12月も中旬に近づくと、寒い日が多くなるせいで、田んぼや道路脇は、みな枯葉色になってしまう。
昨日、走りに出たときに、そんな風景を見て晩秋から初冬に変わったなあと思った。
場所によっては、道路わきに雑草も生えているところもあるが、そこに花は咲いていない。
やはり寒風にさらされて、植物たちは、冬を越すために縮こまって生き延びるのに必死なのだ、と思う。
毎月行っている埼玉だと、この時期でも田んぼや道路脇に雑草の花を見ることができる。
ホトケノザやオオイヌノフグリなど、日中咲いているのをよく見かける太平洋側にうらやましさを感じる。
そんなことを思いながら走っていたら、道端で1か所、ずいぶん緑の多い場所に行き当たった。
そこは、やけに雑草が元気でたくさんの花が見られ、驚いた。
ほかの場所ではすでに枯れているものが多いのに、そこは豊かな花畑になっていた。
うわあ~、とうれしくなって足を止めて、しばらく走るのはやめてしまった。
まずは、ノボロギクの白い綿毛が目立った。
黄色い花も見えるが、綿毛の方が華やかに見えた。
よその場所ではもう枯れているイヌタデもまだピンクだった。
その向こうには、青い花が咲いていた。
これは、ワスレナグサによく似たキュウリグサ。
小さすぎてピントが合わないが、ともかくこんな冬間近の時期に見たことがない。
ノゲシの黄色い花も輝いて見える。
ふっくらふんわりしたタンポポの綿毛。
形は同じでも、こちらは花、シロツメクサ。
残念ながら四つ葉は見つからなかったが、ふっくらした白い花を見られただけでも御の字。
ヒメジョオンだってまだこんなに咲いていた。
そして、最後にオオイヌノフグリ。
この青い「星の瞳」が見られるとは、もう春が来たようだ。
ここだけ10mくらいの距離のところに、「雑草の花畑」になっていることを不思議に思い、考えてみた。
そこは、まず日当たりがよい場所だった。
日当たりがよいと暖かい。
だけど、その前後も日当たりはよい場所だが、そこに花はなかったから、別な理由もある。
低いけれど、壁になるものがあったのだ。
その壁によって、北からの冷たい風が当たることが防げているのだと思い当たった。
日当たりがよくて、北からの風が防げれば、新潟でもこんなに雑草の花畑になるのだなあ。
そんな発見ができた。
その発見そのもの、そして何より数々の雑草の花を見られたのが楽しかった。
その楽しさの余韻に浸りながら、10㎞走ったのだった。