見事トップ賞に輝いた遅足さんの句。情景も目に浮かび、中七の「ふいに鳴り出す」にどこか物語性も感じられます。大きな古時計のボーンという重音が聞こえて来るようでした。
私は映画Back to the futureを思い出しました。(過去にタイムトリップしたタイムマシンが、時計台に落ちた雷のエネルギーでこの世に戻って来ます。)映画でなくても、雷の衝撃で時計が動き出すことがありそうです。止まっていたのはどこの大時計でしょうか?
皆様からのコメントです。
竹葉さん:稲妻に気を取られていたら、ボンと低い時計の音で、「なんだ稲妻くらい」と日常に戻った、という、稲妻なんか古い大時計に勝てないぞ、という句でしょうか。。なんか惹かれます。
等さん:大時計が急に鳴り出し、それ以後皆を不安に駆り立てている句を選びました。
能登さん:絶妙のタイミングで鳴り出すものってありますよね。あるある感です。
郁子さん:あの時計、確か止まっていたはず。。ミステリーの幕開け?想像が広がる。
千香子さん:稲妻にはっとした途端、大時計が鳴り出したそのタイミングが面白いと思いました。 実は時計はいつもなっていたけど、気が付いていなかっただけかもしれないなどと想像しました。
晴代さん:大時計が稲妻とコラボしたのか、しんとした広間に鳴り光る。
★★★
懸命にリハビリを続けておられる遅足さん。
自由題では「彼の世への途を照らせり稲光」という句を作られました。遅足さんの世界観は壮大かつ繊細です。
今、次回の兼題を考えていただいています。乞うご期待!麗子