今週きいてきたのは、川原千真の「J.S.Bach: Drei Sonaten und Drei Partiten für Violine Solo」。収録順=BWV番号順にきいてきて、のこるはこれからきく無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番のみとなりました。川原の演奏はほかの5曲と同じく、じつに入念な演奏。練られた解釈が高い技術で結実しています。好みでいえば、まとまりがよすぎる感じがして、もうちょっとファンタジーの飛び交う余地があれば、と思ってしまいますが、それは奏者の個性ということなのでしょう。あるいは、録音から20年近く経とうとしているいまなら、またちがった味がくわわるのかもしれません。アルバムの録音は2007年。使用楽器は18世紀後半の北イタリア製のヴァイオリン。解説書も充実しており、川原と同窓(東京藝術大学)の有田栄が執筆しています。
CD : CRT-3100/1(CRÉATION)