神戸文化ホールは時々NPO法人が企画上映する映画の会場になります。
見逃した「オカンの嫁入り」の上映があったので行きました。三宮から地下鉄で二駅の「大倉山」下車。
「オカンの嫁入り」は好きな大竹しのぶの母親に娘が宮崎あおい、そして脇が国村隼、絵沢萌子とくれば観ないわけにはいかない。
文化ホールの守衛室の前に、過去の出演者の色紙が沢山並んでいた。
何の気なしに見ていくと柳谷小三治の色紙もあった。
よく見ると「御容赦」と書いてある。これを見て胸のつかえが一気に氷解した。
この色紙に書いてある2年前の当日、相方と小三治の落語を楽しみに「東西落語名人会」を文化ホールに
聞きにきたのだが、彼は何ともひどいデキというか、酔っぱらっていて話もおぼつかなくて話にならなかった。
その日、長年ずっと好きだった小三治が、東京ではないと思って客をなめてると思い不愉快な思いで帰った。
しかし、1年ほど前たまたまテレビで小三治の一日を追う番組があって、それでも見ていると彼は酒は一滴も飲めない体質だと、
そして持病を持っていて大量の薬を欠かせないと言っている。ではあの日は酔っぱらっていたのではなく、本当は休演したいくらい
体調が悪かったのかもしれないと相方と話をした。この色紙は間違いなくその推測が当たっている証拠だと思った。
彼も来てくれた客に申し訳ないと思っていたのだ。これまで何回も神戸文化ホールには行ったが、色紙のコーナーがあるのは知らなかった。
この色紙と出会えて本当に良かった。これからも小三治と阿三治は応援していこう。
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