575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

湯豆腐のもう食べ頃と身を揺らす  能登

2022年12月01日 | Weblog

師走に入り一気に寒くなりました。いよいよ湯豆腐の出番ですね。

能登さんのこの句は、擬人化の一句。湯豆腐が煮えて「今が食べごろよ」と体を小刻みに揺らします。なんだか豆腐がいとおしく思えるユニークな句ですね。

郁子さん:擬人化がいいですね。

泉さん:ぐつぐつと煮えてくる湯豆腐に合わせて身も動く。

遅足さんも採っておられます。私もいただきました。同じ様子を詠まれた

亜子さんの

     ひと揺らぎして湯豆腐の掬はるる

と迷いました。

亜子さんの句のポイントは「ひと揺らぎ」という繊細な動きに目をつけられたところだと思います。煮え過ぎるとおいしくないですもんね。

能登さん:拙句と同じことを詠んでいますが、こちらの方が俳句として上等。

郁子さん:豆腐が鍋から掬われるとき、確かに揺れますね。そこに目をつける作者の鋭さ、それこそ美味しい揺らぎです。

遅足さん、佐保子さんも採られています。

どちらも微妙な湯豆腐の動きを捉えた秀句だと思いました。どちらが上等ということではなく好き好きだと感じました。いずれにしても、鍋にかけてほったらかしではいけませんね。

今度湯豆腐を作る時は、この二つの句を思い出して、鍋の中をじっくり観察して食べ頃を見落とさないようにします。湯豆腐、なかなか奥深いです。       

                            麗子

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2 コメント

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Unknown (郁子)
2022-12-01 09:43:42
寸暇を惜しんで何かをしたり、情報を得たり‥それが上手い時間の使い方といつから思ってしまったのでしょう。
鍋の中で身を揺らし、食べ頃を教えてくれる豆腐をただ見つめる時間はとても贅沢な時間です。
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Unknown (佐保子)
2022-12-02 09:13:15
京都のお店で湯豆腐を食べると、いろいろ用意してくれて、係の和服に人が、「ぐらぐら煮てはいけない、ゆらりとしたら、食べごろです。」と言われ我が家でも豆腐は煮立たせないように気を付けています。二人とも、それが頭にあって、この句をいただいたんだと思います。遅足は、毎日お豆腐を食べています。
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