575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

お水取り青衣の女人のまぼろしや  佐保子

2021年04月02日 | Weblog

青衣の女人 

 発音すると「しょうえ の にょにん」となります。

 

作者の佐保子さんの誕生日は、なんと「お水取り」の3月12日で

お父さまが奈良の佐保山に宿る(春の神様)にちなんだ名前をつけてくださったそうです。

今回の兼題選びも、こんなご縁があったからなのですね

 

 選句された竹葉さんのコメントです。

【「青衣の女人」のことを知り、女人禁制の時代に立派な女人がいたものと感心しました。ずーと、まぼろしでも過去帳に入れるなんて粋な二月堂ですが、これを詠まれたのはもっと凄いと思いました 】

 

20年ほど前、佐保子さんは、本などで調べた「お水取り」を一度観てみたいと、ひとりで宿をとって見にいらっしゃったそうです。

火の粉を浴びるほどお近くでご覧になれたのでしょうか。青衣の女人が幻想的で印象にのこり句にされたと伺いました。

 

青衣の女人とはいったい・・?

私も気になり、調べてみました。

 ≪鎌倉時代の修二会で、集慶(じゅうけい)という僧が過去帳を読み上げていると、青い衣を来た女性が現れます。

もちろんこの世の人のようではなく、誰ともわからない。

この女性が、「何故私を読み落としたのか」とうらめしそうに僧に問うたと言います。

僧は咄嗟に「青衣の女人!」と低い声で言うと

その青い衣の女性は、すーっと消えて行ったということです・・ ≫

 

不思議な出来事ですね。

そういえば同じく鎌倉時代、「吾妻鏡」に

のちに暗殺される源実朝が、青い女の人を見たというお話がでてきます。

不安な世相を反映したか、宗教や陰陽師の祈祷に頼ったころですね。今にも通じるかもしれません。

何百年もたつのに、今も低い声でゆっくりと「青衣の女人~」と読み上げ続けるという二月堂のお水取り。

少し背筋がゾクゾクしましたが(笑)いろいろなことを知り、とても楽しかったです。

お水取りの日から急速に暖かくなり、今や春爛漫。マスクをとって深呼吸したいものです。郁子

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