一昨日から収録順にきいている、クセニア・レフラーの「Bach's Oboe」(2024年録音)。今日きくのはニ短調のカンツォーナ(BWV588)です。このカンツォーナは「メラー手稿譜集」に所収。ジローラモ・フレスコバルディの「使徒書簡のあとのカンツォーナ」(『音楽の精華』)の主題を借用してバッハが作曲した楽曲です。レフラーたちはこれを、オーボエ、タイユ(ターユ、テナー・オーボエ)、2本のファゴットのために編曲してきかせます。
音楽は2つのフーガからなり、ファゴット→ファゴット→ターユ→オーボエと、ゆったり積み上げられてはじまる前半のフーガ(第130小節まで)は、じつにまったりとした味わいがあります。後半のテンポをはやめたフーガともども、対位法の彩もききとりやすく、とても楽しめる演奏です。奏者はオーボエがレフラー、ターユがミヒャエル・ボシュ、ファゴットがギュオルギ・ファルカシュとクリスティアン・ボイゼです。
CD : ACC 24406(ACCENT)