この桜は観光地の銘木かそれとも思い出の光景でしょうか。カメラマンでもある作者ですからファインダー越しであったかもしれませんね。
一瞬とも永遠とも思える息をのむほどの花吹雪が目の前にあったのだと思います。
竹葉さん: 「時止まり」とは体も心も動かなくなるということで、また「持っていかれる」とは心が奪われるということですよね。花吹雪の動きのある情景に惹き付けられる強さを上手く詠んでいると思います。
泉さん: 桜も終わりに近づき花吹雪、時間もいっしょに持っていかれそう。
遅足さん、佐保子さんもとられました。
もう一句、桜の句で高得点だったのが
花見ずともよいと答える母がおり 容子
(母の病院付き添いの帰りに「桜満開だから鶴舞公園寄ろうか」と誘ったところ、体調が悪かったようで、「いい」と拒絶され哀しかったことを
そのまま句にしました:容子)
実は私もこの春、まったく同じ体験をしました。作者の気持ちがストレートに伝わりました。
能登さん: こう言われたらどうしよう・・・つらいですね。
亜子さん: 異色の桜の句。桜をめでるのではなく、もう桜を見なくてもいいと言われる母上の言葉にはどんな経過があるのか。もういっぱい見たからか、あるいはそれ以外の何かか?花の句でこのような句を詠まれたことに心魅かれる。
竹葉さん:「お母さん、桜満開よ!見に行こうか?」に対して答えるお母様の心情を計ってる娘、もう十分見てきたからか、いい思い出があるからなのか、体がきついから見たいけど遠慮しとくのかすねてるのか。。。花見に対して後ろ向きの句は少ないと思いますが、私もそのうち言いそうで面白いと思いました。あの年夫と私はこれでもかという程沢山の桜を見に行きそれが彼の最後の桜でした。だからあまり見ない方が次の年があるのかも知れません。
竹葉さんの読みも素敵です。いろんな思いを想起させる桜はやはり特別なものなのでしょうね。
遅咲きだった今年の桜も蕊降る頃となり、青々とした若葉が光り出しました。 郁子
容子さんも郁子さんもお母さまのことを気にしながらの桜の季節。せつない気持ちも痛い程わかります。