575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

11月句会の投句がそろいました。   遅足

2008年11月17日 | Weblog
題詠「時雨」

1 目の前を時雨が走る奥琵琶湖
2 しぐれきて地図かざしつつ鳴海宿
3 飛騨路へのトンネル抜けて夕時雨
4 時雨るるやドテ燗酒の広小路
5 老い集う会議の果ての時雨傘
6 繁華街時雨れて音のなき世界
7 仁王門朱色のしずく時雨来る
8 剣岳時雨降る村見下ろして
9 青鷺の孤高や水面時雨くる  
10 そぼ濡れて火照り冷まさん夕時雨
11 時雨路どろんこ跳ねて叱られて  
12 抱擁を解かぬ路上の初しぐれ  
13 人の声ひとにわかれて片時雨  
 

自由題

1 雪女雪をしゃぶって溶けにけり
2 避けられし護憲ビラ持つ指の冷え
3 ポプラ路駆け抜けていく小春かな
4 百舌ほどに啼けば変わるかしらけ鳥
5 十一月さざなみの立つ膝頭  
6 参道を幼き歩幅七五三
7 雪駄鳴らし落葉伝いの岩湯かな  
8 たこ焼きと煮するめも出る三の酉
9 拉致の子に母の死告げよ冬の雲
10 神無月よろずの神は何論ず  
11 迷路なすコスモス君とわれの距離  
12 鼻の下こする癖ありむかご飯  
13 文化の日水色のポストイット貼る

なおポストイットは付箋のことらしいです。

さて、皆さんの選句の結果はいかに?

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厚生労働省はサラ金?    遅足

2008年11月17日 | Weblog
介護保険料を郵便局に支払い、帰ってきた奥さん。
『延滞金の金利が7.3%だって!』と。

読んでみると、
期限までに支払わないと督促と延滞金が。
延滞金は期限の翌日から納付なでの期間を日数に応じて、
保険料額に年7.3%の割合を乗じた金額です。
と、あります。

これって高すぎない?
普通の金利は5%だと思うけれど・・・

   


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肉類は冬          愚足

2008年11月17日 | Weblog
 投稿に窮して、久しぶりに食べ物で書く事にした。
 苦しい時の食べ物頼みだ。
 魚や野菜。とりわけ果物は四季にバランスよく散らばっている。

 しかし、肉。けものの肉は冬の季語に集中している。
 それもそのはず、鍋が冬物だからだ。

 曰く、猪(牡丹鍋・猪鍋・山鯨) 牛(鋤焼・牛鍋) 馬(桜鍋・けとばし)
    鹿(紅葉鍋) 鯨

 では味わっていただきましょう。

   大根が一番うまし牡丹鍋     右城暮石
   牛鍋や妻子の後のわれ独り    石田波郷
   桜鍋城山歩き疲れたり      皆川盤水
   密猟と訝るひとり紅葉鍋     茨木和生
   鯨汁しばらく勇を養はん     正岡子規
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南国の香りをもてり枇杷の花   遅足

2008年11月16日 | Weblog

畑に玉葱の苗を植えました。
まず50本。
ふと枇杷の木を見ると梢の上のほうで
花が開いていました。
蜂のような虫が2匹ほどせっせと蜜を。

一枝を折り取ってみると
甘い薄荷のような香りが。

枇杷はバラ科、日本にも野生種があるそうです。
秋に花を咲かせる植物は案外多いかな?
菊などもそうですね。

来年の初夏には小さいけれど甘い実が
なってくれるでしょう。
半分以上は鳥のものですが。


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湯豆腐や喧嘩売ったり売られたり   朱露

2008年11月15日 | Weblog


     湯豆腐やいのちのはてのうすあかり、
     という久保田万太郎の句にやられて、
     長年陰々滅々の思いに沈んでいたが、
     いま、この句が浮かんで吹っ切れた。

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トウカエデ(唐楓) 草女

2008年11月14日 | Weblog
 先日東山公園付近を車で走っているとトウカエデ(カエデ科カエデ属)が美しく紅葉していた。「遠くへ行かなくてもここで済む。」 と連れ合いが言う。

 トウカエデは8代将軍吉宗に享保9年(1724)、清国の船が長崎に寄港した
際、献上された。吉宗はその盆栽を、浜離宮の庭園に地植えしたといわれている。
 当時はたいへん珍しい植物だったトウカエデだが、いまでは街路樹として多く植えられている。

 若葉は清々しい夏の緑、秋の紅葉も美しい。その上、樹木の勢いが良く成長が早
い。見方によればかさかさした灰色の樹皮までおもしろい。良いところだらけだから名古屋市が街路樹として多く植栽しているのは当然だろう。

 しかし、問題がある。東山公園や平和公園辺りで、緑、黄、赤と豊かな色彩を見せているのに、我が家付近の歩道や公園では緑のまま、それもくすんだ緑のままである。これは、毎年のことで、紅葉しないで茶色なり葉を落してしまうことも多い。多分トウカエデは気温に敏感だからだと思い込んでいたが。                                   瀬戸市の山手に住んでいる人に「名古屋の方はスモッグで蓋されているようにみえる。」と言われたことがある。東山辺りのトウカエデはスモッグの蓋から顔をだしているに違いなく、我が家近くのトウカエデは蓋の中にいるのだ。 
  気温の差に加えて、大気汚染、照明なども影響するらしいが、スモッグの蓋の中という感想を聞いて、名古屋市街地のトウカエデの色の悪さはスモッグの中でのヒート アイランドのせいというのが一番納得できる様に思える。

色づかぬままに散りゆく唐楓
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一茶忌や上目使いの小気味よさ   朱露

2008年11月14日 | Weblog

     十一月十九日六十三才信濃で没。
     生涯二万の俳句を吐き散らした。
     学ぶべきは人を人と思わぬ根性。
     やせ蛙が化けたのが一茶だった。

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師走の足音   麗

2008年11月13日 | Weblog
先日、師走恒例の新語・流行語大賞にノミネートされた
60語が発表になりました。

ざっと見てみると初めて見聞きする言葉もいくつか。たとえば。。。


  ★姫電(リボンやにぬいぐるみなどで装飾された少女趣味のケータイ電話)

  ★ローゼン麻生(漫画「ローゼンメイデン」を読んでいる麻生総理のことを
おたく層がこう呼ぶらしい)

  ★チョリ~ッス(こんにちはの意味。若者語)

  ★キモティー(西武のGG佐藤のお立ち台でのお決まりの絶叫)

  ★婚活(結婚するための活動のこと)
などなど。
どういう基準でノミネートされているのかよくわかりませんが

学生100人にアンケートをとったら
五輪で金メダルをとった北島康介選手の「何も言えねー」でした。

私としては「あなたとは違うんです」と言った
福田さんの言葉が印象に残っていますが授賞式に来るとは思えないので
ここはひとつ、言われてしまった
どこかの新聞記者にあげて欲しいな。

ねじれ国会・チェンジ・サブプライム・汚染米・メタミドホス・アラフォー・
キター!グ~!・おバカキャラなどが選ばれそうな気がしますが
どうなるでしょうか?

12月1日発表だそうです。

       流行語発表されて師走来る  麗
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縄文人辿り着いたる冬の海    朱露

2008年11月12日 | Weblog

  暖かい海から冷たい海へ来た御先祖。
  不安と幽かな望みで取り敢えず上陸。
  数千年がアッという間に過ぎて今日。
  縄文人成れの果ての私住み心地悪し。

        

縄文人といえば、『縄文海進』のあった
およそ6000年前。
海面は今より2メートルほど高かった。
地球温暖化よりスゴイ。

おそらく気候も温暖だから冬といっても
この辺りなら寒くなかったかも。
時雨などというコトバもなかったでしょうね。

次回の句会まで一週間となりました。
題詠は『時雨』

今日は青天で、ちょっと時雨の句を考えるには
そぐわないです。
明日から考えよう。   遅足



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秋にこそ風車を   鳥野

2008年11月11日 | Weblog
わが住まいのベランダで、植木鉢に挿した赤と黄色の風車2本が、わずかな風に美しく回っています。
色紙と竹箸とストローを針金でつないだ素朴なものです。

11月3日の「県九条アピール行動」に参加して、誰からともなくいただきました。
・9条守ろう、・9条で平和を、の墨文字はなかなかの達筆です。

ともすれば堅苦しくなる話題、きびしい言葉も出る集会のなかで、いつも空気を和らげてくれる風船や風車たち。
無くてはならない役者です。

風車の季題は春。これからは、11月3日が出番として定着すれば嬉しい。

  ・ 風船も色とりどりの風車も心のありて「9条」を舞う

                     鳥野
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「猿蓑」冒頭の時雨十三句       愚足

2008年11月10日 | Weblog
★猿蓑は、冒頭に時雨の句を十三句揃えて始まっているときいて読んでみた。
当時の風景が分からない点も多々あるが広重の版画のように脳裏に浮かぶ句も多い。

初しぐれ猿も小簔をほしげ也     芭蕉
あれ聞けと時雨来る夜の鐘の声   其角
時雨きや並びかねたる魦ぶね    千那
幾人かしぐれかけぬく勢田の橋   僧  丈艸
鑓持の猶振たつるしぐれ哉      膳所 正秀
広沢やひとり時雨るゝ         沼太郎
舟人にぬかれて乗し時雨かな    尚白
  伊賀の境に入て
なつかしや奈良の隣の一時雨     曾良
時雨るゝや黒木つむ屋の窓あかり  凡兆
馬かりて竹田の里や行しぐれ     大津 乙州
だまされし星の光や小夜時雨     羽紅
新田に稗殻煙るしぐれ哉        膳所 昌房
いそがしや沖の時雨の真帆片帆   去来
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窓の明かり          愚足

2008年11月09日 | Weblog
 夕暮れ、窓明かりの見える景がこの上なく好きである。
 暖かそうな家々の営みを感じて、わが身が少しばかり哀しくなる。
 少年の頃、自転車で友達と郊外に出かけてはぐれた。冷たい風の夕闇の中をペダルを踏んで家へ急いだ。つぎつぎと目に映る家々の明かり。あの時の景は今も懐かしく思い出す。

  時雨忌の人居る窓のあかりかな   前田普羅

 この句も好きである。飯田龍太の解説によれば「静かな裏通りの見知らぬ仕舞屋の二階にぽっと燈明り。たとえば西脇順三郎の『旅人かへらず』という詩篇のなかの《窓にうす明かりのつく/人の世の淋しさ》と似た風景にちがいない。ふと、そう、今日は芭蕉翁の忌避日だった、と。だが燈明りの中のひとはもとより無縁のこと。そう思えば、なおさら故人゛なつかしく、したわしく思われることである。と。」
 
 

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縦横に冬田を歩く中学生   朱露

2008年11月08日 | Weblog

  その名も多米中学校は田んぼの中。
  登下校時広い畦道は少年少女の列。
  その風景を三十年見続け七十余年。
  「見れど飽かぬかも」とは何故だ。

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ヒメウラナミジャノメとの出会い。     草女

2008年11月07日 | Weblog
 5月ごろ海上の森でヒメウラジャノメの写真がバッチリとれた。

 「ヒメウラナミジャノメ」(姫裏波蛇目)とは植物ではなくて蝶の名前。
 タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科で、羽の表は濃いベージュに蛇の目が目立つ。羽の裏は灰色に黒い線で細かい波があり表と同じ蛇の目がある。

 何故かこの蝶を撮ったことから、蝶撮影のスィチがはいった。
 今までにスミナガシやヒオドシチョウ、花に群がり密を吸っていた他の美しいチョウたちを撮ったことがあるのに、なぜこの蝶から真剣になったのかなのかわからない。 
 何故と何度も問い返してみたが、結局答えは浮かばない。
 縁というものはこんなものかも知れない。 
 ともかくこの時のヒメウラジャノメの写真のせいで、現在の蝶ウオチィングの扉が開いた。山へ行っても、森へ行っても、公園へ行っても、植物を探すと同時に蝶を追う。                                  おかげで、図鑑は増え、写真見直す楽しみは植物だけのときに比べ倍増した。  以前は虫が苦手で、蝶の撮影は避けてきた。今のカメラは性能が良いので蝶の胴体の毛までバッチリ撮れてしまうこともたびたび。そんな時は背中が寒くなりもぞもぞするのである。
 今でも少し後悔するが、写真の個体が何かを調べる好奇心のほうが勝る。

 蝶のお陰で、すごーく楽しかったシーズンももうすぐ終わり残念だ。
 今日はもう立冬。でも言うではないか、冬来たりなば春遠からずと。 

   蝶追えば林の中に冬の立つ   
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言葉にすること   麗

2008年11月06日 | Weblog
先週、ある大学で行われた山田洋次監督の講演を聞きにいきました。
学生も一緒にステージにあがり監督の製作した寅さんの
一場面を上映しました。
今見たばかりの映像について、どんな景色だったか?時代はいつか?舞台は?
登場人物は?と監督が次々に矢継ぎ早に学生に質問していきます。

ところが学生はうまく情景を説明することができません。
答えもすべて単語形式で文章できちんと話せる人が少ないのです。
これもメールの影響でしょうか?

現代の若者の言葉の少なさに監督も驚いた様子でしたが
きちんと言葉で伝えることが大切と何度もおっしゃっていました。

「想像するとは言葉で説明できること。言葉にできないことは単なる妄想」
という監督のメッセージが心に残りました。

後日、名古屋空港あとにできた
エアポートウォークで寅さんの昔の映画を見てきました。寅さんのおせっかいともいえるほどの言葉の多さ。
日本人は昭和時代より日本語を話さなくなっている気がしました。

     言葉数少なくなりて秋探し   麗
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