ON  MY  WAY

60代を迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされ生きる日々を綴ります(コメント表示承認制です)

「雑草のくらしーあき地の五年間ー」(甲斐信枝著;福音館書店)

2023-12-18 20:42:09 | 読む

山野草の花見と言えば聞こえはいいが、要するに雑草の花見が好きな私だ。

過酷な環境の中でも生きて、花を咲かせ、種や地下茎などで、子孫を残していく。

その生命力には引きつけられるものがある。

 

そんな雑草たちのたくましさを感じさせる絵本がある。

先日亡くなった、甲斐信枝さんの「雑草のくらし ーあき地の五年間ー」である。

あき地となったさら地に生えて生きる、雑草たちの話である。

最初は、メヒシバ。

それからオオアレチノギク、セイタカアワダチソウ、カラスノエンドウ、クズ、ヤブガラシほかの植物たちが登場する。

それら雑草たちの、あき地の五年にわたる栄枯盛衰が描かれている。

どのページも、雑草たちの絵が丁寧に描かれ、迫力がある。

雑草の1つ1つの絵には、その雑草の名前が小さく付記されているので、どんな雑草がどんな名前なのか、よく分かる。

そういったところに、目立たない雑草などに対する著者の愛情を感じる。

1985年に初版が出ているが、版を重ねて今も販売されているのは、子どもから大人まで楽しめるからだろう。

93歳で亡くなられた甲斐信枝さん。

素敵な絵本をありがとうございました。

合掌。

コメント
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