燕句会いかがでしたか?
句会のお蔭で空に燕の姿を探す日々でした。しゅっと飛ぶ燕。二股に分かれた長い尾で巧みな飛行を見せます。背は藍黒色でお腹は白く、喉と額が赤いのが特徴です。泥や枯草を唾液で固めて軒先などに巣を作り、巣の中には黄色い口を力いっぱいひし形に開けるかわいい4,5羽の雛たち。子育てのために親燕が一日に何百回も餌を運びます。燕は前年と同じ場所に巣を作ることが多いようです。今回の句会では、そんな燕の様子をさまざまな角度から切り取ったように思いました。
そんな中で見事トップを射止めたのは亜子さんのこの句でした。
木造の長い廊下に燕が飛び交い、巣を作る様子がはっきりと目に浮かびました。廃校ということで燕にとっては邪魔されることなく巣作りができますが、子供が減って廃校というのはちょっと悲しいですね。子供がいなくなって燕も淋しく思っていることでしょう。
コメントです。
能登さん:映画の1シーンのようです。映像のくっきりした佳句。
晴代さん:子供が去り今燕の雛が賑やかな廃校です。
容子さん:「廃校」と「長き廊下」の組み合わせがビジュアルとして浮かびました。
泉さん: 最近、燕も巣作りしやすい場所が減った。古びた校舎は落ち着いて巣作りができる。
童子さん:長い廊下を走り飛ぶ燕の姿が鮮やかに見えます。もはや誰も訪れることのない廃校にもやってくる燕。子供たちで賑やかだった頃の風景までも呼び起こしてくれる素敵な句です♡
★★★
作者の亜子さん、以前、旅先の長野県でたまたま木造の廃校に遭遇したそうです。校内に入ることが出来たそうで、実際には燕はいなかったそうですが、子供がいないと廊下はさらに長く感じられたそうです。そんな景を詠まれました。
ちなみに燕は「人が住む環境に営巣する」という習性から人の出入りが多い家に巣を作ると言われ、商家では商売繁盛の印、縁起のいい鳥になっているようです。もしかしたら廃校の燕たちも子供がいなくなったので新しいにぎわいの場所に巣を移しているかも知れませんね。麗子