み吉野の・・・巻一・七四 文武天皇
み吉野の・・・巻一・七四 文武天皇
「み吉野の 山の嵐の 寒けくに はたや今夜も わが独り寝む」
校訂原点(漢字)
「見吉野乃 山下風之 寒久尒 為當也今夜毛 我獨宿牟」
現代語訳と解説
「吉野の山の嵐は寒いのに、また今夜も私はひとりで寝るのだろうか」
吉野の山から吹き下ろす、夜の激しい風。カラダは冷えきってしまうほどの寒さなのに、今夜もまたひとりで寝なければならないのでしょうか。
これは天皇自身の歌というより、旅をする人に共通する感情として詠まれた歌です。
万葉の頃は、よく旅をしました。天皇に従う旅、地方に赴任する旅、行商などもあったでしょう。 愛しい人を恋しく想ったり、ひとり寝を寒く、寂しく感じることは旅を経験する人たちにとって、一般的な感情として共有できたのです。
季節や環境など、カラダで感じる寒さだけでなく、ココロで感じてしまう寒さもある。
ひとり寝をより一層寒くするのは、寂しさ。
愛する人と一緒に眠れないのが旅路なのです。
いつの時代も、カラダとココロを温めるチカラは大切な人の存在がいちばん強いのかもしれません。
み吉野の・・・巻一・七四 文武天皇
「み吉野の 山の嵐の 寒けくに はたや今夜も わが独り寝む」
校訂原点(漢字)
「見吉野乃 山下風之 寒久尒 為當也今夜毛 我獨宿牟」
現代語訳と解説
「吉野の山の嵐は寒いのに、また今夜も私はひとりで寝るのだろうか」
吉野の山から吹き下ろす、夜の激しい風。カラダは冷えきってしまうほどの寒さなのに、今夜もまたひとりで寝なければならないのでしょうか。
これは天皇自身の歌というより、旅をする人に共通する感情として詠まれた歌です。
万葉の頃は、よく旅をしました。天皇に従う旅、地方に赴任する旅、行商などもあったでしょう。 愛しい人を恋しく想ったり、ひとり寝を寒く、寂しく感じることは旅を経験する人たちにとって、一般的な感情として共有できたのです。
季節や環境など、カラダで感じる寒さだけでなく、ココロで感じてしまう寒さもある。
ひとり寝をより一層寒くするのは、寂しさ。
愛する人と一緒に眠れないのが旅路なのです。
いつの時代も、カラダとココロを温めるチカラは大切な人の存在がいちばん強いのかもしれません。