575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

海外で原爆を伝える

2008年12月05日 | Weblog

フランスに住んで原爆の被害について伝えている
美帆シボさんの歌集「人を恋うロバ」が最近出版されました。

そのなかから幾首かを。

 被爆者のかたえに訳す証言を五度くりかし五度こころ漂う

 「原爆の子」を語らえば聞く子らの視線はひしと我が身に迫る

歌集の題になった歌

 闇ふかき谷間を駆ける音ひびき窓の灯りに人を恋うロバ

フランスに長く住んで日本語力の衰えを感じて
短歌を始めたそうです。

歌をはじめてからフランス社会も
新鮮に見えるようになったととか。

俳句にも同じ効用がありますね。   遅足


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ツルウメモドキ(蔓梅擬)

2008年12月05日 | Weblog
 海上の森の大正池の横を歩いていて、鮮やかな橙色で小さい舟形のものがたくさん落ちているのに気づいた。まるでプラスチックのような感触で、中には舟形の中にしきりを持つのもある。花びらではなく、実を包んだなにかではないかと辺りを見てもなにもない。考えこんで立ち止まっていると、仲間が追いついてきて一緒にさがす。                                         その仲間が指差す方にツルウメモドキが、ぎっしり実をつけている。そして先ほどの橙色の皮を付けている。仮種皮である。そう、こいつが道から5,6m離れた池の近くまで風で飛ばされたらしい。生け花やリースなどで馴染み深いのに、この部分だけ見せられるとそれが何かさっぱりわからない。不思議なものだ。

 ツルウメモドキはニシキギ科ツルウメモドキ属の落葉つる性木本。長さ数メートルになるが、芽生えて1,2メートルの間はまっぐに立ちのび、その後適当な木に巻きつく。実が美しいので庭に植えたいが、雌雄別種なので二本植えなければならぬのが難点。

 とて、ツルウメモドキも葉がウメに似ているところから付けられた名前であるが、もう一つ葉がウメに似ているからウメモドキと名付けられている蔓でなくて木がある。こちらはモチノキ科モチノキ属でやはり雌木は直径5mmほどの赤い実をたわわに付ける。葉が落ちたあとも実が残りうつくしい。
 ウメモドキとツルウメモドキ、全く違う種類なのにややこしい名前をつけたものだ。これも昔中国への憧れ、舶来の梅への憧れが強くてあれにもこれにも名づけられたのだろう。

 蔓もどき情はもつれ易きかな      高濱虚子
 蔓もどき枯れ木にからむ振る舞や   追川瑩風
 滝音につるうめもどき紅を増す     窪田玲女
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西国三十三所  麗

2008年12月04日 | Weblog
前回の句会の前に郁子さんと名古屋市博物館で開催されていた
西国三十三所展に行ってきました。

会場は年配の方を中心におおにぎわい。
去年からお寺参りが好きになった
私ですが、三十三所のお寺の24番札所は大阪宝塚にある中山寺。
ここは私が母のお腹に入っているとき安産祈願のために腹帯を頂いたところなのです。
幼いころは母に連れられてよく訪れていました。
お参りの帰りに甘い「おあげさん」
が入っているきつねうどんを食べるのが大好きでした。

なんだか急に懐かしさと興味がわいてきて両親を誘い先日、
40年ぶりにお参りしてきました。
震災で被害を受けたと聞いていましたが
階段横にはエスカレーターも整備され
安産や子供の成長を祈る明るい気が充ちているお寺という印象を受けました。

お寺の赴きは少し現代的になりましたが
甘いきつねうどんの味はそのままでした。

     極月や母を連れての観音堂  麗


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極月や何かつかんだことにする     朱露

2008年12月03日 | Weblog


   「外面女菩薩内心如夜叉」というのは
   女の表裏を言う最悪の言葉であるが、
   男の私はこれを頂くつもりになった。
   理想的私像はこういう姿でありたい。
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さよなら0系   鳥野

2008年12月02日 | Weblog
新幹線の0系が、引退です。
懐かしさひとしお、この列車があってこそでした。
零細な週刊紙、少しでも安く引き受けてくれる印刷所をと捜し当てたのが、大阪産経新聞印刷。
組版と降版に週2回づつ、新幹線のスピードを勘定に入れての、仕事でした。

よく込み合いました。が指定席なんて高値の花。デッキに座り込んで原稿チェックをしたものです。
最新鋭超特急の面汚しでした。

仕事に余裕がうまれた後年には、2階建てとか、食堂車付きとかも出来て楽しんだものでした。

その後、車両は進化し、その度に旅情は薄れて、今や700系。速度の追求に汲々です。

デビュー以来44年、0系もワタシも歳をとりました。

 ・ 風のなか入線したる新幹線 海辺の温度を身にまといつつ 

                         鳥野
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師走          愚足

2008年12月01日 | Weblog
今日から十二月です。
 極月・・・果ての月
 師走・・・忙しい月 
 春待月・・春を待つ月
その他に梅初月・三冬月・親子月・弟月・乙子月などが記載されていました。
 親子・弟・乙子なんて「何故?」です。教えてください。
 この月を現す季語が多いように句も多いですね。

   何に此の師走の市に行く烏       芭蕉
   炭売に日のくれかかる師走かな     蕪村
   板橋へ荷馬のつづく師走かな      子規
   病む師走わが道或はあやまつや    石田波郷
   極月の喪帰り別の葬に遭ふ       窪田あさ子
   極月の山彦とゐる子供かな       細川加賀

★写真は師走猫(しらすねこ)
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