用いた俳句を作るのは女性の方が多い気がします。ちょっとむしゃくしゃした時もシャワーを浴びて髪を乾かせば、あら不思議。なんとなく気分も変わっています。
作者の亜子さんはいつも美しく髪を整えておられます。お風呂は夜ではなく昼間と伺ったこともあります。
さて、「たまゆら」とは「ほんの少しの間」。亜子さんは短歌で使われることの多いこの言葉を、いつか俳句に使ってみたいと胸に抱いていたそうです。
その亜子さんが思わぬことで背中を痛め、家で髪を洗うことも辛かった時に作られた俳句です。この先、もしかしたら自分で髪を洗えない日が来るかもしれないと思ったそうです。
私はこの俳句から「たまゆらの命」にこの世のはかなさを感じ、つかの間の命を惜しんで今日も髪を洗い身支度を整える作者の心意気に魅かれました。
皆様からのコメントです。
等さん:具体的に目に見えるものは“髪洗ふ”だけです。ですがこれを上手に使い、夏の有り様を良く表現しています。
郁子さん:たまゆらの命といいつつ、毎日を丁寧に綺麗にいきる女性の覚悟のようなものを感じます。
竹葉さん:「髪洗う」の季語がいいのか、とにかく引かれる句です。
コロナに長雨と心がふさぎますが、今日も髪を洗ってさっぱりしましょう。その日のよどみはその日のうちに洗い流してしまいましょうね。麗子