自由題でトップ賞になった晴代さんの句です。蕊は「しべ」と読みます。雄しべと雌しべのこと。漢字を見ると心が三つもありますね。
どなたが、なぜ来たのか。。。通された客間で耳をひそめている百合の花でしょうか?何か訳ありの感じがしますが、想像が膨らむ句です。百合の雌しべの固い感じが緊張感を孕んでいる気もしました。雄しべの花粉を嫌う人もいます。
頂いたコメントをご紹介します。
能登さん:百合の蕊が生きていますね。
郁子さん:大人の句という風情が。百合の蕊に神秘的なイメージがある。何か気になる。
竹葉さん:百合は来訪者が持ってきたのでしょうね。きっと大きな花で雌しべからいい匂いが玄関いっぱいに広がってたのでしょう。「訳には触れず」だけれど百合こそが訳だと想像させてもらえる面白い句だと思います。
童子さん:百合の芯が、ただならぬ「わけ」を象徴しているようでとても魅きつけられました。
★★★
晴代さんは以前、
屈託の顔の手土産さくらんぼ
という句を作っておられます。2018年6月の句会でした。この時は訳ありの相談事と作者は感じたそうですが、はてさて、今回はどんな訪問だったのでしょうか?聞いて欲しいけど言えない悩みか、それともふらっと立ち寄ったのでしょうか?ちなみに百合の花言葉は
「純粋」「無垢」「威厳」です。どれがぴったり来るでしょうか?麗子